「件(くだん)さんに聞け〜この国の行く末」(小白龍新書 第壱号)

■「件(くだん)さんに聞け〜この国の行く末」
敗戦直前によく出没していた、顔が人間の仔牛「件(くだん)さん」にインタビューできました。

件(くだん)さんは、眼と眼の間隔が離れたキモい牛化けの分際で予知能力をお持ちで,戦前の統制経済やABCDヨ包囲陣を物ともせず「断る力〜ハルノート」「ついったで国民精神総動員」などの新書を次々と刊行し国民を奮い立たせ、敗戦直前には「連合軍が攻めてきて男はみんな玉抜きで女はみんな進駐軍のオンリーさんにされる!!」とみんなで心配していた不安な世相の中で「頑張レバ大東亜戦争ハ鉄板デ究極ノ勝利ヲ迎ヘ隣組チャウチャウ勝組ニナレル」などと流言飛語をトバさせ聖戦遂行を先送りして当時の人々の焦燥感を和らげるなど、多くの人に心の平安を与えました。更に多くの少国民を組織させセミナーを各地で開催、コックリさんなどに耽らせ八百万の神々の黄昏を待ち望むようにさせ「空襲ダ氏ナウ。竹槍デB公ヲ一人一殺!!」「T−34/85ガ怖クテギガ牛丼ガ食ヘルカ!!」などの流行語もできた程の偉大な文化的功績がありました。また連合軍に降伏した次の日でさえ「鬼畜米英?プギャー(AA略)!!」と彗星四三型にロケット3本追加して沖縄の機動部隊にカチ込むウガッキーさんみたいなトンデモさんも大量発生しました。

焼跡闇市時代を経て戦後の右肩上がりの高度経済成長やバブルの中で件(くだん)さんは忘れられつつありましたが、経済も産業も教育も第二の敗戦を迎えた今また御降臨あそばされ、デフレスパイラルカニ光線格差社会に喘ぎ学級崩壊など混迷の続く現代の世相とこの国の行く末をお聞きし、当社の下請けブラック会社専属のゴーストライターに書かせ一冊にまとめました。

残念ながら山火事で原稿は全て焼失しましたが、脳内新書として刊行できることになりました。