北朝鮮を訪問中の山崎拓自民党前副総裁は12日夜、滞在先の平壌からイ
ンタビューに応じた。それによると山崎氏は、9日からの平壌滞在の間、
宋日昊日朝国交正常化担当大使や朝鮮労働党幹部と会談し、日朝平壌宣言
の有効性を確認。また、6カ国協議で核問題が解決し次第、同宣言の履行
に精力的に努力することで一致した。山崎氏は13日に平壌を離れ、北京
を経由して帰国する予定。

 

言わんこっちゃ無いと拉致問題を支持率の一つの基礎としてきた安倍政権
からの恨み節が聞こえてきそうだ。日朝平壌宣言の第2項には『日本側が
朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考え
る期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通
じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援す
る見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることがこ
の宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経
済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。』とある。

 

要は我が国は北朝鮮に植民地支配で迷惑をかけたのであるから援助をしろ
と言った内容としか読めないのだが、第4項の『双方は、北東アジア地域
の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。』
とある以上、北朝鮮日朝平壌宣言後にやってきたことを考えればこの宣
言自体の有効性などとうに存在していないのも同然ではないか。山崎氏の
行動は圧力だけでなく対話も必要との認識によるものらしいが、意義や成
果に疑問を持たざるを得ないのである。