”アタ〜アン”編
●アディオケリーダ(Adio Querida) 『スペイン民謡』
▼母トキオケリーダからの連想。登録上は単にスペイン民謡、とだけ書かれていますが、名付け親さんがブログで「もっと深い深い意味合いも含まれています」とおっしゃっているので、多分そうなんでしょう。どんな意味合いが含まれているのかは分かりませんが・・・・・・。
●アドミラビリス(Admirabilis)『驚くべき』
▼ビッグウルフの全弟で、馬主は吉田和美氏。懐かしのアヌスミラビリスAnnus Mirabilisはラテン語で『驚くべき年』。初めて○ヌスとか言われた時は驚いたものでしたが、こっちはなんか普通の響きですね。
●アムス(Amusu)『人名』
▼・・・・・・ああ、びっくりした。アヌ○再来かと思った。・・・・・・で、アムスって誰?
●アフレルココロ(Afureru Kokoro)『溢れる心』
▼全姉にメゴヒメ。馬主は鹿児島の医療法人理事長で、そう聞くと、ホスピタリティに満ちた良い名前に思えなくも無きにしも非ず。
●アラタマヘイロー(Aratama Halo)『冠名+父名の一部』
▼馬主の荒木みち氏はほぼ年に1頭のペースで中央馬を持っておられますが、その大半は冠名+父名の一部という名前。ほぼ決まった繁殖の仔しか持たず、厩舎も布施正→新川恵で一貫。非常にドメスティックなスタンスを保ったまま、馬主生活30年、しかも2頭の重賞馬を所有というのも凄い。ちなみに、地方競馬では荒木徳義さんという方がアラタマという冠名を使ってらっしゃって、おそらくみち氏の縁者ではないかと。徳義氏はネット検索した限り先日亡くなられた元幕内双ツ龍の荒木氏(リンク先は四国新聞社の訃報記事・Googleキャッシュ)のことではないかと(室蘭出身とのことで馬に興味があってもおかしくありませんし)思ったんですが、記事によると少なくとも奥様の名前はみちさんではない様子。
<参考>アラタマ一族(左から生年・馬名・父名・中央での勝ち鞍など)
- 1978アラタマフイル(フイルモン)
- 1979アラタマビート(ネヴアービート)
- 1980アラタマタロー(タロー)
- 1982アラタマツイッグ(ツイツグ)
- 1984アラタマダンサー(ナイスダンサー)
- 1987(アセルティンエンジェルス)
●アラハ(Alhaja)『大切なもの(西)』
▼言葉の響き的には、逆に「何かの拍子で失くしちゃった!」みたいな雰囲気のような。
●アラバマ(Alabama)『アメリカの州名』
▼先週の新馬戦で2着。それにしても捻りの無い名前です。「アイダホ」や「ユタ」あたりよりはマシとしても、なんか脱力系。誰か対抗して「サイタマ」とか付けてくれないもんでしょうか。ちなみに馬主はタイヘイ牧場。
●アリマエンパイア(Arima Empire)『冠名+帝国』
●アリマエンプレス(Arima Empress)『馬主名+皇后』
●アリマサクセス(Arima Empire)『冠名+成功』
●アリマラムセス(Arima Empire)『馬主名+エジプトの建築王』
▼よくわかりませんがツーペア成立。それはいいんですが、”アリマ”は冠名なのか馬主名なのかはっきりしてほしいと思った。ラムセスでわざわざ建築王と銘打ってるのは、多分馬主さんが工務店の社長さんだからでしょう。
●アルヴィス(Allwise)『全能なるものを意味する女神(シドレスクサガ)』
▼JRA公式の馬名資料(PDFファイル)では「シドレスク」となってますが、これは誤植(もしくは申請ミス?)で正しくは「シドレクス」。ちなみにこの馬の母名Extraterrestralは、多分Extraterrestrial(『地球外の・宇宙の』『この世のものとは思えない』の意)の誤植(iの欠落)ではないかと思われます(ソースは無し)。さらに父名Mr.Greeleyは、その父がGone Westだったことから「若者よ西部を目指せ("Go West, young man, and grow up with the country.")」という名言で有名なシカゴニューヨーク・トリビューンの編集者Horace Greeleyにちなんだものですが、実はGreeley氏はその言葉を引用しただけで、実際の発言者は別人だとか(参照)。しかも、Mr.Greeley(馬)はキーンランド・ジュライセールの出身なんですが、当時のKeenland社の社長が偶然ビル・グリーリー氏(綴りはGreeleyではない)で、命名の際オーナーはビル氏に「綴りは違うけど名前を使わせてもらうよ」と断りを入れたそうです(キャロットクラブ会報のコラムより)。なんというか、やけに間違いや勘違いに縁のある馬のように思いますが、さてその走りやいかに。
●アルカンシェル(Arc en Ciel)『虹(仏)』
▼某有名バンドとほぼ同名ですが、冠詞を取ってちょっと読み方変えたら審査にも通るんですね。別にそれはまぁいいんですが、馬主が富美男企画つーのはどうなのよ。
●アルナスライン(Al Nasrain)『二羽の鷲(古代アラビア語)』
▼アルナス・ラインじゃなくてアル・ナスライン。父名アドマイヤベガからの連想でしょう。こと座のベガ(織姫)が『落ちる鷲』、わし座のアルタイル(彦星)が『飛翔する鷲』という意味で、昔の人はこのふたつをまとめて「二羽の鷲」と呼んだらしいので。そういやナスルエルアラブNasr El Arabっていう馬がいましたが、これは『アラブの鷲』の意ってことになるんでしょうか。前に取り上げたアステリオンもそうですが、よくもまぁこう上手く引っ掛けるものです。