days of cinema, music and food

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Batman: Arkham Asylum


Xbox 360で『バットマン アーカム・アサイラム』キャンペーン・モードをクリアしました。
kajugumiさんがPC版をご紹介して下さった記事を読んだときからかなり期待していましたが、期待を上回る面白さでした。


バットマンに連行されてアーカム監獄精神病院に収容されたジョーカーが、隙を付いて部下たちと病院を占拠。
さらにはゴッサム・シティへのテロを画策します。
そのジョーカーの野望を絶つ為に、危険極まりない病院敷地内をバットマンが潜入します。
同病院には、かつてバットマンによって捕らえられた極悪犯が何人も居て、復讐を企んでいます。
バットマンは彼らも相手にしなくてはなりません。
危険極まりない状況で、バットマンの孤独な戦いが始まります。


物語はオリジナルですが、設定は『ダークナイト』などの最近の映画版ではなく、DCコミックス版に近いようです。
しかし禍々しい雰囲気や重厚な音楽など、クリストファー・ノーラン版の映画を意識しているようでした。


正直に言って、Xbox Live Arcadeに上がっている体験版を遊んだときは「欧米の評価ほどではないかなぁ、予約をキャンセルしようかなぁ」と思っていたのですが、やはり体験版はほんのさわりでした。
アクションも爽快だし、隠密行動は緊張感があるし、ボス戦もバラエティに富んでいるしで、非常に楽しめました。
キャンセルするのを忘れて良かった。
本当に良かった。


バットマンは銃器を使わず、主に肉弾戦で敵と戦います。
またはコウモリ型のブーメラン、バットラングなどを使いますが、決して殺しません。
倒した敵を主観アップで見ると、ちゃんと気絶して呼吸しているんですね。
こういった作り込みもよく出来ています。
グラフィックも相当に凄い。
写真はムービー部分ではありません。
バットマンを操作して、物陰から窺わせている状態です。
雰囲気もあるでしょう?
アングルも斜めになったりで、いちいちカッコ良いんです。


私のように決してアクション・ゲームが得意ではない人間でも、爽快かつダイナミックな肉弾戦を繰り広げられるのも魅力の1つ。
簡単なボタン操作で敵をなぎ倒せます。
コンボが繋がると次々とダイナミックな動きを見せてくれて、自分が格闘技ゲームの上達者になった気分を味わえるのも楽しい。
ハイスピードで立ち回るバットマンなのですが、敵を倒した瞬間はスピードもスローモーションになり、また最後の1人を倒した場合はそこだけアングルが変わってアップになります。
ザック・スナイダー「300」でのアクション場面を思い出してみて下さい。
あんな感じで戦えるのです。
しかも序盤は適当にボタン連打で倒せますが、徐々にそうでなくなります。
自然に上手になろうと思ってプレイしてしまいます。
単純であっても浅薄ではないのが、最後まで飽きさせない理由になっています。


バットマンは銃器を使いませんが、敵の囚人たちには銃器を使う者もいます。
そんなときにモロに戦うと、あっという間に倒されてしまいます。
武装している相手には見つからないように、後ろから忍び寄ったり、高所からこっそり釣り下がったりして倒します。
このようにステルス要素もあるのです。
ステルスと言っても、『メタルギアソリッド』よりかは『アサシン クリード』に近い、やや大雑把な感じを受けました。
しかし倒し方も種類があって楽しい。
こっそり近寄って殴り倒したり、高所からマントで滑空して倒したり、ロープに吊るしたりします。
いつの間にか味方が倒され、緊張やパニックに陥る囚人たちを見ると、やはりバットマンはこうでなくでは。
敵に畏怖の念を抱かせるのがバットマンだよ、と思い満足。
色々な要素が「バットマンとしてのプレイ」に貢献しています。


アーカム精神病院が舞台だから、てっきり建物内の狭い空間で戦うのかと思っていたら、結構広い島の中を行き来します。
なので狭苦しい感じのゲームではありません。
しかしゲームが進行するに連れて、バットマンが傷だらけ、スーツやマントもボロボロになり、無精ひげも生えてくるのが、彼の孤独感を感じさせ、重厚な作品にしているのだと思います。


私は難易度ノーマルでクリアしました。
途中までは難易度が低いなぁと思っていましたが、後半のボス戦は死ぬこと度々。
しかし諦めて放り出すほどではなく、もう少し頑張ろうという程度でした。
ゲームの調整が上手いのだと思います。


ロードも殆ど感じさせず、ストレス無し。
操作自体も快適なことを付け加えておきましょう。
全体にユーザーフレンドリーな作りとなっていました。


本編中は収集要素もあり、もちろんレヴェル・アップもあります。
XP値が溜まると、任意の項目を強化出来ます。
これも楽しい。


キャンペーンは恐らく10時間程度でクリア出来ることでしょう。
収集などのやり込み要素を極めれば、もっと掛かるでしょうが。
しかし内容が充実して満足度も高かったので、左程不満には感じませんでした。


キャンペーン・クリア後はチャレンジ・モードもあり、格闘やステルスのみを存分に遊べます。
またXbox Liveに繋ぐと、物凄いスコアを叩き出している世界中の猛者の存在も知る事が出来ます。
ランキング上位の人たちには太刀打ち出来そうもありませんが、自己最高記録更新には燃えてしまいますね。


本編は英語音声+日本語字幕。
ジョーカー役はルーク・スカイウォーカーことマーク・ハミルが当てていて、これがドンピシャの適役でした。
IMDbを見ると、近年ハミルはアニメやゲームでのジョーカー役をずっと担当しているようです。
本作でも憎たらしいジョーカー役を怪演していました。
その声が楽しめるのが良いのですが、日本語字幕が明らかに手抜き。
しゃべっている時間が長くとも、字幕2行のみで片付けている所も多々ありました。
スクウェア・エニックスには、もう少しローカライズには手を入れてもらいたかったところです。


開発元は『トゥームレイダー』シリーズ等のEidos
昨年、スクエニに買収された会社ですね。
本作続編も、既に同じスタジオで製作が開始されているようですので楽しみです。
タイトルからすると同じ舞台になるのでしょうか。
どうせならばゴッサム・シティを舞台にしてもらいたいものです。


次回はバットモービルやバットウィングを操縦出来たりすると良いです。
または2人協力プレイが出来るというのはどうでしょう。
ステルス系のゲームで協力プレイは他に無いと思うので。
バットマンと誰か相棒で出来るのです。
個人的にはロビンはこのダークな世界に合っていないと思うので、他の誰かを希望します。
バットガール
うむむむ…
まぁ世界観に合うのであれば、誰でも良いですけれども。
でもステルスで画面分割は厳しいかな。
画面が狭くなって、周りが見渡しにくいですものね。
等と勝手に想像してしまいました。


バットマンが好きである方ならば是非ともプレイしてもらいたいし、バットマンに思い入れが無くともアクション・ゲーム好きならば、楽しめると思います。
お薦めです。


バットマン アーカム・アサイラム - Xbox360

バットマン アーカム・アサイラム - Xbox360