悩める日々

全国一千万人の読者のみなさま,お元気でしょうか?私はだいたい元気です.
息子さんもすくすく成長し,早くも大学病院のお世話になり治療にボーナス一回分(税抜)を計上してしまうくらいに元気です.いや,命に別状はないのでご安心を.

さて,そんなことより,あまり望んでいなかったのですが,いや,もっというと断り続けていたのですが,会社人としてさらなる高みに昇るための試験とやらを受けなくてはいけないようです.
周囲からは,インバスケット…インバスケット…と呪文が聞こえてきておりますが,私は問題を解くことより,論述のとき漢字を思い出せないことの方が問題だと感じている今日この頃です.

まあそんなことはさておき,周囲からのプレッシャーは相当なものでして,はなはだ不安でございます.
(心情としては)ダメ元でやってみようと思います.おわり.

BitCoin

最近,現実逃避&趣味で BitCoin の仕組みについて今更調べていたのですが,こりゃすごいわ.大変よくできている.Satoshi Nakamoto は何者なんだろう?
ブロックチェーンと Proof of Work と,安全性・採掘の関係がわからなくてのたうち回っていたけれど,一応今は理解できているつもり.

  • 取引(コイン譲渡)は電子署名によりねつ造・改ざんされていないことが保証されている(ブロックチェーンとは直接関係ない)
  • ただし,電子署名だけだとコインを複数の取引に水増しして使うことはできる(二重支払い)
  • ブロックチェーン(台帳)によってP2P上で共有された直近10分の全取引を台帳につきあわせることで二重支払いなどの取引の矛盾を検出できる

基本はここまでなんだけど,その取引の矛盾を解消した取引一覧を承認して,新たにブロックチェーンの最後に取り付ける操作を特定の人(採掘者)ができてしまうと公平性がない.なので,

  • ブロックチェーンの最後に取引ブロックを追加するには,あたりが出るまでスーパー時間のかかるくじ引きを行い,あたりを最初に出した人がその権利を享受できるようにする(Proof of Work)

たぶんこんな理解であってると思います.

それと,勘違いしていたのは,これ.

  • 悪意のある採掘者は取引を改ざんすることはできない.なぜなら,取引は過去から正当とされているコインに譲渡側が署名をつけているため,採掘者がいじったりはできない.
  • ただし,取引をなかったことにはできる.

あくまで,ブロックチェーンは二重支払いみたいな取引の矛盾がまかり通っていないかを証明するための台帳でしかなく,安全性の根拠は,各人の電子署名だとか,Proof of Work によって生まれる採掘権の公平性なのですね.
副産物的に(経済観点からはこっちが主だけど),採掘権を得た人(Proof of Work の勝者)に報酬としてコインが生成されるというところが,この問題をわかりにくくしていました.

採掘という概念,これはすごく面白くて,コインの産出量を採掘のみでコントロールできていることから,出回るコインの数が制限され,安定的な通貨を実現しているそうです.産出量は次第に少なくなっていき,いずれは算出されなくなっていきますので,コインの希少性は高まっていきます.ほとんど金などと同じかんじですね.

…しかし,電子貨幣(Digital Currency)といわれると,むかし暗号セキュリティをやっていた人間からするとなかなかの違和感.
というのも, Digital Currency では匿名性を重視しているのですが,この性質が一部満たされていないのです
一応個人を紐付ける情報は隠されているのでAnonymity(コインと人が紐付かないこと)はよいのですが,ブロックチェーン(台帳)にすべてのコインの流れが最初からすべて記されているため,Unlinkability (取引と取引とが紐付かないこと)は満たされません.要するに,現金とは転々流通の過程で,前に誰が使っていたのかという情報は落ちていきますが,BitCoin ではその情報が見えたままになっています.誰が誰かはわからないけれど,この人とこの人はつきあいが多い,みたいなクラスタリングくらいはできそう.

というわけで,大変勉強になりました.