不思議な一澤帆布

お家騒動で休業中の老舗かばん店「一澤帆布工業」(京都市)の女性従業員ら7人が1日、同社に未払い賃金の支払いや地位確認を求めて京都地裁に提訴した。

 訴状などによると、同社は今年7月7日に営業を休止し、従業員に自宅待機を命令。9月中旬以降、給与を6割しか支払わなかった。経営は黒字で、休業の合理的な理由がないまま一方的に給与を減額したのは不当としている。(中略)

 三男は「再開のめどが立たず、誠実に対応してきたつもりで残念」と話している。

一澤帆布騒動の今までの経緯からすると、どうも納得できません。2009年6月に三男・信三郎氏が最高裁で勝訴して経営に復帰し、めでたしめでたしになってたんじゃないんですか?確かに一澤帆布の前を通っても木戸が閉まってて営業してなかったぽいけど・・・黒字ってことは「一澤信三郎帆布」の方の売り上げ?それに今回の原告の「一澤帆布工業」従業員は、長男が雇ったの新参者なのか、先代の頃からのベテランなのか・・・? この新聞記事だけではよく分かりませんが、取りあえず三男・信三郎氏の対応はマズそうです。黒字なら給与減額しちゃ駄目だろう。

「ごねない損」

『のはなしに』(伊集院光著・宝島社)より。

(伊集院さん愛用のノートパソコンが故障してしまったときの話です)

【すぐに購入した家電量販店にパソコンを持っていくと快く「すぐにメーカーに頼んで無料修理をいたしますので、3週間お預かりいたします」という。3週間は少々痛いが、無料で直るのならいたしかたがない。と、パソコンを預けて帰宅。ここまでは良かったのだが…。(中略)
 「三週間後に出来ます」っていって、三週間後に電話をかけたら「後三週間」ってどういうことだ? 修理作業20日目にして新たに3週間かかることが判明したってことか? そうじゃなければどこかで期日延長の連絡があってしかるべきじゃないのか?
 考えていると3分後「明日出来ます」ときてまたびっくり。先ほどの僕の声に多少不満のトーンはあったかもしれないが、誓って怒鳴ったり声を荒げたりしていない。いやいや、そんな問題じゃない。こんないいかげんな対応があるだろうか?
 僕が最初に「わかりました」といっていたら、どうなっていたんだ? 間違いなくまた3週間待たされたはずだ。これが「ごね得」というやつか? いや「ごね得」なんかじゃない「ごねない損」を回避しただけで、得なんてしちゃいない。不愉快な思いをした分まだ少しばかりの損だ。

勝手な想像なんですが、そのメーカーのマニュアルに「修理期間を聞かれたら、とりあえず3週間って言っとけ」って書いてあるんじゃ?
それはおいといて、なんか、ここ数年の日本ってこんな話が多くなったと思います。学校で英語の諺"The squeaking wheel gets the grease."を習ったときに「へぇさすがアメリカ、日本とは違うじゃん」と思ったのが懐かしい。しかし「ごねない損」とは言いえて妙です。さすが伊集院光