日本の歴史は日本人が創る

ヤマト民族日本人に“我れ蘇り”を希う

☆賢人政治家ウラジミール プーチン (14)

 ソビエト連邦共産主義社会体制時代に於けるノーメンクラトゥーラ、所謂、党幹部や党員、官僚や役人等に冠された特権階級集団の名称となるもので、不正不当に特権を用いては強欲主義を現わした”赤の”貴族の事を云うのだが、其の彼等が、ソビエト連邦の崩壊から独立し、ボリス イェリツイン率いる民主自由資本主義体制に順ずるロシア国連邦となる中で、資本主義経済部門に主導者として仮面を替えて来たのが彼等であって、通称オリガルヒと呼称される新興財閥群となるもの、ノーメンクラトゥーラからの脱皮で在る事に変わりはないのである。

 勿論、当該名称の中に共通項として現われているものが何で有るかは云う迄もなく、上記”赤の貴族”達そのものの事ではあるのだが、もっと煎じ詰めて言えば、其処に現われてくるモノは、”ユダヤ系ロシア人”の顔、また、顔、顔、賢人政治家の道を歩む事となるウラジミール プーチンは、クレムリン宮殿に入城する以前から、当該ロシア近代史の歪んだ実態を掴み取り、国家権力図式に巧妙に絡み合う彼等の実体を以って、ロシア国の裏面史すら構成して来た特異なる集団である事を、決して見逃す事もなかったのである。

 基より、ウラジミール プーチンは、クレムリンに入城しても尚、ユダヤ系ロシア人の”ユ”の字一つ使わずに貫き通し、十二年後の現在に至るもなお一言のユの字もメディアにて発していない事実に鑑みれば、尚更に、ウラジミール プーチンの賢人性を知らしめて余りあるものと理解可能、欧米中日を中核とする世界経済活動の実態が、或いは、政治活動の実態が、シオニストユダヤ系大財閥資本家群の手に委ねられた侭に動かされている事を、彼は明確に熟知し、国家再興の緒に就いたばかりのロシア国一国の力量を以ってしては多勢に無勢であり、且つ、時期尚早ですらあることをも、既に認識していたからに他ならないのである。

 略同時期に米国大統領となったブッシュJr.と、二千年からの八年間の外交を共にする事になるウラジミール プーチン、ブッシュJr.自身の、所謂、曰く因縁付の出自に在る事も去ることながら、彼ブッシュJr.を取り巻く政権閣僚やブレイン群の、際だった特異性にも同時に着目する様になっていたプーチン、2001年9月11日に発生したNY同時多発テロルに際しては、其れ以前に遡る1993年2月26日に起きた世界貿易センター駐車場での爆破テロル、其の首謀者が、イスラム原理主義組織アルカーイダを統率するウサマ ビン ラーディン一派に繋がる事をも既に突き止めていたロシア国の諜報機関、基より、ウラジミール プーチンも斯かる情報を機関の幹部として入手していた事で、件のNY同時多発テロル発生の予見可能性すら抱き、且つ、逼迫している事をも情報として掴み、ブッシュJr.にはダイレクトに<警告>として発してもいたのだが、結局は、ブッシュ政権は動かずに9.11同時多発テロルを向かえる事となるアメリカ合衆国政府、まともに考えれば、動きも悪く足許が暗い米国であると捉えた可能性の方が高いが、ウラジミール プーチンは、9.11同時多発テロルに関わる其の経過思考の中に、奇異で、不可解なる場面をすら感じ取った事も全く無かったとは言えないのである。

 其れは勿論、ブッシュ政権に因る、あの忌まわしくもある9.11同時多発テロルに対する、アフガニスタン国への形振り構わぬ報復攻撃から始まるのだが、当該謂われなき、且つ、正当性無き事が後日に於いて白日の下に晒される、所謂、イラク国をターゲットとした執拗なる国家侵略準備が活発化、其れも、用意周到なる謀まで駆使して為した国連工作活動が、仏独両国を中心とする国連加盟国の反対で失敗に終わると見るや、徒党を組んでまで為した強行を以ってするイラク戦争の開始、アフガニスタン国に対する大義名分を以ってした攻撃を其れは色褪せたものとする、或いは、軍事目的変更を窺わせるには十分の、ブッシュ政権に因るイラク戦争への誘いは、ウラジミール プーチンをして相当の疑問符を抱かせて当然とする時間経過とはなったのだろう。自国ロシアの新ノーメンクラトゥーラと繋がる米英両国に因る、其れは恐ろしい陰謀である事は確かな様だ、と。

 弱体化したロシア経済の立て直しを優先させる事で、米英両国の不条理政策、所謂、強引とも言えるイラク国侵略に関わる攻撃開始を、身体を張って止めに入る事のなかったウラジミール プーチン、よしんば、諸々の情報分析から、米英両国に因る、其れはイラク攻撃そのものが作為を以ってする軍事攻撃である事が明確とはなっていても、自国ロシア経済はズタズタに寸断され、壊滅状態に晒されている中での分析、尚且つ、呼び水の導入が大量に無ければ、ロシア国経済そのものが再興を図れずに斃れ、イラク国平定に繋がる自国ロシアへの飛び火をも容易にさせる可能性が高いとの判断が、ウラジミール プーチンには下されていたからである。

 勿論、核兵器を持つ其の手で、意図さえすれば、米英両国に因るイラク国侵略を防ぐ事は出来たのであろうが、その決断時点で、ロシア国もまた永く暗い、あの忌まわしい農奴時代への退行を余儀なくさせるもの、此処は耐え忍び、国家社会正義を顕現する為にも、内政、取り分け、経済組織や制度に関わるどん詰まりに滞留する流れを清掃して一本化、分断され、尚且つ、不当に資源流出し続けるパイプの摘出と新たなパイプ導入に因る敷設し直しに、全力を尽くした方が早道、即ち、米英両国の不条理戦略を防ぐには近道であると帰結、ウラジミール プーチンは最善のそれは選択肢であると判断、”ウォーク ドント ラン”の黙視、成り行き任せを敢えて決断したのである。