まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

星刻の竜騎士Ⅹ

星刻の竜騎士(10) (MF文庫J)

星刻の竜騎士(10) (MF文庫J)

ストーリー
ユリエルから、魔薬<ガラテア>を調合したというエクブラッド人の宮廷薬師・キーラの話を聞いたアッシュたち。
その名を耳にした途端、ルッカはガウェインに乗って飛びだそうとしてしまう。
なんとかルッカを落ち着かせ、彼女から話を聞こうとするアッシュだったが……。



ずいぶん久しぶりのような気がするルッカ回。もう完全にサブヒロイン枠に入ってしまったものと思っていたのですが、まだ粘りますか。
個人的にはエーコとのいちゃいちゃだけで満腹だし、いいとこシルヴィアを入れて三角関係までがちょうどいいと思うんですけれど、まあ、延々エーコのひとり勝ちというのもなんですから、たまにはいいかなと。
なんだかんだ言ってルッカも可愛いですし、それに、ポッと出のミラベル王女あたりに奪われるよりかは、ルッカの方がずっといいですしね!
まったくなんなんですかねあの王女はね! 今回も何やらけしからん行為で、しかもカラーイラスト付きで、読者を釣りに来ていたようですが、そんな簡単に読者が釣られるとでも、実に素晴らしいのでもっとやってくださいお願いします(土下座)。


ルッカと“双翼の誓雨”を舞うために、シルヴィアからランスロットを借りていったアッシュ。
その代わりにシルヴィアがエーコに乗ることで、シャッフル竜騎士コンビがふたつ誕生ということになりました。
アッシュは元々、全ての竜に乗ることができるという設定がありましたが、問題はシルヴィアの方ですよ。乗れちゃうのかよと。エーコさん、一応アヴァロン聖竜皇じゃなかったのかよと。
ただ、エーコとシルヴィアは恋のライバル同士。その間に知らず生まれていた友情のおかげで、乗ることができたんだと思うと、ちょっと胸が熱くなったりならなかったり。
でもやっぱり、エーコにはアッシュが、ランスロットにはシルヴィアが乗った方が格好良いなあとも思うのでした。まあ、こんな機会は、これからもめったにないでしょうけどね。


さて、ルッカですが、過去話を披露したり、アッシュとふたりきりで10日間も過ごしたりしたわりには、あんまり印象に残る場面がなかったような気も……。
オスカーを治すためにキーラを追いかけるならそれでいいし、騎竜演舞を練習するならそれでもいいんですが、どうもそのあたりのアッシュやルッカの目的がちぐはぐになっちゃってて、「騎竜演舞を完成させたらたまたまキーラに出会ってしまいました」みたいになっていたのが、残念といえば残念です。
キーラも結局、悪役のままになってしまっていますから、今後ルッカとキーラの間に何が起こっていくのかは、注目していきたい点ではありますね。
それから、いくらアッシュさんとはいえ、エクブラッド人の究極奥義を10日足らずで習得できてしまうのか、というあたりにも疑問符が。それくらいでなんとかなるんだったらどうして700年間も成功することができなかったんでしょうね。ちょっと不思議。


あとがきによれば、今回で第二部が完結、次回からは第三部突入だそうです。
シェブロン王国のことと、マザードラゴンのこと。大きなふたつの動きがあったことで、これからのアッシュたちの行動にどんな変化が訪れるのか、気になるところです。
アヴァロン聖竜皇騎士団はどうなるんでしょうね。シェブロン王国のことは解決したけれど、今さら独立をやめるわけにもいかないのかな。
久しぶりに、学院でのほのぼのドタバタラブコメディも見たいんですけどね。ともあれ、次も楽しみです。


あ、今回の触手は細めでしたね。色々なニーズに応えてくるなあ!