うーん…… 『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』

西尾維新不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界講談社ノベルス

きみとぼくの壊れた世界』からスタートしたシリーズの4作目。ところで、この一連の作品は、「きみとぼく」シリーズだと思っていたのだけど、どうやら「世界」シリーズというのが正式らしい。ワールドシリーズと読むと野球っぽいですね。
今回のメインキャラクターは、『不気味で素朴な囲われた世界』に登場した串中弔士。前回の事件から14年の時が流れ、あろうことか教師となった彼は、再び連続殺人事件と遭遇する。語り手を勤めるのは、なんと「病院坂迷路」。
このシリーズは数多い西尾維新作品の中でもとくに好きな部類で、1巻にあたる『きみとぼくの壊れた世界』は、僕にとってベストオブベスト西尾維新といったところ。それだけにかなり期待していたのだけど、この4作目はあまりに地味かつあっさりしていて、おもしろいともおもしろくないとも言いがたい……というのは逃げかな、うん、つまり、そういう感じ。やはり、串中弔士と病院坂迷路では、カリスマ性、会話のノリのよさ、などなど様々な部分で櫃内様刻と病院坂黒猫のコンビに及ばない。
実質的に、串中弔士と病院坂迷路の2人しか出てこないお話で、両者とも淡々としたキャラなので盛り上がらないことはなはだしい。これはどう見てもわざとだし、じゃっかんトリックとも関係するところでもあるので仕方ないのかもしれないけど、生徒がひとりも出てこないというのは、やはりやりすぎだろう。
ええと、5作目は、病院坂黒猫の中学時代のお話になるようだ。

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