SI業界の即戦力とは

これはいいエントリ。

これほど優秀で勉強もしてきた人達でも、SIerとしては即戦力にはならない。社会人マナーとか仕事の進め方の話ではなくて、単純に知識不足という意味で。そのため一緒に入社したプログラミング能力の低い社員と同じように扱われる可能性が高い。これはすごく不幸な状態だと思う。SI業界が求める人材と学生のスキルアンマッチがあるのは間違いない。

2008-06-15

として、実際の業務システムを開発する時に求められる知識が如何に特殊かということが語られています。うなずくことしきり。僕らの目的はソリューション(問題解決)なのですけれども、その解決に使える手段が限られているんですよね。
ただ、入ってきた新人の中には即戦力って人はいます。即っていっても何ヶ月も掛からんって話だけど。それは、やっぱり地頭力がある人。そう、全然現場に出向かない国司を罵倒しながら荘園から年貢を取り立てたり紛争を解決したりする能力のある人です!
…あまり冗談になってないな…
正直なところ、今の銀行システムなんかは、一点豪華な知識で喰っている人が多数います。で、それは学校では教えてもらえないものだったりします。僕が最初にはいったプロジェクトは、Webシステムから来る電文変換し、ダム端末の振りしてホストとやりとりするというゲートウェイシステム。ホストの電文仕様なんてわからんし、SNAの手続きなんてわからんよ!でもOSはUNIXだったし言語はCだったし、MQ/DB2の使い方をプロジェクトを通して一通り覚えたり、障害対応してホストの仕様をおぼろげながら把握したり。TSO端末も必要に応じて叩いたなあ。でもここで学んだ一番大事なものは「トランザクション制御とは何か」だったと思います。
業務システムって業務と制御で出来上がってるのね。昔のシステムは比較的制御の比重が高くて。今は制御はパッケージやフレームワークに吸収されることが多くて、そのあたりを勉強してくる人は少ない。だから、方法論の部分で学校で学んだ知識が役に立つってのはちゃんとしたソフトウェア工学があってこそなんだけど、でもそれは事実を把握するために必要なだけであって、それを生かした設計を今更することはないよね。少なくとも、フレームワークとかを作る側じゃなくて使う側としてはね。
でも、地頭力があることによって、そういうハードルって結構クリア出来ちゃう。ここでいう「頭」には知識というのもあって、みんな基本情報処理とか現場では役に立たないって言ってバカにするけど、あそこで得た基礎知識ってのは有機的に繋がってくるとすごい武器になる。暗記問題だって思ってるから役に立たないんだよ。
大事なのはノウハウじゃなくて方法論なのね。ノウハウだけで生きている人は、その世界がなくなったときにつぶしが利かなくなる。ほら、いわゆるバカにされるCOBOLERって、他の言語行ってもグローバル変数使いまくったり、配列の添字が1から始まったりするじゃん?必要なのはコンピューターシステムとしての方法論で、COBOLの言語仕様からは離れたところにあるはずなんだけど、言語に即した方法論しか学べてないのね。
SI業界って、ミクロレベルの仕事をしているととてもつまらないと思うことって多いと思うんです。でも学生には今まで学んだことを是非発揮して欲しい。その為にはまず最初に配属された現場の仕事を俯瞰的な視線で見て欲しいし、それができるとすぐに戦力として認めてもらえるかもしれません。「なんで今更アセンブラなんてやらなきゃいけないんだブツブツ」なんて人はいつまであっても戦力にならないかも。本質を捉える力を磨いていかないと、たとえ得意のウェブ系に行ったとしても、言語やフレームワークに使われるだけの人材になっちゃうよ。ホストしかやってなかった人がウェブ系に来て「こんなの大体一緒だな」と言って通り一遍の知識を身につけた後はバリバリと設計からコーディングまでできちゃったりすることだって良くあるんですよね。いや、そんなに頻繁にはないか(笑

地頭力(じあたまりょく)とは何ぞやという追記

上記のネタは「じとうりょく」だったりもしますが、一世を風靡した?元ネタもだいぶ下火なようなので紹介。読んだことはない!

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

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