民主党小沢一郎代表は3日、代表就任後初の外遊となる中国訪問に出発
する。4日には胡錦濤国家主席との会談も実現しそうだ。米国から帰国し
小泉純一郎首相と入れ替わるように中国を訪れることで、「首相との外
交スタンスの違いを際立たせたい」との思惑もある。過去の訪問で「日本
の領土保全に関し、中国側から干渉されるいわれはない」などと直言して
いた小沢氏。野党第一党の党首としての発言が注目される。今回の訪中は、
「中国側からの熱心な招請」で実現したという。中国側に、自民党総裁
を前に靖国神社問題を取り上げ、ポスト小泉を牽制したい思惑があるとの
見方がある。民主党内には「中国側に利用される」との慎重論もあった。

 

小沢氏個人の外交スタンスと言うよりは民主党としての外交スタンスを見
せるための訪中であろう。中国にとっても野党第一党の党首とは国家主席
が会談を行い、我が国の首相とは会談を行わないと言う差を見せることで、
改めて靖国神社の参拝中止を踏み絵として迫るつもりと思われる。何の意
図も無しに中国が訪中を招請するなど有り得ず、小沢代表も意図理解した
上でのこのこと出掛けていったのであるから、中国にとって耳の痛い話も
せねば筋が通らない。第一、我が国の政府も中国関係を重視していないわ
けではなく、そこに様々な問題が横たわっているおり、一筋縄ではいかな
いのが事実ではないか。靖国神社の参拝ばかりがクローズアップされがち
だが、たかが神社の参拝よりも東シナ海のガス田開発などの方がよっぽど
重要な懸案事項であろう。