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2008-06-27

[]一体どうして我々は雷句先生の言う事を信じてしまうのか問題

 404 Not Foundを読んで、週刊新潮はなんて酷い雑誌なんだ、こんなすぐバレる嘘をつくなんてとんでもない連中だ、ぷんぷん。と怒っていたら、世界の片隅で毒を吐くというエントリを見て「貴様ぁぁぁぁ、雷句先生が、あのガッシュを描いている雷句先生が、そんなチンケな嘘なんて吐くはずないだろ! 雷句先生の言霊は一切が嘘偽りを含まないこの世の真実にして、世界の光!」などと思った。

 が、ちょっと冷静になって考えれば、上の方の指摘はもっともで、今回の新潮の件はともかくとして、小学館側が依然、公式声明を発表していない以上、一方だけの意見を鵜呑みにして、何故こうも雷句先生を信じてしまうのか。もしかすると、今は消された橋口先生のコメントこそが、嘘偽りの無い真実ではないのかという疑問もふつふつと湧いてきたので、向こうの方の記事にコメントした後、何故自分や他の人がここまで雷句先生側の意見を信頼するのかを整理してみた。


1.判官贔屓

 当たり前の話だが、小学館はでかい。すごい。つよい。

 コロコロしか読まない小学生に日本一の出版社はどこだと思う? などと聞けば、迷わずみんな小学館と答えるだろう。小学館はかくも偉大だ。ドラえもんも、あさりちゃんも、バーコードファイター小学館から生まれた。ありがとう小学館

 ところが、雷句先生はその巨大な小学館に単身裁判を仕掛けた。

 業界最大手の出版社対一漫画家である。

 この構図で、どちらを応援したくなるかと言えば、雷句誠側なのではないだろうか。


2.純粋な怒りによる訴え

 今回の裁判を行うことで、雷句先生自身にはほとんど利益が無い。

 『金色のガッシュ』はアニメ化、さらには映画化もし、2000万部越えの大ヒット作である。その雷句先生ならば、黙って全てを呑み込めば、小学館を去った後、どこの出版社に行っても第一線での活躍の場を与えられただろう。にもかかわらず、今回のような裁判を起こせば、今後は小学館集英社がいる一ツ橋グループはもちろん、他の出版社からも敬遠される可能性が高まる。これまでの作品で、一生食いつなぐ程度の貯金は蓄えたかもしれないが、今後も漫画化生活を続けるにはリスクが多すぎる。

 では何故このような裁判に訴えたのか。

 金目当てではない。今回の裁判で雷句先生側が請求する額は330万円。安い額ではないが、雷句先生クラスの漫画家なら、コミックスを一冊出せば、それ以上の額はあっさり手に入るのだから、金銭目的による裁判ではないだろう。

 そこには他の漫画家の待遇改善といった公憤もあれば、散々ないがしろな扱いを受けたという私憤も入っているだろう。だが決して、損得感情が絡んでいるようには思えない。

 得か損かで言えば、間違いなく損である。そこまで怒ってる人間が嘘を吐けるようには私には到底思えない。


3.雷句先生の直情的な性格

 GIGAZINEのインタビューによれば、我慢する時間は結構長いとのことだが、今回の新潮の記事でも壁をよく殴ると書かれていることや、連載中に商売道具の右手で開放骨折させてしまう辺り、どちらかといえば、キレやすい人なのではという印象がある。やはり、今回の裁判を起こした事を見る限り、計算で動くというよりは、良くも悪くも感情で動くタイプである。blogにおいても、本物がどうかが判明されてない、橋口たかしblog久米田康治マガジンの巻末コメントに素早く反応したり、また、最近の記事に関しても、公開後いくつか訂正を加えるなど、どうも勇み足が目立つ場面が多い。

 陳述書でもそういった点が少々見られる。ガンを飛ばされた、受話器を叩きつけられたという内容は、かなり主観的な内容が混じり、全てが本当だとは思えない。単に目つきが悪いだけかもしれないし*1、たまたま電話を切る際に乱暴になってしまった可能性だってある。

 しかし、ここまで正直に自分の感情に正直な人が、自分や相手の行動に関して、主観的であるが故に、いくらかのごまかしや誇張が混じるかもしれないが、自分の都合の良いようにゼロから相手の行動を捏造するような人には思えないのである。

 だからこそ、ガンを飛ばした、受話器を叩きつけられたといった点は別にして、客観的な証拠が残るであろう、FAXの有無や遅刻が連続したということに関しては本当なのではないだろうかと考えられる。


4.嘘を吐く必要があるのか?

 上の3つはかなり印象論である為、どれだけ説得力があるかはわからないのだが、今回の件でそもそも雷句先生が嘘を吐いてまで悪評を広める必要があるのかと言えば、多分無い。

 嘘を吐くメリットがほとんど無いということもあるが、それ以上に、下手に嘘を交えた結果、嘘ががバレた際に、他の本当にあったことも嘘だと見なされてしまうという、デメリットが大きすぎる。

 弁護士の方も関わっている以上、やはり雷句先生の発言が嘘八百だという理屈は納得できないように思われる。


5.雷句先生側だけでなく、サンデーというか小学館側に漫画家との軋轢がちらほら見られる。

 ここで、沈黙を守っているサンデー側と雷句先生以外の漫画家の関係についても考えていきたい。

 まず、『烈火の炎』、『MÄR』でヒットを飛ばした安西信行先生はblogにて

編集長、編集部の方向性、態度、最近の誌面を見るに

安西の居場所はあそこにはもう無いのだと判断しました。

もしまた漫画描きたくなった時には他誌の新人賞

投稿するところからやり直す事にしますか(笑)


もちろんペンネームでwwwww


編集

「うーん・・君、安西信行の影響強いね。」

増留単

「m9(^Д^)プギャーーーー」

 

 こんなことを書いていたそうです。(参照:404 Not Found | このページは存在しないか、すでに削除されています

 で、大変恐縮ですが、これから全然安西先生と関係ない話をします。

 雷句先生の陳述書によれば、サンデーの編集の方が雷句先生を引きとめようとする際に、

 「いるじゃないですか・・・一回もうサンデーでは描かないといって、また戻って描く人が。」

 と仰られたそうです。いやぁ、そんな人いるんですかねえ。雷句先生を引き止める為のハッタリで、実はそんな人どこにもいなかったりするんじゃないんですかねえ。

 で、話を戻しますが、安西先生の『MiXiM♀12』は現在週刊少年サンデーで好評連載中です!

 誰かはてなキーワード安西信行を更新してあげてくだしあ><

 他にも小学館漫画賞を受賞した『ワイルドライフ』の藤崎聖人先生は自身のblogにて

「5年間ワイルドライフを描いてきて ぶっちゃけ心の底から"よかった"と思ったことなど ひとっつもないくらい、忘れたいくらい いい思い出のない作品」

 と書かれておられたそうです。(参照:週刊サンデーに漫画家続々苦言 小学館はどうなっているのか - ライブドアニュース

 小学館漫画賞取ったのになぁ……

 また、最近のサンデーからは、90年代後半から2000年代前半にかけてサンデーを支えた中堅作家が離脱されているのも特徴です。

 『め組の大吾』の曽田正人先生*2、『俺たちのフィールド』の村枝賢一先生、『ARMS』の皆川亮二先生、『かってに改蔵』の久米田康治先生、皆さん講談社に行ってしまいました*3。どの作者さんもそれぞれの新天地でかなりの活躍をされております。何故これほどの才能が流出してしまったのか。

 また、他にも新條まゆ先生を始め、他の漫画家業界関係者の方々がblogなどで痛烈に小学館を批判したりしています。

 無論、彼らの意見を鵜呑みにするのもどうかと思いますが、彼らが全員口裏合わせて嘘を吐いているのだとしても、それだけ恨みを持たれる時点で、小学館にはかなり問題があるのは確かでしょう。雷句先生の言う事の全てが紛れも無い真実だとは思えませんが、小学館がここ数年の間に、目には見えない問題を抱えていたのは事実だと思われます。

 

6.皆ガッシュが大好き!

 俺は特にウマゴンとティオが好き! 


 これら6つのことを総合しますと、一方だけの意見を鵜呑みにするのはまずいとしても、やはり、雷句先生の言ってる事は正当性があるのではと自分には感じられます。もっとも、自分も感情的にこの件を見ていることは否定できませんが。

 無論、多くの方が批判をしながらも述べられている通り、小学館にも真面目な編集の方はいるでしょうし、私は最近のサンデーが嫌いではありません。

 だから、雷句先生にも裁判と新作を頑張って欲しいのですが、一方でサンデー編集部には雷句先生側が訴えられるような問題があるならば改善して欲しいし、仮に問題がないのだとしても、多くの漫画家の方々にとって居心地の良い、そして読者にとって面白い雑誌を作ってくれることを期待します。

*1:もっとも松永豊和氏はそのような編集者は確かにいると書いていたが。

*2:コメントで指摘されましたが、曽田先生はサンデーを離れた現在も小学館での仕事を続けていられますし、元々は講談社でデビューしてその後も色々な雑誌に移られておりますので、ここでサンデーから離れた作家の例に挙げるのは少し違うかもしれません。

*3:皆川先生は集英社でも描いてるけど。

とおりすがりとおりすがり 2008/06/28 14:13 7、原稿をなくす編集部がまともなわけない。
特に賠償金額を原稿料ベースで計算してる時点で、信用度0。

o-tsukao-tsuka 2008/06/28 20:54 曽田さんはスピリッツにも描いてますよね。
わたしの場合、週刊新潮を読んで雷句誠さんの正しさを確信しました!

とおりすがりとおりすがり 2008/06/28 21:20 「小学館は大きい」といった相対的な問題ではないでしょうね。創業者で今も小学館を経営している相賀一族は版元から取次までも取り込んでいる「大豪族」の一つです。彼らの「支配」もとで恐ろしく旧態依然とした山椒太夫的な世界が存続していることが驚きです。

一見一見 2008/06/29 01:01 冠茂のやってる事見れば、小学館側を応援するような
既知害なんていないでしょ・・・

にのまえにのまえ 2008/06/29 07:51 そもそも曽田先生は最初チャンピオンで連載してたので、
その考えだと秋田書店も酷いと言う事になってしまいますよ

通りすがり通りすがり 2008/06/29 09:01 2.純粋な怒りによる訴え
今回の裁判を行うことで、雷句先生自身にはほとんど利益が無い。

一般人への知名度が上がる
編集部からの扱いが好待遇になる

結構利益ありますよ?
現にコミックの売り上げ増えてますし。

なんあしなんあし 2008/06/29 10:54 読者は作品を通して作者をみているわけで
あんなに熱い良い作品を送り出す人物が、人間性に問題があるはずがない
という勝手な思い込みがありますね

本来、作品と作者の内面は切り離して考えるべきで
冷静に事実を吟味する必要があるでしょう

で結論 小学館がラスボス

通りすがり通りすがり 2008/06/29 13:04 内容を度外視して事象として見ていると、例えば…
事件を起こした人間の家からゲームを見つけたがっているような感を受けます。
事件の根底は何か、ではなくゲームの悪影響に話しがすり替わっているような。
善悪とネット迎合が一緒くたになっているので、魔女狩りに似た恐さも。

100100 2008/06/29 15:19 そんな事はないと信じたいが、
今後、江川達也みたいな方向に行きたいなら、
『一般人への知名度が上がる』は何より重要。
……まさか、ねぇ。

ちよちよ 2008/06/29 15:32 同意します。
自分として一番重視したいのは、サンデー編集部の態度が一流企業とは思えないところです。例え雷句先生の性格や態度に問題があったとしても、それをうまく使うのが編集の仕事であり、これだけ恨みを抱かれてしまうのが仕事ができていない証拠です。
知名度と言う点ではどうなんでしょうか。漫画を読むような人はもう大体知っている作家さんですし、一般の漫画を読まない層に知られたからといってメリットがあるとは思えません。上の方のおっしゃる江川達也とは漫画の方向性も違うと思いますし・・・正直デメリットの方が多いと思います。
また、ブログを読む限り雷句先生は大変率直な方だと思います。アシスタントを怪我させたなんて書かなくてもいいのに、自分のデメリットになることも正直に書いてしまう。毎回とてもはらはらします。でも、私が雷句先生を信じてしまうのはそんな所があるからです。
長文、すみませんでした。

akinakasyouakinakasyou 2008/06/29 20:41 作者vs編集者になると大抵、みんな編集者につきますね。
一時期のジャンプ体制たたきとか…6が大きいと個人的には思っています
好きなマンガにおいて、編集者の存在によりどんな利点があるかわからないし

企業vs個人の場合、世論を味方につけるしか手がない個人は
自分の主張をできるだけ多くの人に届けようとするのに対し
(結局、裁判には影響がないことが多いが
今回は賠償金の額が低いというのが作者のメインの訴えではないので問題なし)
企業側は係争中につき…で一切口を紡ぐので
始めはどーでもいいやと思っていた
中立の人も個人側に立つようになるのがお決まりの流れ

一曽田ファン一曽田ファン 2008/06/29 22:47 >にのまえさん
チャンピオン編集部との関係は良好であったことは曽田先生のあとがきマンガでわかるはずなんですがねぇ
読んでないのに決め付けないで情報を仕入れてからコメントしてほしいっすね

書いてひしかった!書いてひしかった! 2008/06/29 23:13 もう一つ書いて欲しかったのは。冠編集とその周りの実際の仕事ぶりでしょう。じゃパンの終わりっぷりとかワイルドライフのタイアップ漫画とか、冠氏は漫画読みの間では騒動が起こる前がら漫画の敵に認知されていた。それが表に出てやっぱりと思われてしまったと。仕事ぶりがよければ擁護意見も多かったのでは?
雷句先生を信じるか?ではなく冠茂が信じられない理由があったと。

なんともねえなんともねえ 2008/06/30 00:48 実際読む作品を作っている漫画家さんに同情しがちだけど、漫画化主導になると量産型冨樫が
蔓延しそうで怖い、仕事である以上ペースを守って書いてもらわねば困るという言う部分が
強調されすぎて、今回は編集の増長という悪い方向に流れてしまったのかなあとは思いますね。

LobotomyLobotomy 2008/06/30 01:18 >100さん
ちよさんも言っておられる通り雷句先生は方向性が違うから大丈夫じゃないですかね。
もっともたるるーとくん描いてた頃は江川先生があんな風になるとは夢にも思いませんでしたが。

>ちよさん
後からつつかれるよりは、先に自分から言っておいた方が安全とは言え、本来なら言う必要がなかったはずのことまで書かれてしまってますよね。
そういった面も含めて、誠実な態度だと思われます。

>akinakasyouさん
一行目とその後の文脈が繋がらないんですが、作家側につくの間違いでよろしいですよね?
この手のニュースに注目する大抵の人は漫画好きですし、世間の流れが漫画家側につくのはしょうがないことかな、と。
ただ、この手の訴えは売れないマイナーな漫画家がしたところで、黙殺されてしまう可能性もあったので、雷句先生がやったという点に大きな意味があったと考えます。

>一曽田ファンさん
にのまえさんのコメントはそういったところを踏まえた上で、だからこそ、他の作家の方と曽田先生を同列に挙げるのは違うのではという内容でしたので、それに関する問題は僕の方にあると思われます。申し訳ありませんでした。後で日記の方に訂正を加えさせていただきます。

>書いてひしかった!さん
それに関しても色々思うところがあるのですが、そこら辺はまだ不明瞭な意見が多いので、一応スルーさせてもらいました。
作品と作者はなるべく分けて考えるべきだとは思うのですが、ただ、もし冠氏が関わった漫画で、ガッシュ並みに面白い漫画が多数あれば、今回の件はまた違った展開を見せたかもしれませんね。

>なんともねえさん
まぁ、冨樫先生並にサボるためには、ハンターと同じくらい面白い漫画が描けて、なおかつ干されて食っていけるぐらいの貯蓄が必要なので、大量発生は難しいかと。
ただ、冨樫先生があんな風になってしまったのも、一時期のジャンプ編集部が馬車馬のように漫画家を扱き使っていた反動でもあるんですよね。
今回の件をきっかけに漫画家と編集者のパワーバランスを上手く保っていく道が見つかればと思います。

>まあさん
やはり、意図的に嘘をつかれていることはないでしょうね。
ただ、今考えれば、「嘘はついてなくても雷句先生が間違っている可能性はあるけど、そこら辺どうなの?」というのが冒頭で挙げさせていただいた方の趣旨だったので、今回の自分のエントリは反論とするには少し的はずれだったかなという気はします。

とくもととくもと 2008/06/30 21:25 自分の手元には今二つの小学館から出たマンガがある。一つは講談社から移籍した佐藤秀峰氏の「ブラックジャックによろしく」だ。そしてもう一つは今はなきヤングサンデーに連載されていた山田玲司氏の
「絶望に効く薬」だわ。自分的にはこういう本の出せる小学館グループって見識高いなぁと関心していたんだけど。

LobotomyLobotomy 2008/07/02 04:39 コメント欄が滅茶苦茶なことになってますが、悪いのははてなだもん、私悪くないもん!

>ねらーさん
最近新日に復帰した、かつて天才と呼ばれた初代タイガーマスクこと佐山聡は、ちょっと糖分が足りないぐらいで弟子をぶん殴ったりしてますよ。
他にも横山のやっさんとか、才能があるからと言って必ずしも人格者だとはいえないと思います。

>ケンケンさん
どもども。あ、以前もコメントありがとうございました。所詮ここは掃き溜めですので、コメントは適当につけてくださって、結構ですよ。
経理の件や原稿を失くした際に取った態度、あるいは編集者がFAXを修理しない事に関して、小学館がどのように反論するかっていうのは今回の件で何より重要だと思います。
外部の人間には、まだ雷句先生の意見しかわからないのだから、そうした問題に関しての発言は裁判まで、一先ず保留しておくべきというのが、多分正しい考えだと思うのですが、そういった態度を取るのは難しいですよね。

>とくもとさん
今は散々言われてますが、小学館の編集にも仕事が出来る人はたくさんいるはずなので、その中から面白い本が多く見られるのは不思議な事でも何でもないでしょう。
今回はちゃんと仕事をしない人もいるというのが問題なのであって。
あと、「ブラックジャックによろしく」といいますと、昔知人が、あの作品の精神科編は最高のギャグ漫画はだと言っておりました。

2014年より2014年より 2014/01/24 22:01 そして2014年1月、雷句を怒らせた編集飯塚洋介は、またもややらかしたのだった・・・
しかもこれで3度目。

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