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湿地帯中毒

2017-08-20

日記

今日もまた観察会でした。よく晴れて観察会日和でした。

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今日の発見はこのカワヨシノボリ!私の文献収集力が確かなら、この水系からは40年ぶりの確認となります。ものすごく改修されていて、すでに2種絶滅していることを確認している水系なので、生き残ってくれていて本当に良かったです。

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採れたのはこんな場所。一見良い感じですが20年ほど前にがっつりと川底を下げて、岩盤が露出するまで削っています。この地点の上流側に未改修区間があるので、そこで生き残った個体が、環境が回復するにつれて再定着したのではないかと思います。幼魚もたくさんいたので、安心です。このまま生きながらえて欲しいものです。

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オイカワ。おそろしく美しかったです。しかしもう8月も下旬。水温も30℃をこえていましたが、まだ繁殖期なんでしょうか・・

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残念なこともひとつ。オオクチバスです。ここは7年間毎年観察会をしているところで、これまで一回も見たことがありません。サイズがそろった3個体が不自然に小さな淀みにいたこと、この地点の上にダムもため池もなく、また下は魚道のない堰が連続すること、などから違法放流の可能性が高いものと考えられます。

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3個体のうち2個体は捕獲できたのですが、残り1個体には逃げられました。魚としては本当に完成度の高いかっこいい形で、緑金色の体色も大変美しいです。しかし。念のため申し添えておきますと、オオクチバスを生きたまま移動〜放流する行為は今の日本では「犯罪」です。違反した場合は「懲役3年以下もしくは罰金300万円以下」という重い罰則が科せられます(リンク)。皆さんご存知と思いますが、よろしくお願いします。

2017-08-19

日記

ポン氏のリクエストに応じて、沼でドジョウやザリガニなどを探す。

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やる気全開という感じではないものの、熱心に網をいれているポン氏。ヒメガムシはつかめないが、ギンヤンマのヤゴはつかめる模様。

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目的のドジョウはたくさん!1個体だけ自宅用に持ち帰りました。

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コガタノゲンゴロウの幼虫。

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オオミズムシ。

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帰りに近くの川で体と網を洗う。カマツカの小さいのがいました。小さいのは透明感があって美しいです。

論文

佐々木浩(2016)日本のカワウソはなぜ絶滅したのか.人間文化研究所年報,27:95-111.(PDF

タイトルのとおり、詳細なデータとともに絶滅までのカワウソの国内記録をまとめ、その絶滅理由を考察した文献です。読んでみればわかるとおり、最後まで残っていた愛媛県や高知県で、それでは当時どのような保全ができたのだろうかと、考えさせられます。この文献を読む限り、「普通の方法では」保全ができる状況にはなかったように思います。そして、激減していたのが明らかでありながら、本州や九州の状況はまともに記録すら残っておらず、今の価値観からすると異常なことに思えます。また、色々な事情を差し引いて、一湿地帯生物愛好家からすると、この絶滅の過程はあまりにも残念で悲しいです。

ご存じのとおり最近になって対馬でカワウソが再発見されました(リンク)。おそらく朝鮮半島などに分布するユーラシアカワウソが、自力で分布を広げて再定着しつつある状況である可能性が高いと思われますが、そうであれば当然保全対象になるでしょう。余談ですが、対馬ではかつてカワウソがいた記録があるものの、それがニホンカワウソであったかどうかは、実は確かなことがわかりません。個人的にはその生物相から、かつていたカワウソは、そもそもユーラシアカワウソだったと考えています(さらに余談ですがニホンカワウソとユーラシアカワウソは遺伝的に区別ができることが明らかにされています(リンク))。

今回の「対馬のカワウソ」再発見は、カワウソのみならず、今後の日本で生物多様性保全を進めていく上で、色々と考える材料を与えてくれる重要なテーマにもなってくるように思います。そして、そういうことを考えていく上でこの論文は必読です。

2017-08-18

日記

今日は観察会でした。毎年しているところですが、天気もよくて良かったです。

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オイカワ。だいぶ色は落ちてきていますが、美しさはさすが。

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ムギツク。わかりやすい美しさ。

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ツチフキ。ここでははじめて採りました。あまりツチフキ向きの環境ではないのですが、どこから来たのか。。

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イトモロコ。わりあいに好きな魚ですが地味なのでよく忘れられます。

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カマツカ。地球最高のかっこよさを誇るカマツカですが、今日はアピールに若干失敗しました・・

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ギンブナ。ナーフー。

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アリアケギバチ。今日の一番人気はこれ。カマツカのことはすべて吹き飛んだようです。かわいい。

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オヤニラミ。安定のかっこよさ。

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カジカ。これは上流地点。採れたり採れなかったりという感じですが、今日は採れました。

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オオヨシノボリ。例年カワヨシノボリしかいないのですが、今日は2地点で採れました。なんで?

2017-08-17

論文

Okawa, T., Kurita, Y., Kanno, K., Koyama, A., Onikura, N. (2016) Molecular analysis of the distributions of the invasive Asian clam, Corbicula fluminea (O.F. Müller, 1774), and threatened native clam, C. leana Prime, 1867, on Kyushu Island, Japan. Bio Invasions Records, 5:25–29.(PDF

たまには論文紹介。九州におけるタイワンシジミとマシジミの状況です。ご存じのとおりタイワンシジミは外来種、マシジミは在来種ですが、この2種は容易に交雑するために、外部形態からの同定は非常に困難です。この論文では九州21地点において採集したシジミ属の遺伝子の特徴を調べて、その状況を整理しています。結果として100%マシジミの遺伝子しか確認できなかった地点はわずか1地点であり、他の20地点ではタイワンシジミが侵入していることがわかりました。非常に残念です。一方で、唯一タイワンシジミが確認されなかった地点のマシジミは、遺伝子資源として非常に重要な個体群と思われますので、早急な保全対策や系統保存が必要です。

ところでタイワンシジミは中国大陸〜台湾に分布する外来種ですが、なんでこんなに広まっているのかというと、これは食用に大量に輸入されているためです。そして各家庭で購入されたシジミが直接放流されるという問題の他に、調理の際に洗った水の中に稚貝が含まれていると、それがそのまま流出して定着するということもあるようです。加えてシジミ属は変わった受精様式をもっており、精子と卵子の核は融合せずに卵子の核は卵外に放出され、精子由来の遺伝子のみで発生が進むということが知られています。悪いことにタイワンシジミはマシジミよりも精子量が多いため、頻繁に放出された精子をマシジミがどんどん取り込んでいくことで、遺伝的にすべてタイワンシジミとなる、という仕組みがあるようです。このあたりのことは増田・内山(2004)日本産淡水貝類図鑑2(ピーシーズ)に詳しいです。

ということでとにかく、九州在来のマシジミは絶滅寸前という状況であり、とはいえこの様子ではまだ各所に在来集団がかろうじて残っている可能性はあるので、安易に買ってきたシジミを放流しないよう、注意が必要です。

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福岡県内某所のシジミ属。この論文の結果からすると、おそらくこの個体もタイワンシジミとの交雑個体ということになります。

2017-08-16

日記

がっつりと夏休みでした。イケアではザリガニ祭りが開催されていたので、喜んで一匹購入して食べました。

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中国産の養殖アメリカザリガニですが、おいしいです。1匹150円くらい。

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食べ方パンフも配布されていて親切。ディルの香りが苦手でなければかなり美味しいと感じるでしょう。私は大好きな味でした。

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アメリカザリガニは当然代替品で、スウェーデンで本来食べられていたのはヨーロッパザリガニです。これは環境の悪化で激減してしまったので現在はかなり高級なんだそうですが、アメリカザリガニより圧倒的に美味しいらしいので、いつか食べてみたいものです。ちなみにこの看板のモデルはアメリカザリガニではないですね。本物のヨーロッパザリガニ?