Hatena::Diary

Radium Software

About

Twitter

 

2010-07-27

LiveControlとTouchOSC

D

(italoroldo氏によるLiveControlを使ったデモ

LiveControlTouchOSCを使ってAbleton Liveを操作するための拡張ソフトウェアだ。

LiveControl自体について触れる前に、TouchOSCについて触れておこう。TouchOSCはiPhone/iPad用のOSCコントローラーアプリだ。OSC対応ソフトWi-Fi経由で操作することができる。専用のエディターが付属しており、インターフェースを自由にデザインすることができる。非常に便利なアプリだ。

ただ当然のことながら、TouchOSCではOSCに対応したソフトウェアしか制御することができない。大抵のDAWはOSCに対応していないから、これを普通の音楽用コントローラーと同じ様に使うのは難しい。

LiveControlは、ちょっとハック的なテクニックを使って、Ableton LiveをOSC対応させてしまうというものだ。専用のTouchOSC用テンプレートが用意されており、これを組み込むことにより、Ableton Liveの主だった機能がTouchOSCから操作可能になる。この辺りの連携はかなり本格的に作りこまれているから驚きだ。

ただ、セットアップはかなり面倒だ。インストール自体が面倒なうえ、Wi-Fi経由での通信を安定させ低レイテンシーに保つにはアドホック接続が欠かせない。そのうえで、別途に中継サーバーソフトを立ち上げたり、Live内部の設定を弄ったり、TouchOSCを立ち上げて接続したり……等々。最終的に音を出すまで大分手間を食うというのが実情だ。

しかし「iPadが本格的なLiveコントローラーに変化する」というのは、かなり衝撃のあることだ。本気で使うかどうかはともかくとして、興味のある人は一度体験してみるべきだと思う。

個人的にはLiveControlに触れたことにより、Wi-Fi経由でのOSCを使った制御というものが、思いのほか実用的であるという事実を知ることができた。今後LiveControlを使うことは無いだろうけども、触れたこと自体には大きな意味があったと考えている。

2010-07-26

オープンソースなアルバム、発売します

M4TC:Derived

M4TC:Derived

遂にと言うか、とうとうと言うか……Denkitribe名義でのソロアルバムを発売します。題名は"M4TC: Derived"、発売日は8/11、LOiDレーベルからのリリースになります。

このアルバムを制作するに至った背景については、ASCII.jpの記事の方によくまとめられていますので、そちらに目を通していただくのが良いかなと思います。

ASCII.jp - CDにする前の音楽データ、無料でどうぞ Denkitribeさんの挑戦

ボーカルとして一十三十一(ヒトミトイ)さんに参加して頂いたり、SaitoneさんやSEXY-SYNTHESIZERさんといった雲の上的存在の方々にリミックスをお願いしたりと、夢のようなことが次々と実現してしまいました。レーベル側の奔走にはただ感謝するばかりです。

また「商業CDオープンソースにする」という分かり難い試みに対してゴーサインを出してもらえたことも、なにげに感謝しています。僕の方としても、このレーベル以外では実現できそうにないことだから、今回を逃したら一生チャンスは無いかもしれない……と思って踏み切ったわけですが。

そんなわけで、ぜひよろしければお買い上げいただけますと嬉しいです。ソースデータの方も、まだ1曲だけしか公開していませんが、順次公開を進めていく予定です。

M4TC - ソースデータ配布ページ

Bonjourを使う

イベント用のアプリを制作するにあたって第一に考えたのは、なるべくUIを作らずに済まそう!ということだった。どんな環境においても、とにかくUIの実装は面倒だ。今回は自分さえ使えればいいというプライベートアプリだから、手を抜こうと思えば限界まで手を抜くことができる。願わくば単一のステートしか持たないような仕様にしたい。

ひとつだけ懸念としてあったのは、ネットワーク上での接続先を指定するにあたって、どうしてもユーザーからの入力が必要とされるかもしれない、ということだった。接続先をソースコード内に決め打ちしてしまってもいいけれど……いや、さすがにそこまでは……

しばらく考えたのちに妥協案として思いついたのは、Bonjourを使う方法だった。Bonjourを使ってネットワーク上にあるOSCサービスを検索し、最初に見つかったホストに即接続する。僕の使い方では複数のOSCサーバーを立ち上げる事は無いから、これで自動的に接続先を決定することができるだろう。文字通りのゼロ・コンフィギュレーションだ。

Bonjourの使い方については、Appleの文書Bonjour Overviewに詳しく載っている。

検索結果を受け取るためのデリゲートを用意し、サービス"_osc._udp"の検索を要求し、コールバックが呼ばれるまで待つ。サービスが見つかったら、そのアドレスの解決を要求し、これもコールバックが呼ばれるまで待つ。基本的にはこれだけだ。

n-forcerではOscServiceFinder.mの中にこれを実装した。60行ほどの短いコードだ。売り物のアプリで使うならもう少し丁寧に実装する必要があるだろうけれど、限定された環境下で使うものなら、こんなもんだろうと思う。

意外とBonjourは手軽に使える仕組みだ。Mac環境のみに限定されてしまうかもしれないけれど、プライベートアプリで使えるお手軽ソリューションとして覚えておいて損は無いと思う。

2010-07-25

NanoStudioを使ってみる

D

NanoStudioの使い方がだんだん分かってきた。とりあえず1曲作ってYouTubeにアップしてみた。

NanoStudioの出音のスペックは非常に高く、厚い音を出すには苦労しない。むしろこの曲では、調子にのって音を重ね過ぎてしまったと反省している。まあ、どういう音が出せるかの実験ということで……

NanoStudioは打ち込みのインターフェースが洗練されているために、じっくり打ち込んで演奏する系のアプリのように見える。しかし他方で、リアルタイムパフォーマンスのための機能も充実しており、ライブ演奏系のアプリとして見ることもできる。

この動画では16小節のループパターンを打ち込んで、そのパターンに対してリアルタイムに変化を与えることによって曲を組み立てる、というような手法をとっている。せっかく両方の側面を持っているのだから、そこを融合させた使い方をするのが面白いかもしれないと思い、試してみた次第だ

2010-07-23

oscpack

oscpackOpen Sound Control(以下OSCパケットを扱うためのC++ライブラリだ。このライブラリにはパケット操作のほかに、UDPソケットを使った送受信の機能も用意されている。OSCを使うのに必要な機能はこれだけでほぼ全て揃うという、とても便利なライブラリだ。

僕はtouchOSCのクレジットの中にoscpackの表記があったことから、このライブラリの存在を知った。このライブラリは他にも様々なソフトウェアにおいて利用されており、OSCを使うためのライブラリとして代表的な存在となっているらしい。

oscpackの使い方はiostreamのそれに似ている。例えば、アドレス/foo/barに値0.45を送信するには、次のように記述する。

myOscStream << osc::BeginMessage("/foo/bar") << 0.45f << osc::EndMessage; 

使い方が分かりやすく、設計も洗練されており、とても便利なライブラリだと思う。ただObjective-Cとの食い合わせが悪く、.mmファイルの中でこのライブラリを使うことはできない。ソースを少し改造すれば対応も可能かもしれないが、メンテナンスの都合を考えるとちょっと面倒そうだ。僕はoscpackの使用箇所をObjective-Cコードから隔離することによって対処している。

NanoStudio体験版

NanoStudioの興味深い特徴のひとつに、Windows, Mac上で動作するバージョンが用意されているという点がある。これらのバージョンはiPhone上で動作するアプリと全く同じ内容のものであり、「体験版」という位置付けで無料配布されている。

もしアプリの購入を迷っているようだったら、こちらのバージョンを試してみるといいかもしれない。ちなみに、操作感としてはマウス操作よりもiPhone, iPad上のタッチ操作の方が良好なので、その点は心に留めておいて欲しい。

このような移植が可能になったのは、UIシステムを自前で構築しているためだろう。作者によれば、負荷軽減とメモリ節約のために、Cocoaは使用せずにOpenGLを使って自前のUIシステムを構築しているとのことだ。

Palm Soundsのインタビューによれば、作者のMatt氏はもともとゲーム業界で十年間のキャリアを持つプログラマーであるそうだ。パフォーマンスを優先して自前でUIを構築する感覚というのは、その辺りに源流があるように思える。旧iPhoneではVFPを、新iPhoneではNEONを使ってそれぞれ最適化を施してあるというのも、ちょっと面白いエピソードだ。

2010-07-22

iPhone音楽アプリ "NanoStudio" 登場

今朝、Blip InteractiveよりiPhoneアプリNanoStudioが発売されました。

以前から個人的に注目していたアプリだったのですが、実際に購入して触ってみたところ、これが期待以上の出来である事が分かりました。出音は抜群、機能も豊富、UIも驚くほど洗練されています。紹介文に書かれている売り文句に偽りは無いと言ってよいでしょう。

どんな内容のアプリなのかは、下のビデオを見るのが早いと思います。

D

このビデオがフェイクじゃなかったらとんでもないことだぞ……と思っていたのですが、実際にとんでもないことになっています。