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マン・マシン・インタフェースの未来

「ヒューマンインタフェース学会」の専門研究会「共生システム専門研究会第2回研究談話会」に参加するため、京都大学吉田キャンパスへ行ってきました。

そもそも、私はこうした学会の活動というものに関する経験が全くなく、今回も「インタラクティブワークショップ」って何かこっちも作業したり発表したりあるのかとちょっとおっかなびっくり…。けれども実際は、研究者の方々の発表(パネル+ノーパソでのモックアップ)のプレゼンをお聞きしながら、談議できるって言う、実に楽しいものでした。

もともと、私自身がインタフェースデザイン*1を学術的に捉えなおすきっかけは、「脳と視覚(リチャード・L. グレゴリー)」「視覚心理学への招待(大山 正)」など、視覚心理学をテーマとした書籍からでした。そのためか、もっと理論ベースの発表を予想していましたが、想像以上に実際的なものづくりをされており、「インタフェースは結局作ってみなくちゃわからん」という側面を再認識。実際、すぐ試作を作りたくなる、アーケード屋さんには馴染み深かったです。 あと、今回は特にに工学系のバックボーンが強いと言うこともあるのかも知れません。

こうした、半ば現実化したアイデアを、一度に複数見ることは、私にとってなかなか得がたい体験であり、正直シリーズものばっかりのゲームショウに行く事より100倍刺激を受ける事は間違いなしです。 うーん。そう考えるとなおさら、先週の「ヒューマンインタフェースシンポジウム2007」に行きたかったな〜。WEB上の情報だけでは入会を思い切れなくて、残念!


さて、今回はたくさんのインタフェースの専門家の皆様にもお会いでき、「音楽ゲームのインタフェースデザインには、研究者はかなり注目してますよ」なんて、暖かいお心遣いに溢れた発言までいただいてしまい、嬉しいやら、面映いやら。

こういう学会活動は、会社の守秘義務もあり、うかつなコメントは一言たりともできなかったり、いろいろ神経を使いますが、間違いなく刺激的であり未来への可能性を感じました。


あくまで個人的な見解&ユートピア幻想かも知れませんが、私たちアーケードマシン制作集団が育んできた、「ユーザー志向のインタフェースデザインシステム」のメソッドを、パッケージ化して、日本の組み込み系機器産業に根っこからしっかり植え込むチャンスがあれば!と思うのです。

そうなれば、「SONYiPodに大負けている現実を、日本人のデザイナーとして苦々しげに見る」ようなことは、確実に無いハズ。
美的価値の高い製品サービスを継続的につくり続ける環境。私らの次の世代に何を残すかを考えると、そういう道が日本人には一番あっているんじゃないかなと私は確信します。あぁ、それには「デザイン」がもっとビジネスの決定の場に大きくコミットしていかないとダメだな。


まぁちょっと大仰ですが、何かそんな感じで、色々な可能性を感じた一日でした。

*1:学会名はインタフェースですが、それ以外、本文中の記述はインターフェースに統一します。(2008/12)やっぱり、インタフェイスに変更。−(音引きをつけないのは学会の論文ルールだそうです。フェースかフェイスは原音の発音をどう表記するかと言う問題。)(いやもういいや。学会にあわせますんで)