Hib+BCGワクチン 同時接種で小児死亡


厚生労働省は4日、細菌性髄膜炎などを予防する小児用肺炎球菌やインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンを接種した乳幼児が、接種翌日から3日後に死亡する事例が先月下旬から今月にかけ4件起きたと発表した。同省は両ワクチンの接種を一時見合わせることを決め全国の自治体などに連絡、近く専門家の検討会を開き、因果関係を評価し問題がなければ接種を再開するという。(中略)

 宝塚市男児京都市の女児は心臓などに重い基礎疾患があり、西宮市と川崎市の女児は健康だったという。厚労省は「現時点で接種との関係は不明」としている。両ワクチンと子宮頸(けい)がんの3ワクチンは今年度と来年度、国の補助事業で公費接種が行われている。

ワクチン接種で亡くなったお子さんと、その親御さんにはお悔やみ申し上げます。ただ、先週末に明らかになった本件が週明けに厚労省が取り上げるまで、ウェブ上の一部でヒステリックなやり取りも見かけて、心配を覚えました。同時摂取したワクチンは、世界各国で摂取され続けてますし、鹿児島スタディとして日本人における導入実績もあります。この短期間に4名もワクチン副作用で亡くなるのは、医学的にちょっと納得できません。同スタディの代表者・西順一郎氏は「乳幼児の突然死の『紛れ込み』を対象とした検証が必要」とコメントされているように、ワクチン接種開始前後の突然死状況も含めて調査をしてほしいです。その間、不安な保護者の方々はワクチンの同時摂取*1を控えられたらいいんじゃないでしょうか。

*1:BCGはちゃんと受けましょう

スポーツ少年に遺伝子検査

Genetic Testing and Youth Sports. Brooks MA, and Tarini BA. JAMA. 2011;305(10):1033-1034.


Now there is another option—sports performance from online genetic testing companies offering everything from single gene tests to multiplex testing of numerous purported sports performance genes. In the “winning is everything” sports culture, societal pressure to use these tests in children may increasingly present a challenge to unsuspecting physicians.
商用の遺伝子検査キットが出回ると様々な問題が起こりうると思っていましたが、まさかスポーツ青少年の将来性を調べるとは予想だにしませんでした。今のところ一番のターゲットはACTN3だそうで、これは瞬発力を左右するα-actinin-3タンパク質を生成する遺伝子だそうです。遺伝子テストまでして児童のスポーツ生命を測ろうだなんて、冷戦時代のロシア・東欧における金メダル争奪戦も真っ青で恐ろしい。
そういえば、その商用遺伝子検査キットにコンタミが見つかりニュースに出てました。日本の警察が使用しているDNA鑑定キットに米従業員のDNAが混入*1したとか。その程度の品質のものを社会的に信頼していいものか。

全国の警察で使用されていた米国製のDNA鑑定キットに、製造段階で工場従業員のDNAが混入した可能性があるとして、警察庁が昨年12月に使用中止を指示していたことが9日、わかった。(中略)

 このキットは容疑者や遺留品などから採取した細胞片などからDNA型を抽出するために使用される。昨年3月以降、全国の科学捜査研究所などで約2万5000個が使われた。

 昨年12月、警察庁科学警察研究所が、このキットでDNA鑑定をしていたところ、検出されるはずのない人物のDNA型を抽出したため異常に気付いた。問い合わせを受けた米国のメーカーは1月に、「DNA型を抽出する試薬の容器に従業員のDNAが付着した可能性がある」と回答。同庁では当分の間、別のメーカーの製品で代用するという。

*1:日本人従業員のDNAだったら、混入を見つけるのは更に困難だったと思う