TPP:交渉力とは拒否する力。米国は国民の反対が強ければ譲歩する国。(田中 良紹)


米国は国民の反対が強ければ譲歩する国ならば、野党の反対派を増強する必要がある。ただし、オバマがそうかどうかは多いに疑問だが、彼に民主主義と人道主義が少しでも残っているなら動かすことができるかもしれない。TPPはグローバル大企業だから、きっと一筋縄ではいかないだろう。それでも日本の国民はがんがんTPPに反対したら道が開かれる。


TPP加盟国のたくさんの国民がが立ち上がって反対すればきっと阻止できる。あきらめないで叫び続けよう!!
国民健康保険を壊滅させてはいけないし、日本の仕組みと文化をこれ以上外国から変えられてはならない。これ以上大企業と政府から搾取されてはならない。

yahooニュース 2013年3月14日 
TPPの交渉力 田中 良紹 
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakayoshitsugu/20130314-00023882/

(略)
それでは交渉力とは何か。
拒否する力を持つ事である。
ところが領土問題の解決を自力で図るのではなく日米同盟の強化に頼る政権がTPPでアメリカと対等に交渉できる筈がない。


(中略)
日本が国益を守るにはどうするか。反対勢力を強化するしかない。
民主主義国であるアメリカは国民の声を無視する事はしない。
*国民の反対が強ければ譲歩する国である。
それを巧みに利用したのが冷戦時代の自民党であった。
社会党に反対させてアメリカの要求をかわしてきた。
「選挙で社会党議席を激減させればむしろ国益は守れない」と自民党は考えていた。


この巧みな政治技術を無視して野党の議席を激減させたのが中曽根、小泉の二人の総理である。巨大与党を誕生させて得意満面になった。すると中曽根総理はアメリカからコメ輸入自由化を突きつけられ、小泉総理は国民の金融資産をアメリカに呑み込まれそうになった。


1986年の衆参ダブル選挙に大勝利を収めた中曽根総理が「わが自民党は都市の若者にも支持を広げた」と演説した途端、アメリカはそれまで封印してきたコメの自由化を強硬に要求し始めた。結果、日本政府は一定量のコメ輸入を認めさせられ、農家に巨額の補助金を払う事になって財政負担を増大させた。すべてはコメ輸入反対勢力が弱くなったとアメリカから見られたためでる。


日米同盟強化にすがる安倍政権が強い交渉力を持つ事は難しいが、
日本が国益を守ろうとするならば決して反対勢力を弱体化させてはならない。
自民党内反対派が交渉参加を容認したのであれば、野党の反対派を増強する必要がある。
夏の参議院選挙で安倍自民党が大勝するようなことになれば、かつて中曽根政権が巨大与党になったばかりにコメ自由化を突きつけられたように日本の交渉力は弱体化する。

田中 良紹
ジャーナリスト

「1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、日米摩擦、自民党などを取材。89年 米国の政治専門テレビ局C−SPANの配給権を取得し(株)シー・ネットを設立。日本に米国議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年からCS放送で「国会TV」を放送。07年退職し現在はブログを執筆しながら政治塾を主宰」