12E12

12E12

ひたむきで純粋な想いをロックに込めて
 ステージ脇から現れたのは、まだ幼さの残る少年4人。演奏は上手いとは言い難くて感情ばかりが先走っていたけれど、とっても気持ちよく踊れた。メンバー全員が精一杯歌って全身で曲を表現している、その一生懸命さが伝わったから。心からの“楽しい”が伝わったから、見てるこっちも楽しくなった。初めてナナナインのライブを見た日のこと。    そして、このアルバムもそんなひたむきさにあふれている。穏やかなつぶやきソングも、疾走感あふれるロックナンバーも、ミドルテンポのポップソングもキラキラした光に満ちている。それは、グレープフルーツみたいな甘酸っぱさも持っているが“気恥ずかしい”とかじゃなくて、聴くと嬉しくなる歌。中学や高校の時の、もどかしいけれどワクワクする淡い恋や夢を持った自分に戻っていくような。素直でストレートな言葉が印象的なメロディにのってどんどんやってきて、気づけば一緒に口ずさんでしまう。  今年2月に出したマキシ「9tone」はオリコンインディーズチャート15位を記録し、3月にはアメリカツアーも成功。さらに今回のメジャー1stアルバムリリースと勢いに乗りまくっている彼らだが、願わくはその純粋さをずっと失いませんように。天然素材を持った少年のままでいて下さい。(A)

 ◇ 12E12(トゥエルブ・イー・トゥエルブ) NANANINE WARNER MUSIC JAPAN



Hullabaloo

Hullabaloo

「もう、くたくた」。トータルタイム140分にも及ぶミューズのライブ盤は、およそ3ピースバンドとは思えない重厚さ。“押して押して、押しまくる”、そして時折と流れるメロウなバラードが、嵐の後の晴れ間のようで。一大叙情詩です。(W)

 ◇ Hullabaloo SOUNDTRACK MUSE Universal International



coup d’Etat

coup d’Etat

けだるい声で吐き捨てるように歌うブリティッシュ系ロックサウンド。「手首」「遊体離脱」「チェインソウ」など、ギリギリまで追いつめられたタイトルや詞が、諦めとわずかな希望との葛藤を表している。キレイなメロディは時に残酷だ。(A)

 ◇ coupd'Etat Syrup16g COLUMBIA Recorss



Heathen Chemistry

Heathen Chemistry

JAPANツアーも控える優等生アーティスト、オアシス待望の5th。いつものように渇いたロックあり、叙情的なバラードありと、どの曲も偏差値が高いです。良くも悪くもビートルズ化してしまった彼らには、もうマンチェスター音楽の影はない。(W)

 ◇ Heathen Chemistry oasis Epic Records



Night Food

Night Food

本当のかっこ良さを感じる新アルバム。「くちばしにチェリー」はドラマ『濱マイク』の主題歌になるらしいが、映画も良かったのでメガヒットしそうだ。そして着メロになり、カラオケで歌われる…と考えたら寂しい気もする。それほどに良い。(S)

 ◇ NightFood EGO-WRAPPIN' 中納良恵 UNIVERSAL



鴨流

鴨流

京都出身、浴衣&裸足でステージを暴れ回る3ピースバンド・鴨川の1stアルバム。プッと吹き出すノー天気なメロコアから、昔懐かし叙情ロックまで、チャンネルがコロコロ変わるような全15曲はあっという間に過ぎる。笑って、泣いて。(A)

 ◇ 鴨流 鴨川 インディペンデントレーベル



カリフォルニア・フィーリン~ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ~選曲:ブライアン・ウィルソン

カリフォルニア・フィーリン~ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ~選曲:ブライアン・ウィルソン

夏バンドの元祖はやはりビーチ・ボーイズです。爽快なサウンド、美しいハーモニー、透明度の高い詞。行ったことはないけど、日本の海とスケールが違う西海岸を夢想させてくれます。B・ウィルソン自身選曲のベスト盤で、今年の夏は決まり。(W)

 ◇ California Feelin'/The Best of The Beach Boys 東芝EMI



Relax Oneself

Relax Oneself

ジャズやファンクなどのサウンドにラップが絡む、ニュータイプのクールでオシャレなHIPHOP。1曲ごとに様々なカラーを見せてくれるので、ミニアルバムとは思えないほどの充実感がある。ラップとムーディーなホーンの掛け合いは鳥肌モノ!(A)

 ◇ RelaxOneself 韻シスト インポート・ミュージック・サービス



Untouchables

Untouchables

「ヘビーじゃなく、重い」。そんな表現がピッタリのKoRnの5th。火付け役となったデス・メタル的なサウンドとは確実に違う、別次元のコア世界を手に入れた。前作、前々作に続いて全米1位を獲得する? みなさん病んでるんですね。(W)

 ◇ UNTOUCHABLES KoRn Epic Records