飼い犬にかまれ続けて

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「フルメタル・パニック! アナザー5 」感想

フルメタル・パニック!  アナザー5 (角川ファンタジア文庫)

フルメタル・パニック! アナザー5 (角川ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
社長のマオがテロで倒れ、民間軍事会社D.O.M.S.は激しく揺れ動く。
姿を見せぬ新首脳陣、経営方針の大転換に残されたアデリーナたちは戸惑いと苛立ちを隠せない。
会社を離れた市之瀬達哉もまた、陣代高校の卒業を間近に控え、自分自身の道に迷っていた。
やっと戻ってきた日常にも係わらず、彼の心を支配するのは拭いきれぬ違和感ばかり。
周囲とズレていく思考、埋められない家族や友人との差異。
そして、仲間から突きつけられた厳しい選択――。
苦悩と逡巡の末、達哉が下した大きな決断とは!?
会者定離のSFミリタリーアクション、垂直反転!!

達也が帰り着いた日常。
しかしそこは既に達也にとって居心地の良い場所ではなかった。

マオ社長が重体となり、流れるような運びでテロリストたちに会社を乗っ取られたD.O.M.S。その親玉がミハイロフたちなのだから達也たちがいられる訳がない。D.O.M.Sを辞め、日本に帰った達也を待っていたのは平和な日常への違和感。

「殺さなければ殺される」
本来のD.O.M.Sの目的とは違う『戦場』に立つ度に達也はその決断に迫られてきた。戦場にいれば常に付き纏う「人殺し」になる恐怖から逃げ出した達也を苛む日常に、悩み落ち込む。失敗なんか幾らでもするけれど、気持ちだけは真っ直ぐ前を向いていた達也の塞ぎ込む姿は確かに「らしく」ない。
達也が達也らしくない人生を歩もうとしていることに、異を唱えるのは幼馴染たち。達也の現実を知らないが故に言えることが少ないものの、健司と楓の行動は達也の背中を後押ししたのは間違いない。

幼馴染たちと、永遠に続くはずだった平和な日常を日本に置いてきた達也が目指す先はやはり戦場。D.O.M.Sを取り返すために集まった戦士たちの様は、かつてのミスリルと重なるところがある。ひとりの戦士として、アデリーナと肩を並べ戦場で踊る『ブレイズ・レイブン』であるが、ヘンタイ菊乃が混じると途端緊張感がなくなるのは気のせいか(笑)
達也たちに襲いかかった無人ASにはピンとくるものがあるけどやはり関わりがあるのかな。クララを社長に据え新D.O.M.Sは戦場の闇を狩るために動き出す。