織田信奈の野望 3

Book

シリーズ3冊目。今回は信奈の上洛から金ヶ崎の退き口まで。
ここに来て信奈の可愛さが一段と増して来ている感じがします。巻を追う毎にサルとの仲が近くなっていくのが良い感じなのですが、この巻でさらに加速。
金ヶ崎の退き口と言えば、窮地に陥った織田軍の撤退をサルが殿を務める...と言う戦い。この巻のラストは撤退戦の開始までで、本格的な戦いは次の巻ですが、サルが殿を務めると言い出してからの展開がとても熱い。一応史実に基づいているため、この展開になる事は分かっていましたが、それでもこうして読むとグッと来るものがあります。殿って普通は死ぬ。そこに志願したサルの思いを、織田家家臣一同とそして信奈が受け止める展開が素晴らしいです。
また、浅井長政と明智光秀の株が急上昇。長政は「あれ...ひょっとして?」と思っていた事が本当にその通りでビックリしたし、明智光秀は信奈への気持ちが高じてサルに嫉妬しつつも、己の間違いに気付く展開が良かったです。ここまで慕っていると、本能寺の変は起こらないんじゃないかなぁ。歴史は少しずつ変わって来ているし。と言うか、本能寺の変が起きて信奈死亡エンドだけは勘弁してください...。
次の巻は金ヶ崎の退き口の本番。どうなるのか、とても楽しみです。