国立京都国際会館

 今週は梅雨明けの京都に出張。夏の京都は暑い、猛烈に暑い。夕方、駅からホテルまでの道のり、僅か数分で汗だくになる。四条烏丸のホテルにチェックインの後、同行の部下と二人で夕食へ。祇園祭の名残を残す四条通を東へぶらぶら歩くとやはり汗でグダグダ状態。美味しくBeerをいただくためのセレモニーなのだと無理やり納得したが、確かにその甲斐はあった(笑)。

 翌朝、早めにチェックアウトして向かったのは国立京都国際会館。京都の町を南北に走る地下鉄烏丸線の北の終点、国際会館駅で下車し、長い地下通路を歩いて地上に出るとすぐ目の前に国立京都国際会館はある。この日の仕事はここでの展示会だ。開場前に到着し、周辺をぶらぶら歩く。日本初の国際会議場として誕生し、さまざまな国際会議の舞台となったこの会館。1997年には地球温暖化防止京都会議COP3が開催され、「京都議定書」が採択された場所だ。

 京都国際会館が誕生したのは1966年、高度経済成長の時代、日本が「未来」に向かってモーレツに突き進んでいた時代だ。そんな時代の息吹が感じられる建物はまさしく未来的な外観でそびえたっていた。実にクールでカッコイイ。未来の地球防衛軍の基地みたいだと思ったら、TVウルトラセブンで六甲防衛センターとして登場したのだそうだ。ものすごく納得してしまった。

 高度経済成長時代は、昔から外国の進んだ文化を取り入れ学んできた日本が、世界のどこにもない「未来」を自由に描いた時代だったのかも知れない。大阪の万博記念公園を訪れた時に感じた、未来を描き、それに向かって突き進むパワーをここでも感じた。半世紀近く昔に描かれた「未来」からは、どこか懐かしい匂いが感じられた。まがりなりにも当時を生きた世代の感傷なのだろうが、当時を知らぬ世代の目にはどう映るのだろうか。同行した部下に今度聞いてみよう。