ぐるぐるぐるめ♪

栃木県産。東京→奈良→静岡→ふたたび東京、たま〜に海外旅行、食べある記。10年以上書いてますので、すでに閉店しているお店もありますがご容赦を。

(六本木ヒルズ)マリー・アントワネット展(ざっくり雑感)

最近、六本木ヒルズで開催されているマリー・アントワネット展に
行く機会がありました。それはそれは大変な混雑でした。

画像:パンフレット、しおり、チケット



マリー・アントワネットゆかりの品々が時系列で展示されている。
オーストリアとフランスの国境で、全ての持ち物(ドレスとか使用人)を
故郷に置いてこなければならなかった。
(うん、知ってる〜。ベルばらで読んだから。)
ルイ15世の寵姫デュ・バリー夫人と対立。
(うん、知ってる〜。ベルばらで読んだから。)
国を揺るがしたダイヤモンドの首飾り事件。
(うん、知ってる〜。ベルばらで読んだから。)
母親のマリア・テレジアがマリーの肖像画をみて
「これは王妃の肖像画ではなく、着飾った女優だ」と言った。
(うん、知ってる〜。ベルばらで読んだから。)


例の首飾りはレプリカが会場に展示されていた。


私は特にベルばらのファンというわけではないんだけど
少女漫画の必須科目の1つとして読んでるのね。
(おなじくキャンディキャンディとはいからさんが通るポーの一族も必須だと思われ)
しかしながら、あの絵、あのキャラクターとともに脳細胞に刻み付けられてる
1つ1つのエピソード(実話!)、これは作者がすごいわ。


後世に、派手好きで思慮の浅い(ような人柄で)伝わりがちなアントワネット。
しかし、今にも革命で沸騰しそうなフランスに
たとえ「もっと落ち着いた賢い娘」が嫁いだとしても
飛んで火にいる夏の虫。時代の大きな流れに抗えず、やはり悲劇に終わった気がする。
中学生くらいの年齢では当時のフランスの貴族のしきたりや価値観になじむのが精一杯で
おそらく彼女が求めていたであろう落ち着いたライフスタイルを貫くのは無理だったろう。
自我が確立した大人なら「私は私のスタイルで行きますから〜」と言えるけれど
ハプスブルクの姫君がアラサーになってから嫁ぐ訳にはいかんだろうし
う〜ん
不利だよなぁ。味方になるはずの故郷の召使いも国境で置いて来ちゃってるし。


ルイ16世に寵姫がいなかったというのもある意味
運が悪かったというか、正室だけだから悪目立ちしてしまうし、
そもそも敵国から嫁いできた王女な訳だから、
憎しみを一身に浴びる立場になりやすい。

画像:王妃が下着姿のように見えて、当時物議をかもした絵
ほら、悪目立ちしてる〜


ルイ16世が国王になった時に
「神様、国を治めるには我々は若すぎる」
(うん、知ってる〜。ベルばらで読んだから。)
と言ったのも、やっぱりわかっていたんだろうな、
この先の国の行く末を、王家の支配力の限界を。
未来が恐ろしくて仕方なかったんじゃないのか。
そうなるとマリーの「私は退屈が恐ろしい」という台詞も深い意味があるような気がする。


思わず「バスティーユ襲撃」の絵の前でじっくり観察してしまったじゃないか
オスカルとアンドレ、いるかなぁなんて。(いるわけないんだけどさ)
いやあの2人は存在しないから。(笑)



ベルばらは作中でオスカルが死んでからは連載10週?で終了してると聞いた事がある。(たぶん、大人の事情で。)



いやむしろ、マリー・アントワネットの人生的には、そこから先が重要なんだけども。
むしろそこからが本番というか、そこからあらためて単行本10巻分くらいは
軽く行きそうな濃い晩年なんだけれども。
しかし、そこから先は鬱展開で、もし連載していたとしても当時の漫画読者の少女達にはキツい残酷な内容だろうな。


ヴァレンヌ事件からのタンプル塔幽閉、当時の政治家達とのかけひきの手紙のやり取り、実家にも軍事介入してもらえず(当時の世界情勢から仕方が無いが)、
監獄に収監されて夫も処刑されて子供達と引き離されて革命裁判で死刑判決を受けて
なんて、よく最後まで正気を保ったと思う。すごい人だ。
(このあたりをもっと詳しく、漫画化希望だな〜)


まぁ、世界情勢と自分の命が関わってるとか
本当にこの人は、最初から国際情勢の蜘蛛の巣に捕われた蝶みたいな人生だったな。
自分ではどうしようもないというか。


いろいろ見所はあったのだけど、ガラスケースの前で
大勢の(元)乙女達が、(←失礼?あ、私もか!)
身じろぎもせずに食い入るように見入っていたのは
フェルゼンとマリーの、暗号での直筆の書簡だったと思う。
泣けてきますよ。一国の王妃がね〜、あぶり出しとか墨塗りとか、暗号を使わないと安全に手紙のやり取りもできない緊迫した状況に陥ってるというのが。


そしてこれ(手紙)はね、なんとも不思議な気分になりますよ。
あの、フェルゼンと、マリー、実在の人物ですからね。あたりまえなんだけど
直筆ですよ、実際に彼ら2人が手紙を書いていて、今に残っているんですよ。
2次元のキャラクターが現実に存在した証拠が突きつけられたような
漫画のキャラクターから湯気が立ちのぼって人間の形を取って
すぐそこの机で手紙を書いているような、なんともいえない不思議な迫力。


フェルゼンの手紙の墨塗りの部分には、マリーに宛てて「あなたを愛しています」的なことが書かれていたそうだ。
フランス側は今回初めてわかったこととしているそうだけど、
いや知ってるから。そういうこと書いてるだろうなってわかってたから、皆。ていうか、漫画の中に書かれてたような?
ベルばらの作者、もしや時空を越えて見て来たのか天才なのかも。



実話でもフェルゼンは国王一家を逃亡させる為に手助けしたんだよね
マリー1人と駆け落ちじゃなくて、マリーの家族ごと、夫の国王ごとですよ。
純愛ーーーーーーー!!
もうこれはマリーの子供のうち
1人か2人くらいはフェルゼンの子でもバチは当たら、な、(以下自粛
それじゃ純愛にならんわな ←(元)乙女の葛藤

画像:マリーと子供達




おまけ。
六本木の後は、上野に寄って、ラスコー展を見てきました。


1つだけ言わせて。


「謎に満ちた」井戸の奥の壁画で、
槍が刺さり腸のはみだしたバイソンと倒れている鳥人間と鳥型の杖


ぜんぜん謎じゃないから。
それ、いけにえの儀式だから。
怪しいクスリを飲ませて酩酊状態にしたイケニエに鳥の仮面をかぶせて
バイソンごと生け贄にしたから。
鳥の杖は祭祀に使ったと思う〜〜
ラスコーの壁画全体、豊穣と狩りの成功を祈って神に捧げたものだと思う〜〜


掘ってみて!
井戸の底、掘ってみて!
ゼッタイ、人骨が出てくるから!(ついでにバイソンの骨も出てくるはず)
あ〜〜、掘りた〜い!(笑)(笑)(笑)
そして、骨を削ってDNAを読む!


でも、現在では調査見学すら難しいラスコー洞窟じゃ、
発掘作業なんて夢のまた夢なんだろうな〜〜



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