もちろん冬も夏もオリンピックになど何の興味もない。マスコミの大騒ぎがうざいだけだ。
ただ今回は偶然TVで見た国母くんという選手の記者会見は面白かった。全然反省していない態度で「反省してまーっすっぅ」。これは良かった。
彼が制服?を着崩していたことが発端だったそうだが、そんなことはどうでも良いじゃないか。それを責めている奴は自分に一体どんな権利があると思っているんだろうか。服装など人それぞれの主観の問題じゃないか。
確かにボクも彼らスポーツ選手、それにJOCの役員がオリンピックに税金で参加しているのは気に入らない。それは税金がスポーツごときに使われるのに納得いかないからだ。だが国母くんに文句言っている奴は単に自分の主観を他人に押し付けているに過ぎない。そういう奴はオリンピックに税金が投入されていること、まして税金で制服まで特注されていることにもクレームを言ったことがあるのか。
だから再度開かれた会見では、オリンピックも普段の生活も税金に寄生しているスポーツ利権の塊、能面のような顔をした橋本聖子議員に連れられて、国母くんがあっさり謝っていたのは大変残念だった。ここで「こんなゴミみたいなオリンピック、出てやらねえよ」とでも啖呵切ってくれれば、本気で国母くんを応援したのに。
ま、これが卑近な例だ。日本と言うところは合理的な価値観や個人の多様性が尊重されたりするようなことは大変少ない国だとおもう。
これは、ブレア政権のバックボーンとなったという「第三の道」を書いたアンソニー・ギデンズと日本人学者の共著「日本の新たな第三の道」に書かれていることと見事に符合する。曰く
今 日本に求められているのは市場主義改革と福祉改革を同時に推進することである。
日本はイギリスのようなレッセ・フェール(自由放任主義)的な市場経済も経験していないし、完璧な福祉国家も経験していない。
市場主義と福祉国家主義の弊害を乗り越え、両者をより高い段階で統合する「第三の道」が欧米とはまったく異なる文脈において日本では重要な意味を持つ。
- 作者: アンソニー・ギデンズ,渡辺聰子
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市場主義に代表される合理性、個人の存在を尊重しようとする福祉、ともに日本ではまともに実現されたことはない。太平洋戦争前も戦争後も日本の支配的な価値観は集団主義と言うか、山本七平言うところの「空気」があるだけだ。
そういうところを定期的にわざわざ再確認させてくれるから、ボクはオリンピックやワールドカップに代表されるイベントが大嫌いなのだ。