新章「惑星」シリーズ雑感

メインビジュアル

イラストの破壊力が高いと思う。
『獅子の戦旗』のPVを見た時と同じような高揚感を感じた。
今、公式サイトに掲載されているので、是非、見に行って欲しい。
http://www.aquarian-age.org/
べっかんこうさんの描いた天使キャラが半分水没した神殿?教会?に佇んでいるイラスト。
多分、WIZ-DOMのキャラなのかな?

このイラストだけで、新規ユーザが何人も釣れると思う。

環境リセット

「スタイルのリニューアル」と婉曲表現してますが、今までメインであったエクストリームは比重を減らし、今後は『始まりの地球(ほし)』以降のカードが使えるAスタイルが主要なスタイルになる事は目に見えているでしょう。
これは、SagaII移行時、Saga3移行時、エクストリームスタイル創設時を見てみれば解る事です。ブロッコリーは今まで、一番カードプールが狭いスタイルのみを押してきましたから。
まぁ、今の時期の大会状況を見れば解りますが、思い出したかのようにスタンダードスタイルを行われても夏枯れするだけなのですが。
俺自身は、今までのエントリを見れば解る通り環境リセットの反対論者なのですが、今のタイミングでの環境リセットは歓迎できると考えています。詳しくは後述します。

エキストラシリーズ専用スタイルの創設

Bスタイル:エキストラシリーズのカードのみ使用可能

前々から指摘して来た「なのはでアクエリに入った人間は、今後、遊び続ける為には何を買えば良いのか?」って疑問が解消された事になります。
正規エキスパンションは買わなくて良い事が判明した。代わりに、『ファントムブレイカー』『スマイル☆シューター』は買わなくては駄目と。
かなり時代遅れな感があるね。
ブシロード系のTCGはネオスタンダードと言う形式がメインで、自分の好きなタイトルのみ買えばOKなのに。ムービックも「シングル」と言う名称でこのシステムを取り入れているし。

パック仕様のリニューアル

ブードラが楽しめなくなるのがネックですね。
まぁ、1パック単位で開封してドラフトではなく、2パックまとめ開封してドラフトするようにすれば解決できるのですが。

AAAが抱き合わせになった『月光の秘儀』の時は420円でアンコモン2枚は苦しくなると予想して批判しましたが、350円でアンコモン2枚なら問題は少ないと考えます。
レア1枚の単価も下がっていますし。
無論、今までどおりレア66種アンコモン66種コモン66種の全192種で350円8枚の設定をするのは苦し過ぎますから他の1パック8枚のTCGを見習って色々と工夫をして欲しい所ではあります。

エクスパンションコンバート

エクストリームよりカードプールの狭いAスタイル(『始まりの地球(ほし)』以降)を作ったのに、コンバートを行う理由が理解できない。
「今度は下の環境もしっかりサポートする」って意思表明なら、全然足りない。
もう1回「無差別級トーナメント」を行うぐらいの事をしないと駄目。
もしくは、アルティメットスタイルに禁止カード・制限カードを制定して整備するとか、アクエリ版EDHのルールを作って発表するとか。

新章「惑星」シリーズで新規ユーザを獲得できるか?

環境リセットの反対論者の俺が、今のタイミングでの環境リセットを歓迎する理由。

現状分析

ブシロードTCG、主にヴァイスシュヴァルツが、高校生以上で美少女系コンテンツが好きな層を大きくTCGの世界に取り込んでいる。
が、ブシロードTCGはエントリーユーザ向けな内容ばかりである。ある程度遊ぶと物足りなくなってくる層が出てくる。
つまり、現状はハイエンドユーザ向けのTCGの需要が高まっているのだ。
※「ハイエンドユーザ向けのTCG」の詳しい定義は下記を参照。
http://d.hatena.ne.jp/Nakaji_c/20110406#p1
ちなみに、去年発売した『プレシャスメモリーズ』がそれなりの数のユーザを獲得できたのは、上記の需要にマッチしたTCGであったから、と言う側面がある。*1
ムービックが『プリズムコネクト』を、シルバーブリッツが『ファンタズマゴリア』を新規に市場へ投入するのも、上記の需要を当て込んでの事だと思う。
また、美少女系コンテンツとは毛色が違うが、バンダイガンダムのファンの世代交代・ファーストガンダムから脱却をを目論んでおり(この点は、秋から始まる『機動戦士ガンダムAGE』で非常に顕著)、その一環としてガンダムウォーが既存のユーザを切り捨てる形でのリニューアルを行っている。*2この結果、GWを辞めて別のTCGに移ろうとするハイエンドTCG慣れしたユーザ層が一定数存在している。今のタイミングなら、この層も獲得する事が狙える。

アクエリは今のニーズを満たすか?

「ハイエンドユーザ向けのTCG」と言う点では、合格点を与えられるだろう。
今までのアクエリに、上記のニーズを持つユーザが入ってこなかったのは、適切な再録ブースターを作って来れなかったせいで「新規に始める人が何を買えば良いのか解らない」って問題を解決できなかったからである。
今回、環境リセットするとこで「『始まりの地球(ほし)』以降を買えばAスタイルで遊べる」と言う回答が示された。
適切な構築済みを出して、適切なタイミングで初心者講習会を行えば、アクエリに興味を持つ人は増えるだろう。
が、今のアクエリはカードプール以外にも、新規ユーザ獲得の障壁がある。できたら下記に述べる問題を解決して欲しい。いずれも、新章に突入する事でAスタイルが生まれる今なら解決可能な内容である。

新規ユーザを獲得する為に必要な事

○ルール・テンプレートの整備
少し前に話題になった「“セット宣言可能”って文言でも、文脈によりコストの支払いが必要なケースと不要なケースがある」って問題。既存のQAやルールサマリーでは解決できなかった。
前に書いた《悪魔の瘢痕》の説明を要約すると「MTGのルールで言う所の単発的効果の場合はコストを支払わなくて良くて、MTGのルールで言う所の継続的効果の場合はコストを支払う必要がある」になる。*3つまり、整備された他のTCGTCGルールのロジックを学んでいないと、今のアクエリのルールには解釈不可能なものがあるという事だ。

新章「惑星」シリーズ突入を契機に、この辺を整備して欲しい。
結果として、既存のQ&Aの半分ぐらいに逆転裁定が出る事になっても、構わないと思う。

○ゲームシステムの簡素化
アクエリの今の基本ゲームシステムには必要以上に複雑過ぎる部分ある。これが、TCG慣れした人間に対しても、参入障壁となっている。
具体的には以下。
・分類が多過ぎる
・スキルが多過ぎる

分類については、♂分類をバッサリ無くせば半分になる。*4
スキルも、使用頻度が低い物やルールが複雑なものは無くしてしまえば良いと思う。無くさなくても、新章「惑星」シリーズ以降のカードでは採用せず、ルールブックにも記載しないだけで良い。

○分類の役割の明確化
SagaIの頃のように、デッキを組むのが楽しくなるようにして欲しいって事。
SagaII以降を見ると、どの勢力にも、補給(ドローとチャージ)もフィニッシャーも揃った分類があるのが当たり前になっていた。
SagaIの頃は、E.G.O.以外の勢力では、「補給が強いけどフィニッシャーのいない分類」「補給が無いけど、フィニッシャーは強い分類」に分けられていて、どう組み合わせデッキを作るかが、デッキビルダーの腕の見せ所であった。
また、ダークロアやイレイザーのようなパラメータ的に有利な勢力は、分類が多くあってバラバラでデッキを組み難いと言う形にしてバランスが取られていた。
そう言うゲームシステム的な必然性が無いと、分類が多いと言う事がユーザに受け入れられないだろう。

結び

俺の環境リセット反対論は、根底に「環境リセットで辞める人以上の新規を獲得できないだから、環境リセットするな」と言うのがある。裏を返せば、客観的に見て、環境リセットで辞める人以上の新規を獲得できる状況なら、環境リセットを許容するって事である。
ただし、今後、環境リセットの是非を論じるにあたり「2011年のこの状況をブロッコリーが作り出した訳ではない」「SagaII,Saga3移行時は失敗してプレイ人口を減らした」と言う点を忘れてはならないだろう。

*1:無論『けいおん!』って版権が非常に強いのは言うまでも無い。個人的な推定だけど、大人向けのTCGの市場では、現段階で、落ち目なLyceeと同程度か下手するとLyceeよりプレイ人口が多いかもしれない。今年『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『魔法少女まどか☆マギカ』が参戦する事で、来年の今頃はWSを抜いていても不思議ではない。少なくともパブリッシャーがエンスカイではなくてブシロードだったら、WSを超えているのは確定だったはず

*2:周りのGWユーザの話を聞く限り、GWは環境リセットが必要なほど環境が荒れているわけでもない。適切な再録ブースターを作っているから新規が参入しずらい訳でもない。

*3:論拠として挙げられるのは2つ。[1]コスト支払いの有無が明記されていないカードは、Q&Aが出ているのものはこの法則従っているし、Q&Aが出ていないものは習慣的にこの法則に従って処理されていた。[2]コストの支払い有無について明記されているカードは、この法則に反するパターンのみである。

*4:♀分類と♂分類でアイコンが似ていて区別が付き難い問題も解消できる。

シルバーブリッツから新規のTCGが発表された。

http://www.phanta-tcg.com/
夏コミで構築済みを先行発売。
今週末のLyceeオープンで先行体験会。

ルールを見たら、下記3つの組み合わせ。
・基本的なルールの枠組みはLeafFight
・レスポンス関係はMTGやD0のスタックルール
三国志大戦の兵法
LFのレスポンス関係は複雑怪奇だったので、すっきりとスタックルールにまとめられているのは好印象。

参戦タイトルが『穢翼のユースティア』『素晴らしき日々〜不連続存在〜』『リトルバスターズ エクスタシー!』『真剣で私に恋しなさい!』『のーぶるわーくす』と全く俺にヒットしないので、今の所は手を出さない予定。

要望があるなら、俺主催のチャージ3の中で大会を開く事は多分可能ですよ。シルバーブリッツの大会主催者IDは共通のはずですから。
「おもちゃのさいとう」さんのWS勢の中で『ファンタズマゴリア』に手を出したい人がいるのであれば、お店に掛け合ってみます。俺が大会運営をお手伝いするのは無理なので、誰か別の人がお手伝いする必要があります。

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