ホラーウェイヴ〈02〉

ホラーウェイヴ (02) (Horror wave)

ホラーウェイヴ (02) (Horror wave)

『ホラーウェイヴ』02号〈ぶんか社
友成純一&鬼畜スペシャル」特集ということなので着手。
リチャード・レイモンがこんな所にひっそりといるし(笑)


・「秘密基地の夜」……リチャード・レイモン
 近所に、いかにも鈍くさい子が引っ越してくる。
 どうやら仲間に入れて欲しいようなのだが、どうにもうざったい。
 そこで、怖い目に遭わせて、二度と近づかせないようにするが……
 これは評価が難しい。
 鬼畜ではないよなぁ。むしろ、いい話?
 基本的にハッピーエンドだし。それとも、従わせるために敢えて……


・「地獄の遊園地」……友成純一
 『狂鬼降臨』にて既読。


・「グノーシス心中」……牧野修
 あらゆる人間から嫌われるために生まれた来た少年。
 その前に現れた、彼を精神的指導者として崇める男。
 二人は殺戮の旅を開始する。
 人体破壊が続くものの、ひじょうに怜悧な印象を残す作品。
 これは長篇で読みたかったかなぁ。


・「一卵性」……森奈津子
 双子の姉妹。
 以前はテレパシーのように心がつながっていたのだが、最近ではそれは切れていた。
 姉は、再び妹と一体化したいと思っているのだが、どうやら彼女に恋人ができたのが理由らしく……
 実は性同一障害ネタか? と思わせるほどひじょうに男らしい文章。
 最後の最後まで男にしか見えず、違和感が拭えなかった。


・「暖昧な微笑」……愛川晶
 中国系の金持ちに気に入られた元ホステス。
 いつも食事に誘われるが、ホテルはまだ許していなかった。
 しかし、彼女には、恋人を殺したときにある性癖が生まれ……
 普通。特に感想ないなぁ。 


・「フリークス・キラー」……村崎百郎
 障害者ばかりを狙った連続殺人鬼、フリークス・キラー。
 その遺族から、依頼を受けた復讐屋。
 彼は自身の電波系ネットワークを駆使して、フリークス・キラーを追う。
 電波描写があまりにステロタイプで、かなり白けた。


・「蚯蚓畸譚」……伊佐名鬼一郎
 バーで見知らぬ男に話しかけられる。
 彼は実の妹と愛し合っており、それもSMのようなプレイらしい。
 しかし、その末に……
 これはなかなかグロテスクでよいですよ。
 大昔の作品で、作家の詳細も不明らしいけど、
 てっきりフェイクで、東雅夫あたりが書いてるのかと思った。


「日本初のホラー小説専門誌」と銘打たれていたけど、この第二号で廃刊。