days of cinema, music and food

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Terminator Salvation


話題の『ターミネーター4』先行レイトショウに行って来ました。
土曜21時45分からの回は、ほぼ満席の状態。
期待と人気の高さを思わせます。


この回、デジタル上映だったのです。
要はフィルムを使わない、DLPプロジェクタを使ったHD上映です。
本編のみならず予告編もデジタルだったので、いきなり驚きました。
予告にあった『20世紀少年』第3部は、デジタル撮影作品なのでしょうか。
まるでフィルムの粒状性が無く、HD撮影に見えました。
他の作品には粒状性があったので、多分間違いないでしょう。


さて本作は撮影はHDキャメラではなく、35mmで行われたようです。
なので粒状性は多少ありますが、最新作らしく総じて高画質。
音響もかなり迫力がありました。
こういった低音は家庭では中々出せません。
劇場とホームシアターの違いは、やはり大きいですね。


映画の舞台は2018年、「審判の日」以降の物語となっています。
30代前半となり、ゲリラ軍のリーダーとなったジョン・コナーと、2003年に死刑執行されて何故か蘇ったマーカス・ライトを主人公としています。
コナーら抵抗軍は、スカイネットがコナーとカイル・リース抹殺を企んでいるのを知り、まだ10代のリースを何とか探し出そうとします。
一方、ライトはリース少年と知り合いますが、スカイネット軍の襲撃によりリースは捕われ、ライトは助け出そうとします。
コナーとライトが出会ったとき、さてどうなるか、というもの。


監督はマックG。
恐らく、私も含めて誰1人期待していなかったであろう監督です。
チャーリーズ・エンジェル』の監督に、ターミネーター・シリーズの監督が務まるのか、と。
第3作は僕はそこそこ楽しめたのですが、世評は最悪でしたからね。
ジョナサン・モストウの演出はスリリングだったし、アクション演出も彼らしく緊張感と迫力がありましたが、いかんせんスケール感に乏しかった。
そこに果敢に挑んだモストウは敢闘はしたと思うのですが。
今回のマックGもその意味では同じかも。
そして今作は彼のジェームズ・キャメロンへの敬愛の念が非常に出ている映画となっています。


いきなり冒頭クレジットのデザインからして、『ターミネーター』1作目へのオマージュが炸裂します。
あれの21世紀版デザインといったところでしょうか。
その後のジョン・コナー対エンド・スケルトンの闘いも、同作クライマクスそっくり。
さらには僕は『エイリアン2』も大好きなんだー、とばかり、口の利けない少女やら、胴体串刺しやらまで登場。
全編キャメロン作の『ターミネーター』2作と『エイリアン2』に酷似した場面が頻出します。


これは幾らなんでもやり過ぎでしょう。
敬愛の念こそ分かれども、重要な場面でも予想が付いてしまうのですから、スリルも盛り上がらない。
全編視覚効果はさすがにシリーズ最高で、スカイネット軍の各種ロボットは目を楽しませてくれます。
しかしキャメロン作品の特に『T2』にあったような粘って粘って盛り上げ、そしてカタルシスという場面が無いのです。
思い出してみましょう、『T2』のコナー少年がT-1000及びT-800と出会うまでの緊張感の盛り上げと、その後のチェイス・シーン、そして大爆発によるカタルシスを。
あのくだりに匹敵するような場面が無いのです。
いやいや、あれは映画史に残る名場面だから、それと比較するのは荷が重いって?
なるほど、でもやはり緊張感に欠けてしまう。
これは演出が余り上手くないからなのではないか。
もっとも『T1』だって、潜伏→追跡→潜伏の繰り返しで、やや単調だとは思いましたし、緊張感の盛り上げが最高だったのは序盤のディスコのくだりくらいでしたが。
あんなに不評だった『T3』だって、トレーラー・トラックを使ったアクション場面は凄かったでしょう?
少なくともあれに匹敵する場面くらい用意してくれても良かったのではないでしょうか。
マックGの演出自体は非常に力が入っているだけに、余計に惜しまれます。
もっと起伏に富めば良かったのに、一本調子だからなのでしょう。


主演のクリスチャン・ベイルは大力演。
ダークナイト』とは違い、全編緊張感を漂わせます。
それでいながら単調ではない。
さすがですね。
注目のサム・ワーシントンは初めて見たのですが、中々の好演ですね。
彼の演技もさり気なくも良い。
今後、話題作も目白押しですし、期待したい新鋭の登場です。


意外な配役では、抵抗軍司令官役マイケル・アイアンサイド
この人が登場すると一気にB級映画っぽくなるのが愛嬌。
それもこちらが彼の出ている映画をそれなりに観ているから、なのでしょうが。


ダニー・エルフマンの音楽は、近年の彼のキャリアの中で最低の出来でした。
ブラッド・フィーデルによる有名なテーマ曲を消化しようとしていますが、アレンジが良くない。
音楽も全体に単調で面白みに欠けています。


ところで、これは凄い出来のようですね。

クリスチャン・ベイルにそっくり。
ここまでスターに似ているフィギュアも珍しいのではないでしょうか。
値段も立派ですが、完成度も立派と見ました。


あ、似ているフィギュアではこんなのもありましたね。

これもかなりそっくりのようですが、怖いので飾りにくいかも。