水からの伝言にまつわる「科学的」「非科学的」論争
http://revilog.com/binbou/2006/11/010445.htmlについて。
言いたいことは概ねこの方が言ってくれたので、紹介とコメントのみにとどめる。
http://d.hatena.ne.jp/paulownia/20061113/1163433650
元のエントリの愚劣さ加減は最後の
上記エントリの「水からの伝言を信じないでください」には非科学な点があるというその主張の仕方は、論点をずらし、都合の良い引用をし、さらに理系院卒などと名乗って権威付けしようという点も含め、限りなく似非科学のそれに近い。非常に悪質だ。
にあるとおりです。元エントリの追記で更に
ということを言っている時点で既にこのエントリ自体なんの意味も持たない。「水からの伝言」は消え去り、結晶が変化するという事実のみ残る。因果関係が切り離された時点で影響を検証することをしていないわけだから、その後の実験は単なる「結晶は形を変えるという現象」の検証にすぎない。そもそも
■トンデモ科学と否定するのもトンデモ科学
というわけで、水に良い言葉、悪い言葉をかけると内容が変わるというのは、トンデモ科学と否定するとしても 水に、音波による微細な振動を当て続けても、内容が変わらないと否定するのもやはり、トンデモ科学でしょう。
というように、見出しで釣って肝心の中身は議論のすり替えを行っているような主張についてまともに相手をするのもどうかと思うが。
JASRACを罵るだけでは何も変わらない。
先日のエントリにはかなり多数のアクセスがありましたが、様々な受け止め方をされたなあと思います。大雑把に言うと「JASRACふざけんな」または「JASRACそのものが悪いわけじゃない」の対極の感想があったことがなかなか興味深い。タイトルのせいもあってか結構前者の反応を示す方が多かったと思います。
続きのエントリにはそれなりに横暴な事例を取り上げてみましたが、いずれにしても、JASRACは管理団体としての仕事をしようとしているわけで、やり方はともかくとして権利はあるわけです。今回これだけ話が盛り上がったのはやはり「ハーモニカでビートルズ」の事例に違和感があったことじゃないでしょうか。
ビートルズは喜ぶか
という考え方はあまりよろしくない。JASRACは「ビートルズの曲を演奏すること」そのものではなく、「ビートルズを含むJASRAC管理下の音楽を演奏すること」についての使用料を求めているわけです。本来著作権を侵害しないために使用権を著作者に求めるには個別の対応をしなければならないですが、ビートルズの楽曲の著作権者にコンタクトを取って契約を(向こうの言い値で)しないと演奏できないところが、JASRACと契約を結ぶことでできてしまうというのは契約する側にもメリットがあるわけです*1。じゃあ、ビートルズにそのお金が入るかというと、それは微妙ですが。
演奏するという行為
今回の件は「生演奏をウリにした」お店だったので、お店の売り上げに貢献していると思われる事例でした*2。ところが、このような場合の利用料は結構高いです。単なるBGMだと1000平米で年間一万円だから大したことはない。つまり、楽曲を(本来の業種の目的とは別であっても)演奏するという行為について、高額の使用料がかかるということです。ハーモニカであっても。ここにはちょっと違和感があって、「オリジナルの演奏を収録したCD」と「アレンジされたものを別の演奏者が生演奏」では後者の方がそもそもの著作権者から受けている恩恵は小さいように見えます。なんでこっちが高いんでしょうね。
ちゃんと管理できないのであれば取って代わることができるかな
http://www.jasrac.or.jp/contract/member/faq.html#05_2
Q5-8. 私の作品がテレビのニュース番組の中でBGMとして放送されていたのですが、分配がありません。なぜでしょうか?
A5-8. その放送の音源としてレコード(CD等の録音物)が使われていた場合、サンプリング調査期間に放送されていなかったために、分配対象にならなかったと考えられます。
カラオケスナックのような実地調査が必要な場合はともかく、インストものであったりすれば、流されるところも限定されます。今や全チャンネル前番組を録画して分析するのも不可能ではない時代ですから、集計システム作って売りにできたりしないものなんでしょうかね。