まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

白銀の救世機2

白銀の救世機2 (MF文庫J)

白銀の救世機2 (MF文庫J)

ストーリー
新種のZENOを撃退した際に発生したイデアによって、ゼノイドの一部に感情が芽生えた。
ゾット司令はそんなゼノイドたちの捕獲と廃棄処分を決定する。
クーラと協力し彼らを助け出すため、要塞都市へ向かうゼストマーグだが……。



期待のロボットラノベ第2弾。今回の表紙はリステルということで、一応彼女がメインのお話でした。
一応というのはもうひとりメインがいるからで、それが新キャラのフラン。新たに感情が芽生えたゼノイドのひとりで、ちょっとツンデレ(?)入った女の子です。「なのです」口調がいいですね。
最初出てきたときはリステルのためのゲストキャラみたいな立ち位置なのかと思っていたのですが、むしろリステル以上にお話の中心でした。今回の主人公は彼女だと言っても過言ではないと思います。


ゼストマーグの影響で感情が芽生えたゼノイドたち。元から感情を持っていたアルツにとっては馴染み深くて、大切なものです。
でも今まで感情というものを持たなかったゼノイドにとっては困惑の元。それどころか不要物でさえある。
そういったゼノイドたちの代表としてフランがいたわけですが、そんな彼女がアルツやナユキたちと関わりあう中で、少しずつ感情というものを知っていく。それが今回のお話の軸でした。
感情があるということは、他人と心を通わせるということ。優しく諭したり説得したりするアルツたちはもちろん、正面からぶつかり合ったリステルも、きっとフランの心を大きく動かしたのだろうと思います。
フランだけでなく、アルツやリステルも新たな感情を知って、前に進む様子が見られました。ミーネだけは元から一番進んでいたこともあって、ちょっと分かりにくいんですが、たぶん彼女もそうでしょう。
アルツとナユキのやりとりにはじんとしました。たぶんアルツ自身、何をやっているのかちゃんと理解してはいないんでしょうが、その不器用さがまた微笑ましいですよね。


終盤の展開はたいへんに熱かったです。そうだよね、ロボットものにはこれがつきものだよね!
新たな仲間と戦力ができて、ますます勢いに乗るアルツたちですが、しかしまだまだ安心してはいられません。
進化し続ける敵は、果たして次にどんな手を打ってくるのか。口を濁すナユキに不穏な予感を覚えつつ、次巻を楽しみに待ちたいと思います。


毎巻見開きイラストを入れてくれるのかな。今回もなかなかの迫力でした。