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シュヴァンクマイエル空間に耽溺する『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語』

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語』をようやく見ました。魔法の使われる結界の、シュヴァンクマイエル風味の描写がとにかく素晴らしい。戦闘魔法少女なので、このシュヴァンクマイエル空間が頻々と出現するのだが、使い回しなどではなくいちいち異なるエログロ表現が楽しめる。アニメファンだけでなく、むちゃちゃ⇔あちゃちゅむのムックとおまけバッグが好きなおしゃれ女子も、見始めたらたまらないものがあるんじゃないかな。大きいおともだち(≠キモオタ)が好きなアニメなんでしょ、という思い込みを脇に置いて、子どものころに夢中になった戦闘美少女ものを楽しむ気分で劇場のスクリーンで見てほしい! 映画館で、というのは、やはりあのシュヴァンクマイエル空間はスクリーンで見てこそ、物語の絶望感とあいまって、あの悪夢感が身に滲みると思うから。

物語の絶望感は、情報を持つ者と持たざる者、そして持っている情報を囲い込むあこぎな者が、持たざる者をヤクザライクに支配するという、映画の外の現実のトレースによって描写されている。そのトレースぶりは、前編の最後、持つ者の台詞に思わず「うわっ、あくどい! そうだとは思ってたけど、アンタあくどいわぁ〜」と青木雄二のマンガを読んだ時のように心中で叫んでしまうくらい。

そこに、魔法少女ものアニメの嚆矢のひとつ、『魔女っ子メグちゃん』でのメグとノン(そういえば、彼女達もまどか達と同じく、中学生という設定なのだった。先輩魔女の名前もマミ!)の最終対決から、「少女革命ウテナ」を思い起こさせるまだ社会に出ていない少女たちなどにいたる、学校を中心とした閉鎖的な生活空間で追いつめられていく重苦しい閉塞感、前述のシュヴァンクマイエル空間が組み合わされて、美麗な悪夢が出現する。ダーク・ファンタジーとして、これはたしかに出色だと思う。映画前編の印象が鮮やかなうちに、後編も見たいものです。

神田ニコライ堂のバザー♪

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神田ニコライ堂(聖ハリストス正教会)の秋のバザー、今日の朝10時から始まっています。ピローグ(ピロシキふう肉のパン)やボルシチ、ケーキ類、じゃがもちその他の屋台が出ています。ロシアだけじゃなくルーマニアのワインなどもあり、クロスステッチで刺繍の施されたティッシュケースやレース編みの花瓶敷きなどの手工芸品もあり。

わたしは去年まで出ていたピロシキを買うつもりで、今日の昼休みに行ったのですが、今年はピロシキ係さんが体調を崩されたとのことで、似たような肉のパンであるピローグとケーキ類を買ってきました。

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…いや、ほんとはピロシキあるいはそれに類するものプラス、ケーキは一切れのつもりだったんですが、バナナケーキもあったのでそれとアップルパイをお願いしたら、信者婦人会のロシア人であろう骨組みも肉の厚さもメイクも骨太なおばさまに流暢な日本語で「チーズケーキもどう?」と言われ、「いやー、さいきん自分で作ったので…」と、断ろうとしたら、「でも味違うでしょ? これも買っていきなさいよ」と、おかんライクに売り込まれ、ついつい…。で、ケーキは三切れになりました。

それから拝観料を払って、ろうそくとニコライ堂(正式名称は神田ニコライ堂でも聖ハリストス正教会でもなく、「東京復活大聖堂」)のパンフレットを手渡され、撮影禁止の聖堂内へ。丸屋根の高い位置の明り取りからのほのかな日光と、ろうそくの明かりにイコンに使われた金色がちらちらと輝くのがなんともいえず静謐な気分を誘います。こういう雰囲気でお祈りしていたら、わたしも野良カトリック信者にはならなかったかもしれないなあ。

さて、バザーは明日、土曜の午後3時で終了です。ニコライ堂が気になっている方、中に入ってみたかった方、ぜひこの機会に。建築物を見るだけでも楽しい場所です。屋台の食べ物は、聖堂の前の広場のテーブルでどうぞ。

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