まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

れも☆ねーど

れも☆ねーど (MF文庫J)

れも☆ねーど (MF文庫J)

  • ストーリー

暁学園は部活動入部が必須の学園である。
やりたいことが何もなかった岸海星は一人だけどの部活にも所属しておらず、委員長から部活動への参加を急かされていた。
色々な部を見て回った挙句にようやく見つけ出した部とは……?


夏緑先生の新作です。「ぷいぷい!」シリーズが大好きだったので、発表された時から購入を決めていました。


色々な部のお手伝いをする部活、「マネージャー部」の話。
マネージャー部といいつつもマネージャーらしいことをしているのは依頼その1だけで、その2とその3ではメイド服で被写体になったり殺人事件(?)の謎を追ったりしています。
なんでもありのお助け部といった感じでしょうか。


海星は妙に色々な才能を持っている少年です。初めは周りに興味のない、あまり面白くない性格でしたが、入部後からは色々改善されて、共感がしやすい主人公になっていると思います。
ヒロインは同学年の小鈴。負けず嫌いでまっすぐな女の子。少しツンデレ染みてますかね。素直ではないところが。
2年生の螺子(らっこ)は長髪・おっとり・少し天然という理想的な先輩ですが、実はとある秘密が……。
3年生で部長の才子は1次元に萌えを求めて常にノギスを持っているよく分からない人。……この一文だけ見ると本当に何がなんだか分からないな。
マネージャー部はこの4人(+小型ロボットのネジ子)だけですが、その他のゲストにも個性的なキャラが数多く登場します。特に生徒会長とか。この学園には変人しかいないのだろうか。


「ぷいぷい!」の時もそうでしたが、日常を描いた作品でも、夏緑先生はわりと気軽に超常現象を登場させますよね。
海星が幽体離脱をしてしまった挙句実際に幽霊が出てくるというのは流石に首をひねってしまう展開でしたが、こういうものだと割りきって読めばそれほど気にならないのかもしれません。
あと、依頼その3での海星たちの行動は少し性急すぎるのでは……。
螺子先輩が実際は死んだわけではないということが見え見えでしたからね。あのオチには少々驚かされましたが。


ブコメ要素としては、やはり海星と小鈴の微妙な距離感が良かったです。特にはちみつレモンを巡るくだり。
その1のラストでちょっと期待をさせておいて見事に裏切られたと思ったらその3の最後でこれですもの。ごちそうさまです。
頬が緩んで仕方ありません。これぞ夏緑クオリティ。
ちょうど電車の中で読み終わったのですが、他人にお見せできる程度のにやけ顔で済んでいたことを祈ります。
実はあとがきを読むまで、はちみつレモン=レモネードだということに気付きませんでした。ちょっと感動のようなものを覚えました。


地味に海星の妹がめちゃくちゃ可愛く思えてきました。次巻に期待。