days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

こんにちは、真っ黒さん


諸般の事情により車を買いました。
新車は初めてです。
本音を言うと、1998年型アウディA4クワトロは運転していてとても楽しく、修理してまだまだ乗りたかったのです。
しかしエンジンルームからの助手席列の床上浸水、運転席パワーウィンドウ故障寸前、運転席列後部ドアが内側から開けられず…と故障連発。
特に床上浸水は深刻で、厚さ10cm以上もあるスポンジ製の床は常にジトジトと湿っており、子供らが物を落とすと1日でカビが生える始末。
高温多湿ですからね、日中の車内は。
このままでは床が錆びて抜けます。
新しい車は急を要する事になって来ました。
総走行距離は10万キロ弱と、日本車と違って寿命のまだ1/2とあって乗れる筈なのですが、維持費がバカにならなくなってきました。
足回りなどは全く問題ないにも関わらず。
そこで残念ながら手放す事にしたのです。
今までありがとう。
娘も「トロちゃん(クワトロちゃんの意味)」と言って、可愛がっていましたしね。



長年MT車を運転している私にとっては、次の車もMTである事が大前提でした。
しかもトロちゃんで4WDの楽しさ、快適さに目覚めたとあっては、出来れば4WDが望ましい。
次もアウディで、クワトロで、MTで…と思っていたのですが、これが本当に見つかりません。
しかも妻からは新しい顔…つまり近年のフロントグリルが大きくなったものが良いとの要望も出ました。
この3条件で当てはまるものはアウディ認定中古車ではゼロ。
街のアウディを扱っている中古車屋もかたっぱしから周りましたが、こちらは本当にMTは見つからず。
ネットで探しまくっても、現行に近い型(つまりフトントグリルが旧タイプ)のものか、4人乗りとのスペックは大嘘の(後部座席は子供も乗れません)実質2シーターのTT、2シーターの2千万円車R8、もしくは7-800万円のRSといったものばかり。
RSは4ドアだし興味はありますが、強力なエンジン搭載の車は維持費がバカにならないので、これもパスです。
そこで新車でもMTを出しているBMWも候補に挙げる事にしました。
正直、長年の間ブタ鼻が気に食わなかったので全く食指も動かなかったのですが、近年のはブタ鼻でなくなりつつあるので、まぁいっかと。
ディーラーに行ってAT車を試乗したら取り回しも良さそう。
ハンドルが軽すぎて不安を感じましたが、ネットではMTはハンドルが少し重いとの事。
そこで新車でBMW 320i M sportを購入する事になりました。


ディーラー2つ相手に相みつを取ったら、かなりの値引き合戦。
色々付けてもらったのもあって、結果的に実質100万円程の値引きを勝ち取りました。
車の値段とは恐ろしいものですね。
売る相手によって値段が全く違うという事ですから。
また100万円値引きしても利益が出るのですから…いやはや。


納車が急を要するので、色は黒か白の二者択一。
迷いなく黒にしました。


契約が決まってからの娘はトロちゃんとの別れが余程悲しかったらしく、ここ2週間程、「トロちゃん…」「トロちゃんと別れたくない〜」と言って、さめざめ泣いていました。
そこで妻の案で、今のトロちゃんに入っている妖精が次のトロちゃんにも乗り移るんだよ、という事にしました。
納車前夜には妻子2人で妖精ちゃんを捕まえる儀式を行い、当日朝、新しいトロちゃんに移しました。
そう、アウディのクワトロでもないのに、新しい320iもトロちゃんと呼ぶ事になったのです。
ナンバープレートも下四桁は前のと同じ番号にしました。


納車当日は朝からディーラーに行っての交換です。

新旧トロちゃんのツーショット。
右が1998年型アウディ A4 クワトロ 1.8L MT車
左が2012年型BMW 320i M Sport 2.0L MT車
クワトロのトロちゃんはかなりクセがあって、クラッチ繋ぎを如何にスムースにするかが、毎回の運転の際の課題でした。
でも荒々しくて運転していて楽しかったなぁ。


トロちゃんとの別れが悲しい余り、娘は助手席から出て来ませんでした。
取説やらを入れた分厚い袋を抱きしめながら大泣き。
妻が何とかなだめて出します。



今度の車もMT車ですが、長年MT車だから楽勝…とは中々いかないもの。
第一関門は、車によってギアやクラッチを繋ぐ位置にクセがある事です。
今まで乗っていた車は5速のばかりで、シフトの位置も5の次がRだったのですが、今度のは6速、Rの位置も1番左上ですし。
キーを差さない車なので、そもそもエンジンの掛け方も分からなかったのですが、まずディーラーから出る時にエンストしまくり。
今までの1の位置と3の位置が感覚的に同じだったので、3に入れて発車しようとしていたのですね。
そりゃエンストする訳です。
クラッチも早速焦がしてしまい、車内では娘が心配そうに「パパ、これしているの…?」。
皆で爆笑で娘も泣きやみました。
お店を出て直ぐにシフトの位置も感覚的に分かって、それからはむしろ過去最高にスムースなシフトチェンジが出来ましたが。
大体にしてエンストしてもエンジンを掛け直す必要がなく、正しい位置にシフトレバーが入るとまた動き出すます。
最近のMT車はこんなんなんですね。
カーナビやら何やら、色々と付いていて操作方法もさっぱり分からないのですが、取り敢えず運転とライト点灯とエアコン操作は分かったし、私のiPhoneとBT接続でiTunes Matchも聴けるしで、ぼちぼち覚えていきましょう。


納車して数時間後には、計器類の操作方法もロクに分からぬまま、息子を乗せて汐留まで行って実家に泊る妻と娘に引き渡し、ドライブなどしながら帰って来ました。
本当は取扱説明書をざっと見たかったのですが、観劇に出掛ける妻娘を送ってからは、息子の通院、食事、チャイルドシートの取り付けやらで、そんなのを読む時間なぞ皆無だったのです。
まぁ仕方ないですね。
私の父に朝から来てもらっていたので、ディーラーでの納車にも来てもらって息子の面倒も見てもらい、助かりました。


高速も使っての運転の印象は、「軽快な優等生」。
MT車はこれで3台目ですが、技術の発達は大きい。
今までのクラッチ繋ぎに失敗すると即エンスト、等と言う事はなく、アイドリングストップするだけのようです。
クラッチを繋ぎ直すとちゃんと再始動しますから。
また全部で6速なのに、2速で既に60kmくらいスピードが出るので、シフトチェンジするのを忘れてしまうくらいです。
エンジンの回転数は相当上がっているのに、かなり静かなので気付かないのです。
今までは大よその回転数を音で判断していたので、これには戸惑いました。
つまりタコメーターに注意しないといけないって事ですね。
まぁ低速シフトでスピード出していても、燃費くらいでしょうけどね、問題になるのは…。
シフトチェンジも極めて滑らかで、ちょいタイミングがずれると「ガタガタ」言っていたトロちゃんとは大違い。
殆どAT車感覚ですよ。
ここら辺は技術の進化なのでしょう。
もっとも1998年式と2012年式を比べるのも可哀想ですが…。


シフトチェンジ時には注意点もあって、クラッチは床まで目いっぱい踏み込まないと中々変えられません。
これは左足薬指骨折の傷が癒えていない私には、ちょっとした負担です。
足裏全体で踏み込みたいのに、左足を置く台とクラッチペダルが近過ぎて、すぐに足台に左足左側が当ってしまいます。
納車時はかかとをしっかり固定出来るサンダルを履いていたのですが、足台裏にサンダルが挟まれそうになります。
これは何とかしてもらいたい。
AT車仕様だからなのでしょうね、この足台は。


全体にキビキビとした動作は快適で、先代トロちゃんはクワトロで四輪駆動だったのに対し、こちらは後輪駆動なのでハンドリングが非常に滑らか。
試乗したAT車ではハンドルが軽すぎてちょっといかんかったものの、評判通りなのかこのMT車だと丁度良い硬さです。


2リッターエンジンは余裕で、高速では気付くと4速で120km出ています。
高速は物凄く楽しく、6速だと120kmは全く物足りないくらい。
スピード出し過ぎに気を付けないと、いつの間にかかなり出ているくらいですから。
平日は子どもたちの送り迎えと買物を近所で行うだけなので、3速まであれば十分なのではないでしょうか。


M Sportという事で足回りはノーマルより硬めらしいとの事ですが、これも先代トロちゃんと比べたら特にそんな事も思いませんでした。
むしろ路面をしっかり感じられて楽しい。
但し道路を噛んでいる感は、先代トロちゃんの方がかなり上です。
あちらは四駆だったから。
致し方ありません。


内装もスポーツ仕様とあって、味も素っ気も無い、ぶっきらぼう仕様。
先代トロちゃんのように、メーター類が真っ赤っ赤に点灯する…などという色気も皆無。
文字通りの硬派。
もっとも安っぽさは無く、そこはちゃんと作られています。
モノトーンを基調に、所々金属を出したデザインは悪くありません。


BMW独自のナビやオーディオなどを操作するiDrive。
今までのカーナビはタッチパネル式だったのが、こちらはダイヤル式。
かなり慣れが必要か…と思っていたら、帰宅時にはかなり慣れていました。
案外使いやすかったです。
不満点はオーディオの音。
はっきり言って良くありません。
全体にベールがかかっているような…。
オーディオにお金を掛けられなかったのかな?


そもそもはAT車の良さを知りつつもMT車でないと嫌だ、しかも出来ればアウディのMTでクワトロが良い…という事に端を発して、今度の320iのMT仕様に行き着いたという顛末。
なので元々BMWは特に好きでも無かった訳ですが、これで愛着も湧いてBMWも好きになりそう。
獰猛さには欠けるけれども、洗練された動きを楽しみたいものです。


エンブレムもカーボンタイプにして、文字通りの真っ黒黒助。
暫くは宜しくね、Newトロちゃん