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cover ■「ニセ医学」に騙されないために

 ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。

2009-09-09 JBpress(日本ビジネスプレス)のホメオパシーの記事について

[]JBpress(日本ビジネスプレス)のホメオパシーの記事について JBpress(日本ビジネスプレス)のホメオパシーの記事についてを含むブックマーク

JBpressのサイトに、医療ジャーナリストの長野修氏によるホメオパシーの記事が掲載された。


■自然治癒力を高める「ホメオパシー」 欧米からやって来た代替医療が日本で静かなブーム(「世界で最も安全な医療」から「自然治癒力を高めるホメオパシー」に変更された)

■何のためのホメオパシーか 西洋医学が見放した人を前に、それでもノーと言えるか


詳しくはリンク先を読んでいただくとして、内容は概ねホメオパシーに好意的である。賛同できる部分もあるし、問題がある部分もある。代替医療に関しての私見も含め、JBpressのホメオパシーの記事についてまとめた。




選択肢として代替医療はあっていい

私は、「科学的根拠の乏しい代替療法であっても、末期癌のような積極的な治療手段のない病気に(緩和ケアと併用しつつ)使用するのは、私は必ずしも否定しない」と述べたことがある。長野修氏も同様のことを書いている。


 患者は、最期まで諦めたくない。やれることは何でもやりたいのだ。けれども何もやってもらえない。

 こうした「がん難民」にとって意味を持つのが代替医療である。サプリメント、気功、鍼、漢方、各種運動療法、各種イメージ療法、アロマセラピーなどなど、その種類は多岐にわたる。

 単一の療法では明確な改善は見られなくとも、複数を組み合わせ幅広く用いることで、症状が緩和したり、進行が緩やかになったり、体や心が元気になったという声が生まれていることは、否定することができないのだ。何よりも、「まだやれる治療が残されている」という「希望」は、がん患者への大きな力となる。体にも優しい。

 伝承医療、代替医療の持つ意義というのは、こうしたところにあると思っている。


標準的医療を提供する医師は、治らないときには「治らない」と説明しなければならない。保険診療を行うのであれば、保険適応になっていない治療を行うことはできない。当然、不満に思う人もいるであろう。そういう人たちが、自己責任において、自費で代替医療を受けるのはかまわない。そういう代替医療を提供する医療機関があってもいい。(現代医学で満足できない人の受け皿があってもいいという主張は■代替医療は自己責任ででも述べた)




ホメオパシーは心身相関しているような症状には有効

小池統合医療クリニック・小池弘人院長は、事故やインフルエンザなどの感染症などは西洋医学を最優先すべきであるが、一方で、「身体的な症状はもちろん、精神的な症状にまで」ホメオパシーは有効だとする。


「特に、心身相関しているような症状に関しては、かなり有効です。ただし、うつ病や統合失調症など症状がひどい場合は、化学薬剤を併用すべきだと思います。当医院では、精神科は標榜していないのでやりませんが」


私も、心身相関しているような症状にホメオパシーは有効だと思う。ただし、レメディが効いているのはなく、診療の過程そのものが効いていると考える。


 「診察が一番重要です。まずかなりの量の質問書を患者さんに渡し記入してもらいます。さらに質問を重ねながら、その人を規定する象徴的なキーワードを探します。これをルブリックと言います」

 「例えば、夜中に咳が出るとか出ないとか、太っている痩せている、物を食べると調子が良くなる悪くなる、コーヒーが大好き、タバコが大好き、あるいは過去のトラウマなどなど、精神的なものも含めた、その人を規定する象徴的なキーワードです」

 「これを使って、レパートリーゼーションと呼ばれる検索を行います。辞書が何十冊も入っているような膨大な量なので、コンピューターを使って、検索します。そこからヒットするレメディーが出てきたら、さらに患者さんの話を聞きながら、絞り込んでいきます。それを使って、効けばそれを用い、効かなければまた変えるという、トライ&エラーで決め込んでいきます」


レメディを決める過程において、かなりの時間をかけているのがわかるだろう。心理的な要因で症状が生じている場合、ゆっくり時間をかけて患者さんの話を聞くだけで症状が良くなる場合がわりとある(■激痛を消す魔法陣にて、病院に来るだけで症状が良くなる人について述べた)。日本の標準的な医療機関では、患者さん一人にあまり長く時間をかけることができない。命に関わる身体的な疾患ではないことを確認できれば、抗不安薬でも処方して診療を終わらざるを得ない。十分に時間をかけて話を聞いてあげれば、患者さんの満足度はあがるだろうに。理想的な状態からはほど遠い。一方、ホメオパシー診療はかなり理想に近い。ホメオパシーのみを学んだ素人が対応すれば、精神科医の介入が必要な病態を見落とすことがありうるが、精神科について学んだ医師が対応すれば、その危険も少ない。ただし、コストは高くつく。




ホメオパシーは必ずしも現代医学を否定しないが…

だったら、ホメオパシーは有用なのか。私は、ホメオパシーの有用性は限定的だと考える。そう考える理由として、まず、ホメオパシーは現代医学の否定と結びつくことが多いことがある。たとえば、喘息に対するステロイド治療を否定したり、あるいはワクチンを否定したりする。ただ、ホメオパシーと現代医学否定は不可分ではなく、現代医学を否定するホメオパシー団体が目立つだけである。長野修氏も、そういった団体のことはご存知である。


だからこそ、今回の取材先は、いわゆる西洋医学を学んできた医学部卒の医者が所属する日本ホメオパシー医学会(※日本ホメオパシー医学協会とは異なる)のメンバーにしたのだ。ここが、ホメオパシーだけを医療方法とする人とは、違う。


日本ホメオパシー医学協会は、自称で「日本最大」のホメオパシー協会であり、私が見るところでも影響力が大きい。由井寅子氏が会長であり、ワクチン否定を初めとしたかなり問題のある主張を行っている。一方、日本ホメオパシー医学会は、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師によって構成される。由井寅子氏の団体と比べれば、まともである。もっとも、由井寅子氏の団体よりまともでないところは、ちょっと想像できないが。日本ホメオパシー医学会は、「日本の医療の中にホメオパシー医療をしっかり根づかせる」ために設立されたそうだが、だったらホメオパシーを称してトンデモな主張をするインチキ団体を批判してもよさそうなのに、明確には批判していないようだ。由井寅子氏をなんとかしないことには、「日本の医療の中にホメオパシー医療をしっかり根づかせる」ことはできないと思う。また、医療ジャーナリストとして、ホメオパシーを「1つの選択肢」として紹介するのであれば、きわめて問題のあるホメオパシー団体について注意を喚起してしかるべきであろう。




何のためのホメオパシーなの?

現代医学を否定しないとしても、私はホメオパシーを積極的には容認できない。代替医療はたくさんあるが、その中でもホメオパシーは、もっとも見込みのない部類に入る。原理的にはタダの砂糖玉である。「現時点ではエビデンスがなくても、将来は科学的に効果が証明されるかもしれない」と主張されることがあるが、その可能性は祈りやおまじないや魔法陣の効果が科学的に証明されるのと同じくらいだろう。いや、魔法陣については多分誰もまだ調べていないが、ホメオパシーについては既に調べられてプラセボと変わりないとわかっている分だけ、魔法陣に賭けるほうが分がよいかもしれない。私が末期癌になったとしても、ホメオパシーは選択しない。漢方や免疫療法のほうが、まだ可能性がある。代替医療に研究予算をつけようという話があるが、どの代替療法が見込みがありそうか、注意深く評価すべきである。現代医学の否定と結びついており、原理的にはただの砂糖玉と考えられるものよりましなものは他にある。個人的には、現代医学の範疇における先進医療で見込みがあるものがいくらでもあるのに、わざわざ代替療法に予算をつぎ込む必要性は乏しいと考える。




嘘の宣伝をするな

長野修氏の記事で、もっとも同意できた部分を以下に引用する。


もちろん[代替医療]に潜む危険性に対しては、常に目を光らせておかねばならない。それは、患者の弱みにつけ込んだ金儲け至上主義である。「がんが治る」という謳い文句を打ち上げて、サプリメントを売りさばく業者がいることは、残念ながら事実である。


なるほど、「がんが治る」という謳い文句を打ち上げて、サプリメントを売りさばくのは良くないことであろう。であれば、 「世界で最も安全な医療」「自然治癒力を高める」という謳い文句を打ち上げて、ホメオパシーを紹介するのはかまわないのだろうか?ホメオパシーが「自然治癒力を高める」という科学的根拠はない。他にも、「薄めれば薄めるほど効果は高くなるという」「レメディーを作る時に、激しく振って作るのだ。振ることによって効果が高まるという」部分も科学的根拠はない。紹介しているだけだから、断定ではないからかまわないというのであれば、「アガリクスは末期がんにも効果があるという」と紹介するのもOKということになる。この記事は、科学的根拠のない代替医療を宣伝する一つの見本になるだろう。

治療を諦めたくない末期癌患者の選択肢はあっていい。医療というのは、作用機序やエビデンスだけで推し量られるものではない。××療法は自然治癒力を高めるとされる。××療法をどのように捉えるかは、個々の判断にお任せしたい

これで、臨床的データがまったくなくても、記事が一本できあがりである。




レメディはわりと高価

なお、レメディー自体の価格は驚くほど安い。


記事に登場した小池医師が院長をしている小池統合医療クリニックのサイト*1によると、「初診料5250円 診察料(20分単位)5250円」のほか、「漢方・ホメオパシー等の場合は別途処方料(3150円)ならびに薬剤費(実費)が必要」だそうである。診察料、処方料はまあ、専門家の技術料であり、一概に高いとは言えないのかもしれない。薬剤費(実費)については、小池統合医療クリニックのサイトには具体的な記載がなかった。帯津三敬塾クリニックのサイト*2には「ホメオパシーレメディ:2,000〜6,000円です」とあった。ほぼ無限に希釈するわけだから、原材料費はタダのようなものである。さて、「レメディー自体の価格は驚くほど安い」と言えるのか。ちなみに、帯津三敬塾クリニックでは、「診療費 初診:18,000〜20,000円 再診:6,000円 」であった。患者の弱みにつけ込んだ金儲け至上主義に目を光らせておかねばならない



関連記事

■ホメオパシーの有効な利用法

■「ホメオパシー叩き」は統合医療潰しを目的としていたのか?

■良心的なホメオパシー

*1:URL:http://www.koikeclinic.com/clinic.html

*2:URL:http://obitsu.com/clinic_info.html

e6600e6600 2009/09/09 19:11 失礼します。
>■何のためのホメオパシーか 西洋医学が見放した人を前に、それでもノーと言えるか
のリンク先が本エントリのコメント欄になっているようです。
ご対応のほどよろしくお願いいたします。

NATROMNATROM 2009/09/09 19:36 訂正しました。ご指摘ありがとうございました。

e6600e6600 2009/09/09 19:52 不躾な指摘にも素早いご対応いただきありがとうございました。
これからも楽しみに拝見させていただきます。
失礼いたしました。

wd0wd0 2009/09/09 21:21 細かいことですみません。本文中の「魔方陣」は文脈から「魔法陣」の誤変換だと思いますが、いかがでしょう。

NATROMNATROM 2009/09/09 21:47 またやっちゃいました。訂正しました。他にも、誤字・脱字、論理の誤り等あればご指摘ください。

NANNAN 2009/09/10 15:34 元記事を読んでの率直の感想は「歯がゆい」というものです。筆者はおそらくホメオパシーの問題点や、効能について分かったうえでそれを書いていない、あるいは、ストレートに伝えない、という方法論を選択したように見受けられます。要するに、ずるい。
こういう記事を流布する側は、自分の立場を「ニュートラル」と称するのでしょう。しかし、どこがニュートラルなのか?と問うと、AとBがあり、Aは知られているがBはまだそれほど知られていない、という理由しかない。
批判的な内容も織り交ぜているように見えて、後段になると「自己責任で」と責任放棄している。科学的根拠がないと書いてはあるけれど、西洋医学的な見地というものが、まるで生理化学作用にだけ頼ったものであるかのようなステレオタイプが前提にあり、定量化しがたいものを西洋医学が全否定しているかのような読後感を味あわせる。暗示や細かな気配り・ケアをしてもらうことによる精神的安息感には言及せずに、それを「ホメオパシーの効果」と喧伝する記事の内容には思慮の浅さ、もしくは意図的な誘導さえ見受けられます。
これに比べれば、先のナイチンゲールによる「ホメオパシーの肯定」のほうが、遥かに良質な紹介だ、と感じました。

pikapika 2009/09/10 18:57 >現代医学を否定しないとしても、私はホメオパシーを積極的には容認できない。

このお話を聞いたら、消極的に容認したくなりますよ・・・きっと。(笑)

「実用ホメオパシー 医師のホメオパスによる自己治療のための安全ガイド」
 (Dr. Daivid Gemmell 著  由井寅子 監訳 2004年刊 ホメオパシー出版)
   P100 『子供の喘息』より引用

 「突然、目の前で子供が呼吸の問題を起したら、医者に電話するか、救急医療室のある最も近い病院に子供を連れていくこと(ただし、はじめに場所を調べること━すべての病院にあるとはかぎらない。電話帳の‘病院’という項目で電話番号が分る)。助けを待つ間に、反対側のページにあるレメディーを試すことができる。
 子供の喘息はホメオパシーで効果的に治療を行うことができるが、資格のある施術者のもとで行われるべきである。子供が医者に処方された伝統的な薬物療法を続けることが重要である。ここではホメオパシーは補足的な方法で使われている。」

 お陰で、病院に掛かるとき、初めに何をすれば良いのか、病院の電話番号を調べるとき、電話帳でどの項目を見れば良いのかなど、親切丁寧に説明されており、大変勉強になりました。(笑)
 実際にホメオパシーを試したことはありませんが、本誌を読んだ限りでは、ホメオパシーのシステムも、なかなか良く出来ていると思いました。読んでいて楽しかったです。(笑)

しだもしだも 2009/09/10 21:18 揶揄だろうと思いますが、正直あまり笑えません。

治療でよくなった結果を、一緒にレメディをなめさせることによって、レメディの効果であると誤認させようとする狡猾さしか見えません。
 ここにある伝統的な薬物療法っていうのも微妙な表現ですよね。
 ステロイドなどを悪者にするホメオパシー信者もいますし…

att460att460 2009/09/10 22:57 あれ? ステロイドを散々悪役にしていたのに?

喘息に対するステロイド治療を否定するホメオパシー - NATROMの日記
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090201#p1

宗旨替えをしたのでしょうかね?

nn 2009/09/11 00:31 2万円で本当に親身に話を聞いてくれるなら、むしろ安い気が(笑)
科学との間にある超えてはならない一線をちゃんとわきまえたうえで、とにかく困っている本人を幸せにしてくれるんであれば、坊さんも占いも魔法陣も(それと一部のまともな代替医療も)、すばらしく貴重な存在であり、2万円でも20万円でも全然オッケーです。固定客が沢山つくほどの優秀な「占い師」が友人にいるのですが、下手な医者なんかより人を幸せにしてると(個人的には)思ってますし、自分は心から尊敬してますし、その人の20分5000円を弱みに付け込んだ金儲けだとは思いません。
…その上で、ホメオパシーは、超えてはいけない一線の境界上でズルくてイヤな行動をしてる印象しかなく、問答無用で嫌いという印象しかこれまでありません。不勉強で申し訳ないのですが「わるいホメオパシー」と敢えて区別すべきほどの「良心的なホメオパシー」って本当に存在するんでしょうか。彼らは宗教家なのか狂信者なのかカウンセラーなのか科学者なのか、どの辺の立ち位置と思うべきなんでしょう。

しだもしだも 2009/09/11 06:16 ああ失礼しました。ここには、ではなくここを見られている方の一部にはということに、発言を訂正師弟だ抱きたく思います。
読み返すと誤解されても仕方ない発言だと思います。
申し訳ありませんでした。

pikapika 2009/09/11 10:55 >しだもさん
>レメディの効果であると誤認させようとする狡猾さしか見えません。

おはようございます。その「狡猾さ故のシステム」を笑ったつもりなんです。
NATROMさんには、私のブラックユーモアが通じていると思うのですが、言葉が足りず、申し訳ありません。本誌の感想を真面目に書きますね。

>伝統的な薬物療法っていうのも微妙な表現ですよね。

 仰るとおりです。「微妙な表現」なんです。しかし、私は医療従事者ではないので、「伝統的な薬物療法」が具体的にどのような療法なのか、「伝統的な薬物療法」の中にステロイドによる治療も含んでいるのか、ということについては全くの無知です。その上で、本誌を読んだ個人的な感想ですが、ステロイドによる治療については、根底に批判的な考えはあるが、論争を避けるために敢て言及を避けている、意図的に「伝統的な薬物療法」という表現に留めている、という印象を受けました。本誌中「ステロイド」という言葉は一切出てきません。

 ただ、「湿疹」の項目では、
「抗生物質を含む塗り薬やコルチゾンのタイプの薬を使うことをできるだけ避ける。しかし、なかには医者の診察を受けなくてはならない状況もあり、コルチコイドの製剤が実際に命を助けることもあるということをおぼえておくこと。」
とあります。
 「コルチゾンのタイプの薬」「コルチコイド製剤」がステロイドかどうか、ということについては、私には解りません(もしかしてそうなのかしら、と思ってはいるのですが・・・)。

 本誌は、ホメオパシーの入門書ですが、「家庭の医学」のような感じで、まず初めに、病気の特徴、次に、一般的な対処法(極めて常識的なことですが、若くてまだ病気に出会う経験が少ない方などには参考になりそうなこと)や、家庭で出来る自己治療などの説明がなされており、その次に、ホメオパシーによる治療、そして最終的には、ホメオパシーの治療も含めて自己治療で改善されない場合は、医師に掛かるように説明されています。また、初めから医師による治療が必用な病気や怪我などについては、レメディーで自己治療をせず、初めから医師に掛かるように説明されています。結局多くの病気において、レメディーを摂取しながら医師に掛かる、または、医師に掛かりながらレメディーを摂取する、というようなシステムになっていると思いました。そういった感想をナイチンゲールさんに見習って、「ホメオパシーのシステムも、なかなか良く出来ていると思いました。」と、皮肉って表現してみました。

 そういった意味で、また皮肉ですが、「・・・自己治癒のための安全ガイド」「世界で最も安全な医療」「自然治癒力を高める(家庭の医学ように、自己治療による一般対処法が説明されているので)」なのかな、と捉え、NATROMさんには、「消極的に容認したくなりますよ」と、冗談を言ったのです。
 
 先のコメントで、1つ訂正があります。
「お陰で、病院に掛かるとき、初めに何をすれば良いのか、病院の電話番号を調べるとき、電話帳でどの項目を見れば良いのかなど・・・・」
         ↓
「お陰で、“病院の救急医療室”に掛かるとき・・・」
に、訂正させていただきます。

NATROMNATROM 2009/09/11 12:26 ホメオパシー自体に対しては、私はもともと消極的容認ですよ。由井寅子の団体は許しませんが。JBpress(日本ビジネスプレス)の記事も、問題点はあるものの、これほどフルボッコにされるほどのものじゃないと思います。最悪、由井寅子の受け売りを書かれることだってありえたわけですから。

「ホメオパシー大百科事典は読み物として面白い」でもちょっと書きましたが、「良心的なホメオパシー」っていうのもありえると思います。エントリーを書きかけていますので、そのうち公開できるかも。

氷村氷村 2009/09/11 19:15 >患者の弱みにつけ込んだ金儲け至上主義に目を光らせておかねばならない。

 一度ならず帯津良一サトルエネルギー学会会長という波動ビジネスのボスキャラを取り上げておいて言えた台詞じゃないですね。
 ホメオパシーから派生した波動ビジネスがどれ程の暴利を貪っているか知らないのでしょうか?
 まさか値段だけ見て「医療機器と比較して波動測定器の価格は驚くほど安い。」と言い出す事は無いと思いたいですけど。

>nさん

 初めまして、占術や祈祷も扱う寺院の職員(僧職ではありません)です。
 参考までに私の宗派の当病平癒の加持祈祷に対する見解を紹介しますと、医療技術が発達した現代に於いては、祈祷はあくまでも擬似医療であって医療の代替となる物ではなく、補完に徹するべきだとされています。
 その上で宗制には医療行為の妨害を働いた修法師(祈祷師)は免状を剥奪する旨が明文化されています。前例は有りませんがそれが原因で健康被害が生じた場合、恐らく僧籍を剥奪されて全国に破門状が出回る事でしょう。

 祈祷は抜苦与楽の為の方便(手段)であって目的では有りませんから、他の有効な手段は活用しこそすれ排除する事は有り得ません。明治時代に近代医学が導入されて医師法や薬事法が制定される前の僧侶は東洋医学の知識も進んで学んでいた位です。保身や売り込みの為に医療に対するネガティブキャンペーンを行うなど以ての外ですね。
 余談になりますけど、今年の加行所(修法師の修行場)は入行にあたって新型インフルエンザのワクチン接種と感染の有無の検査が義務付けられました。医師の証明書を提出しなければ門前払いを喰らってこの上ない恥辱を味わう羽目になります。嘘と方便の区別も付かない者には非常に厳しい世界ですよ。

>彼らは宗教家なのか狂信者なのかカウンセラーなのか科学者なのか、どの辺の立ち位置と思うべきなんでしょう。

 良き宗教家は良きカウンセラーでもあると思います。他教ですけど少々学んで時代背景を知っていれば、キリスト教のイエス様は仏教の釈尊に匹敵する智慧と応病与薬の聖者だと思えますよ。苦しみの根源を取り除くたった一言の言葉がどれ程の救いになったか、なんて事をお寺の中で話すと宗教家よりも宗教学者みたいだとか言われますけど;;;
 一方、由井寅子の様な過激なホメオパスはカルト宗教とニセ科学が“悪魔合体”した呪術教団の狂信者だとしか思えません。現代に於いてワクチン接種を否定して、インフルエンザどころか狂犬病すらもホメオパシーで治ると主張するなど理解に苦しみますね。

しだもしだも 2009/09/12 07:57 Pikaさん

丁寧な解説ありがとうございます。
多分ブラックユーモアだと思ってはいたのですが、個人的な感想として少々誤解して伝わりそうな部分があったので書きました。今思えば、自分の発言は若干神経質だったかと思います。

NATROMさん
> ホメオパシー自体に対しては、私はもともと消極的容認ですよ。
自分は消極的否認の立場だと思っていますが、NATROMさんの姿勢は理解できます。

今のホメオパシーについて伝え聞こえてくる問題点が多すぎて、私には容認できるレベルのホメオパシーになるには不断の努力と大きな時間が必要ではないかと考えています。
これは、単にホメオパシーで助かっている人の身近な実例を知らないからかもしれません。

nn 2009/09/12 15:24 氷村さん、大変参考になりました、ありがとうございました。人を癒す専門家という意味では宗教家や占術家は大先輩だと思ってます。科学的根拠があることで慢心して、医学がカウンセラーとしての側面を忘れるのも、良くないことですよね。

ホメオパシーのサイトとかも少し巡ってみましたが、まあ思うところは皆さんと同じでしたので感想は割愛します。ナイチンゲールの気持ちが分かったw

匿名匿名 2010/07/18 22:49 ここにホメオパシーの宣伝があるとは思わなかった。
笑うに笑えない。