固有値について(その2)

ここ一週間ぐらいでまとめていた固有値について一応整理してみた。ここにPDFを置いた。

この中では、ある行列Aによる一次変換を考えて、その行列の固有ベクトルを軸として点を表現すると点はx=xPとなるし、写像AP^{-1}AP=\Lambdaとなって、簡単な式になるという事を示した。

これらの関係は図のようになる。

しかし疑問が残る。主成分分析やマハラノビスの汎距離を計算する時など、相関行列の固有ベクトルを取る。別に相関行列で一次変換するわけでもないのに・・・、相関行列の固有ベクトル空間で表現するという事をする。

計算上からだけいえば確かに、相関行列R_X固有ベクトルを座標軸にすると相関行列自体は\Lambdaと簡単にかける。

計算の概要は、まず相関行列の固有ベクトルを並べたモードマトリクスPを作ってやり、それを新しい座標軸にする。そうすると、Xというデータ行列は、あたらしい座標軸でのデータ行列Y=XPというように計算できる。

なので、Y^tY=(XP)^tXP=P^tX^tXP=P^tR_{X}Pとなる。ここで、もともとPが相関行列の固有値であるから、R_{X}P=P\Lambdaになっている。

なので、Y^tY=(XP)^tXP=P^tX^tXP=P^tR_{X}P=P^tP\Lambda=\Lambdaという寸法である。

相関行列を簡単にかけると何が嬉しいのか?

確かに、点xと点yの距離は、元の座標軸では(x-y)^tR(x-y)であるが、あたらしい座標軸では(x'-y')^t\Lambda(x'-y')と簡単になる。