有害サイト規制に到る発想について

民主党の法案が非難轟々みたいだけどどうだろう。
法案の内容については後で吟味して書きたいと思うのだけど、そもそも「未成年に影響を与えないための」有害情報の「削除」という発想に到った根本には、仕組みがわからない=制御できないという短絡的発想があるように思える。たとえば、コンビニで18禁の雑誌類が置くことが出来る(規制されりる自治体もあろうが)のは、人による年齢認証(アバウトだけど)が可能であるという前提なのだろうけれど、じゃあインターネットの年齢認証が意味あるか、というと、アクセス主体が誰なのかわからない。だからほぼ意味が無い。少なくとも、閲覧するだけであれば。その先にはいくつかのハードルがあるけれども。
表現の自由よりも青少年の育成が大切である、という発想だとしたらその青少年の育つ先は表現の自由の無い世界だ。これは本末転倒だし憲法違反と言うか、検閲時代の幕開けと言うか。
とはいえ、建前上、未成年に対する有害サイトを規制する、ということは必要だと思う。何が有害か、ということはもちろんはっきりと決められることではないから、実態として意味があるかどうかはわからないけれど、じゃあ18禁なりゲームのレーティングなりはどうなのよ、という話ではある。少なくとも、教育の範疇として、家庭や学校では規制されるべきだ。そして、その家庭の中に携帯は入っていいと思う。
もしかしたら、法案を作ったものにとってはやはり民主党により2006年末に出された携帯で出会い系をできるだけ使わせないようにしましょう法案をさらに先に進めただけのイメージなのではないか、と思う。ただ、実際に(実態としての)出会い系を解した犯罪などの事例が重なってくると、そういう発想に到るのは仕方が無い。そして、仕組みがわからないから、全部規制しちゃえばって話になる。
多分ね、表現の自由を制限とかそんな大層なことだとは思ってないですよ、議員のわかってない人は特に。インターネットなんて現実の世界にどう繋がっているかなんてわかっちゃいない。著作権の問題でも「ネットはダークサイド」という発言があったとおり、ウェブによって成し遂げられている多くのことは多分ほとんど意味が無いと思っているはず。だから、有害なら削除と言う発想もでる。
僕は、制限はデバイスにより行うべきだと思っているから規制の妥当性があるとしても削除にはもちろん反対なんだけど、それはそれとして、ウェブの重要性と世界的潮流をちゃんと偉い人に理解してもらう必要があると思う。もっというと、政治・行政にマイナスになる要素のてんこ盛り状態はこちら側でも解消の仕組みを考えていかないといけないんじゃないかとは思っている。難しいけどね。