個人でコード署名証明書を取ることが可能に

2008年9月22日追記Crystal Dew R&D Labsによれば、当エントリで紹介した、ひよひよ氏が開いた個人でコード署名証明書を取得する道は閉ざされてしまったようだ。残念極まりない。

2007年8月2日付けエントリー『Vistaにおけるキーボードカスタマイズ問題』において、法人としての登記がない個人にはコード署名証明書を取る方法がなく、個人が作るフリーウェアやシェアウェアなどは、Vistaにおいてカーネルモードドライバを含むような機能を提供できないとした。そのため、窓使いの憂鬱などが開発停止に追い込まれているのが、Vistaの現状だ。

ところが、ついに個人でもコード署名証明書を取得することが不可能でないことが明らかになった。デジタル署名のまとめ(Vista x64対応)には、苦難の末見いだされた方法が、惜しげもなく公開されている。個人にもコード署名証明書を発行しているGlobalSignから取得することができるようだ。

実際に作者のひよひよ氏よりメールにてご連絡いただいたのだが、窓の杜にも『「CrystalMark 2004R2」がWindows Vista x64に対応』という関連記事がアップされている。現状の課題とこの成果のもつ意義が端的にまとめられているので該当部分を引用したい。

 しかし、日本国内ではWindows Vista x64用のデバイスドライバーに対応したデジタル署名を個人向けに発行している会社がないことや、年間の契約料が高額であるなどの理由でなかなか簡単ではない。そのため、ドライバーが必要なハードウェア関連のオンラインソフトを開発している多くの個人作者は、Windows Vista x64への対応を見合わせているのが現状だ。

 そこで本ソフトの作者は、米GlobalSign社が提供する、個人でかつ比較的低額で取得できるデジタル署名を取得し、 Windows Vista x64への対応を果たした。多くの個人作者がWindows Vista x64対応をあきらめているなか、この事例が一筋の光明となりえるか、今後に期待したい。

窓の杜 - 【NEWS】総合ベンチマークソフト「CrystalMark 2004R2」がWindows Vista x64に対応

個人作者がVistaへの対応をあきらめざるを得ない現状において、今回個人でもコード署名証明書を取得できることを見出したひよひよ氏には頭が下がる思いだ。これに続いて、より多くのソフトがVistaに対応していくことを期待したい。

米 GlobalSign 社に感謝しつつ、Vista x64 のデバイスドライバへのデジタル署名必須化に絶望した全ての個人プログラマにこのエントリを贈ります。

デジタル署名のまとめ(Vista x64対応) – Crystal Dew Blog

あとは年間$229というコード署名証明書発行費用をどのように受益者間で負担していくか、そういう枠組みができるとなお良いのだが。