不易と流行
生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録1ISBN:9784829132524
予備知識前提の作品
「嘘だ!」
「『ひ○らし』のネタは微妙に古いですよ、会長」*1
「ただの人間には興味あ(自主規制)」*2
この程度のネタがわからないと、もはや楽しむことは出来ません。
なぜならば、「ギャルゲー」、「ライトノベル」のお約束を悪用して、悪のりすることによって読者を楽しませる性格の作品だからです。
まず主人公*3の性格からして、ギャルゲーの様なハーレムを求めるというだめっぷり。
そして、メインヒロイン?の生徒会長の性格はまさに唯我独尊。
ハルヒの短編集をみたいなノリとなっています。
「解答」を読者に与えること
この作品は「「碧陽学園生徒会」が富士見書房に寄稿したもの」となっています。
わかりにくく説明すると、SOS団が制作した映画を現実の映画館で上映するようなものなのです。
この点こそが、この作品の有利な部分なのです。原稿という形をとることによって、どんなに不自然なつっこみ、特にメタ視点のつっこみも許されます。これのどこがいいのでしょうか?
まずおさえておきたい点は、主人公はギャルゲーとライトノベル大好きの色ボケ高校生であるということです。
ライトノベルという比較的マイナーなジャンルに手を出す高校生にとっては親近感が湧くのではないでしょうか。少なくとも、夢野久作作品の登場人物よりは湧きやすいはずです。
即ち「有る程度」読者に近い視点から、読者に変わってつっこんでくれるのです。
少なくとも、ARIAのアリシアさん視点からつっこむよりはわかりやすいはずです。
対象読者
まとめてみます。
かなりハードルが高そうに書きましたが、私から見れば非常に面白い作品です。