手術翌日


実家の朝は早い。平日なのでチビたちは学校。朝、7時過ぎにはもう、出掛けてしまっている。お母さんに何時ごろに病院に行くか聞くと 「今日は手術の翌日だから、いつもより早めに行きたなぁ」 と言うので、おじいちゃんの顔を見てから単身赴任先に帰る、というお兄ちゃんの車で、ひと足先に病院へ行ってもらった。
今日はお義姉さん、泊まりの仕事の日。ということは明日の朝は、上のチビのお弁当作りだ・・・。9時半ぐらいにお義姉さんが出掛けたので、そのあと私も病院へ。今朝、お母さんと帰りに温泉に入りに行く約束をしていたので、タオルやら何やらを準備して。病院のヤマボウシは、今日も太陽の光を浴びてキレイだ。


おじいちゃんは顔色も良く、元気だった。昨夜は痛みで眠れず、痛み止めの点滴をしてもらって寝たとのこと。朝ごはんは食べなかったそうだが、私が到着した時には、病院から出された蕎麦ではなく、うちから持って行ったパンを食べていた。 「ダメじゃん!」 と言うと、背中を少し起こした状態で蕎麦を食べるのは無理、と言うおじいちゃん。そうだよねぇ、ごもっとも。
久し振りに上体を起こしたのでめまいがしたそうだが、それでも顔色は良かった。


お昼ご飯を食べ終えたのを見届け、お母さんと病院を後にし、近くの温泉へ。 「やっぱり温泉はいいねぇ。おじいちゃんが入院してからずっと病院と家の往復ばかりだったから、本当に気持ちがいいわぁ」 とお母さん。久し振りに息抜きができたようだ。良かったねぇ。
温泉の食堂で遅いお昼ご飯を食べ、スーパーに寄って夕飯の買い物をし、家に帰った。


下のチビが手伝って、トンカツ作り。上のチビは明後日から始まるテストのため、お勉強するとかしないとか。自分の部屋だと誘惑が多いから、とリビングのテーブルでお勉強。スマホをいじったり、ウォークマンで音楽を聴いたり、そんなんでお勉強になるのかねぇ。
邪魔をしないように下のチビとコソコソ話をするのだが、楽しくて時々 「ぎゃははは!」 と笑っては 「シーッ!」 とふたりで顔を見合わせる、との繰り返し。周りも大変だぁ!


じぃばぁの部屋に行き、今日、病院でおじいちゃんに見せた写真たちをゆっくり眺めた。

手作りのプチアルバム 「チャグチャグ馬っこまつり」 と絵はがき、絵馬。おじいちゃんが骨折した一週間後は、チャグチャグ馬コの日。毎年、おじいちゃんのお兄さん家族からお誘いを受け、観に行くのを楽しみにしている。今年もお誘いを受け、従姉が車椅子まで準備してくれていて、じぃばぁはとても楽しみにしていた。おじちゃんちは馬コ行列のルートに近く、おばちゃんは踊りで参加、従兄はお御輿担ぎ、と賑やかな一日なんだよね。
こんなことになって行けなくなってしまったのだが、従姉が当日の写真を綴じて送ってきてくれた。きっと当日、すぐに写真にして作ってくれたプチアルバム。嬉しいねぇ。表紙の馬コの絵もカワイイ!


「10時過ぎ、馬コがメインストリートに来ました」
「今年は90頭だそうです」


毎年、おじいちゃんが眺めているのと同じように、順番に始まる写真。


「とちゅう、あばれ馬が一頭いて、見てる人たちがビビってました。神社出る前からだったらしい」 (マコちゃん情報)


うちのじぃばぁがマコちゃんと呼ぶ従兄の情報だとか。
うふふ、さすがお御輿マコちゃん!


まだまだ続く馬コ写真。で、最後のページ。
チャグチャグ馬コ踊りと、南部馬方節を踊った」
「あー、なぎでがったぁ。んでも今年は3曲踊ったぞ!!がんばったぞ!!あっつなぁー」


おばちゃん、病気で数年前に倒れたのだが、頑張って踊り復活!去年は1曲だけ踊ったんだったかなぁ。天気が良くて暑い日だったんだもんね。頑張ったねぇ。これを見て、おじいちゃんも元気が出たみたいだよ。有難いなぁ。

チャグチャグ馬コの日は、晴れる。今年は雨だろう、という年でも、なぜか晴れる。岩手の人なら誰でも知っている馬コの晴れ伝説。不思議だよねぇ。
来年は観に行けるといいね、おじいちゃん。