高森太郎の日記。

 ようこそ〜高森太郎でございます。
 ここはライトノベルを中心に読む本の虫で収入を時給換算すると某法律ぎりっぎり最底辺CADオペレータでヘタレチキン野郎の日記です。日記なので「だからどうした?」的な事も書いてありますが、よろしければおつきあいください。
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2010年10月29日(金曜日)

[][]火葬と土葬と宗教と文化について 火葬と土葬と宗教と文化についてを含むブックマーク

まず経緯からまとめから。

まず朝日新聞社の記事

日本のイスラム教徒永眠の地は 土葬の墓、住民ら反発という記事が載った。

これに対して「火葬が推奨されてきた経緯にほとんど触れられていない」などと感じる所があり、はてなブックマークにて

遺体は徐々に腐乱し病原体等が巣食うため感染症予防の衛生問題などもあり火葬が主流に。清塩、家族の49日間の謹慎等はその名残とか。今は適切な処理で問題ないだろが土葬が嫌とは感情以外に昔を知る層がいるのでは

はてなブックマークより引用

というコメントを書いた。

その後id:trivial氏が「人は死ねば土に還る」と題するエントリーを上げた。私はそれに対して

しかるべき場所がなく、適切に行えないないから問題になっていることを、しかるべき場所で適切に行えばいい、というのはちょっと違うような…。事実適切に行われなかったから感染症問題が存在した時代があったわけで

はてなブックマークより引用

とコメントした。

したところ、どうもこれがご理解いただけなかったようで

高森太郎氏の理解に苦しむブクマコメントについてというエントリーがついた。

読ませていただくと、どうも要点として

  • 前提知識の不足
  • メディア情報に対する姿勢
  • 日本語の性質(入れ替えると意味が変わる)への理解
  • 相互理解への考え方

などが原因で理解に苦しんでらっしゃるようなので、できる限り解説することにする。

土葬が火葬になった歴史的背景について(前提知識)

私の解説で分かっていただけるかどうか分かりませんが解説させていただきます。

まず前提知識として。元々土着宗教では土葬とされてきた日本で、何故今火葬されるようになったかという歴史から話さなければなりませんが、そのあたりは地域によって差があるので、事実、事実でないと言った意見を述べられてもおそらく偏りますから、私の地域の例としてお聞きください。

都会などでは明治政府が感染症を予防するために火葬を推奨し始めたのが始まりだとされていますが、自分の地域ではずっと下って昭和30から40年代にかけて、葬儀近代化運動というのが行われました。それはたとえば葬儀の返礼品やら供物やら祭壇やらを質素に簡素化し宗派などを超えて会葬者などのプロトコールを統一しようなど様々な分野に及びますが、一番の柱は公的火葬場による火葬化でした。

先日地元で山奥の寺に併設して火葬場を誘致しよう(結局もっと条件が良いところがあったそうで、ほかに行ってしまいましたが…)という動きがあった時に、たまたま機会があり、勉強会で一通りその時の資料なんかを読んだのですが、当時一番言われていたのは感染症の予防。父に聞いても当時は盛んにそこが宣伝されて、また仏教の僧侶の方まで巻き込んで、そういった話がなされたそうです。

ここでのポイントは、宗教関係者も巻き込まれて話が出来ていたこと。つまりここで宗教儀礼が火葬が基本であるという形で変更されているという点です。

この手の動きは全国でかなりあったようだとお聞きし、近年まで続いていると思われます。自分の地域でも数年前に廃止されるまで火葬の料金の一部を行政が補助する制度などがありましたし、東京都などの大都市部ではそもそも公衆衛生上の理由から土葬は原則禁止(原則、なのがミソで、神道の関係の敬虔な信者の方などで、きちんと墓地などが整っている場合は許可されるんだとか)ですし、もうほとんど火葬が行われなくなった地域ではこういった運動があったはずです。

当該の地域はもう火葬が定着した地域のようですから、私の地元と同じく、公衆衛生の観点から、新しく作られる土葬が出来る墓地は通常の墓地以上に、排水等を別にしなければならない、陥没などの危険がないように、面積がどうの、うんぬんなどの細かい規則だか通達だかがあったはずで(書籍でなにか公的な基準として読んだ覚えがありますが、ネットでは今検索しても出てこないですね…)、この点から土葬は近代的火葬場が整っている地域からすれば土葬を可能にする墓地を作るのは非常に手間がかかる事もあり、さらに言えばきちんとした土葬が出来るような仕組みがもう残されていない等の事情があり(というか最近では隣組等の互助組織による葬儀自体すたれつつありますが…)もうずいぶんと長い間土葬が行われていない可能性があります。

ここでのポイントは、すでに長い間行われていない点から、土葬に関する知識がほとんどなく、また最後に持っている層も、感染症などを理由に火葬に切り替える運動の最中の世代ではないか、つまり火葬が定着した地域では、すでに土葬に対する知識が火葬に切り替わった理由と言う点でしか残ってないのではないか、言うところです。

このあたりは地域土着の文化がありますから、一般的な書籍でももちろん良いのですが、その地域の図書館などにあるはずの郷土史などを参考に、お寺さんなんかに聞いてみるのが良いと思います。こういうのは書籍にせずに地元の人たちで語り継ぐと言うか、寺院や葬儀社、自治体職員の知識に頼ってつわたっている点があって、人に聞かずに調べるのは難しいですが、聞けばだいたい快く教えてくれます。(基本的にお坊さんは理屈を言うのが好きな人が多いので、快くどころか話が止まらなくなって大変なことになる事もありますが)

また、ある程度は、地域の行事や隣組がかかわる行事などに強制的に駆り出されれば、自然と耳にすることもあるかと思います。

もちろんこれは私の地域の話ですが、問題になっている地域も火葬が主流であるということから、だいたい事情は同じではないだろうかと推測します。

(その点で、朝日新聞記事に対するブックマークコメントにもありましたが、そもそも今でも土葬が主流の所に行って作ればいいだろうと言うのも正論だと思います)

朝日新聞記事「日本のイスラム教徒永眠の地は 土葬の墓、住民ら反発」に対するコメントの意図について

さて、以上の前提条件を基にした私のコメント

遺体は徐々に腐乱し病原体等が巣食うため感染症予防の衛生問題などもあり火葬が主流に。清塩、家族の49日間の謹慎等はその名残とか。今は適切な処理で問題ないだろが土葬が嫌とは感情以外に昔を知る層がいるのでは

はてなブックマークより引用

ですが、これは、朝日新聞社の記事に、この手の観点が一切抜けているだろう、という趣旨です。

id:trivial氏はこれを

元の記事のどこを見ても感染症などの衛生問題への懸念から住民が土葬に反対しているという記述がない

高森太郎氏の理解に苦しむブクマコメントについてより引用

とおっしゃっていますが、そういった観点が抜けているよという指摘なのだからなくて当然です。一般的には記事にないことが書かれていれば、それを補足あるいは指摘するものだと解釈していただけると思っていましたが、なるほどこういうふうに解釈する考え方があるのですね。

記事中では、専門的な部分や、歴史的な経緯、地元に土着である宗教儀礼がどうなっているか、公衆衛生上の理由などがほとんど出てこず、いきなり「困惑するイスラム教徒と感情で反対する地元住民」という形に単純化されてしまっています。個人的にあの記事が公正な視点を欠いていると思うのは、最後に都の条例に触れていることから、記事の執筆者がそのあたりを調べたのであろう点です。それを敢えて無視して記事としてセンセーショナルに煽るため単純化しているように感じられました。

そして、イスラム教徒側の主張を中心に記事を組み立てていることから、イスラム教徒側も単純に感情的反対であると考えていて、そういった歴史的経緯を踏まえた説得を行っていないのではないか、という事です。

つまり、イスラム教徒側は歴史的に感情論以外に昔を知り、昔と同じに戻る気かと心配しているのが根本にあるのに

「信仰は大切だと言う世論であり、他の宗教でも尊重すべきだ。かつて○○住職はみとめてくれた。同じように信仰の自由の観点から尊重してくれ」

とか言う説得をしているのではないか、そうではなく

「あなた方は衛生的な理由から、宗教儀礼まで変更して今の形を築いた。しかし我々の教義はそれを許さないから土葬が必要なのだ。あなた方が宗教儀典を変更した当時の理由は、現在では遺体を冷凍保存する方法など腐敗防止・感染症発生防止などの技術は格段に進化しているからかつてと同じではない。だからわれわれは土葬にしたい。われわれは土葬で今でも葬儀をしており、土葬に対する知識をきちんと持っているから適切に処理できる。もちろん法定伝染病などの場合は法にのっとって火葬も含め適切に処理する。後は土地の問題だけなのだ。分からない事は説明もする。だから理解してほしい」

とかそういう説得をするべきではないのか、と。昔を知るものがいるであろうから、今は適切に処理すれば問題ないということを示してきちんと説得すべきだと言う事です。

朝日新聞社の記事中にも「他宗教への理解がない」と言うコメントがありましたが、この記事のように理解がない住民を一方的に感情を基にしているとして置き、イスラム教徒側が困惑している、と言った観点から抜け出せないという事では、他宗教の理解などなく、永遠に平行線のままでしょう。理解していただくために説明するほかないだろうと思います。


メディアの記事を読む時の考え方

id:trivial氏は

元の記事のどこを見ても感染症などの衛生問題への懸念から住民が土葬に反対しているという記述がない

高森太郎氏の理解に苦しむブクマコメントについてより引用

と書いていらっしゃいますが、これは「記者が書いてないことは事実にはない」という考え方なのでしょうか。

私は基本的にそういう考え方はいたしません。

これは新聞だけではなく、メディア全般に言える事原則論ですが、記事や情報そのものを鵜呑みにするのではなく、自分の持っている知識と照らし合わせながら読むのは非常に大切なことだという考え方に立っているからです。メディアリテラシーと言う言葉が言われて久しいですが、完全な知識を持つことは不可能であるにしても、自分の知識と照らし合わせて読むことは非常に重要だと考えます。

そういう点で、私は自分が持つ知識の中から、そんな単純な問題ではないし、おそらくこの記事は射るべき的を外していると解釈しました。

おそらくこのあたりの考え方が理解できていらっしゃらないので、苦しんでいるのでしょうか。

日本語の性質について

id:trivial氏は

「今は適切な処理で問題ない」のなら、「昔を知る層がい」て「土葬が嫌」と思ったとしても、それは「感情以外」の何ものでもない

高森太郎氏の理解に苦しむブクマコメントについてより引用

と書いていらっしゃいますが、これはもっと素直に読んでください。

日本語は(私は語学は駄目なのでわかりませんが、おそらく多くの言語はそうだと思います)順番を入れ替えると意味が変わってしまうので、順番を入れ替えて理解しようとしても、それは意味が違っていますから、当然意味が通らず「理解に苦しむ」のではないかと思います。

ここは素直に「今は適切な処理で問題ないだろが土葬が嫌とは感情以外に昔を知る層がいるのでは」と読んでください。ブックマークコメントに含めるため圧縮していますが、これを解きほぐすと

「今は適切な処理で問題ないだろうが、土葬を嫌がっている感情の問題だけではなく、昔を知る層がいるのだろう」

さらに伸ばすと

「今は適切な処理で問題はないだろが、土葬をやがっている層の中には、感情の問題ではなく、昔を知る層がいるのではないだろうか」

ということです。

これを「今は適切な処理で問題がないが、昔を知る層がいて土葬がいやだから、それは感情以外の何物でもない」などと言うのは明らかに意味が変わってしまいますね。

意味が変わっていますし、日本語としても若干おかしいですから、理解に苦しむのは当然ではないでしょうか。

相互理解への考え方

最後に、私には、id:trivial氏の記事も偏っているように思えてなりません。

何故か。

それは住民側の宗教観などを「感情論」として、イスラム教徒側を「宗教上の理由」として無条件に譲れないものとしているけれども、歴史的経緯から宗教儀礼が変更された住民側の考え方はそれも一つの宗教観であり、イスラム教徒側もある線で合理的な所に寄っていないという点で「感情論」であると言えるのに、それらを相互理解と言う観点からではなく、朝日新聞の記事のように「困惑するイスラム教徒と感情で反対する地元住民」という形に固定してして論を出しているということです。

当然ながらそれでは相互理解は無理ですよね。

日本人は無宗教と良く言われますが、大半の人はそれが宗教的意味がある行動だと気づかずに行動する節があります。ですが、日常に示す行為には宗教を根に持つ行動や摂理がたくさんあります。

日本人はよく、他に比較できる宗教観が身近にないためそれが宗教を基にしているということを自覚しないと言われます。外国から見るとそれは宗教的行動であるという事がたくさんあるとのに、それを宗教系の行動と自覚していないのだと。私も専門的に勉強したことはありませんが、習慣や価値観の出所と、それに対する人々の反応などを見るに、日本は無宗教の国ではないと思います。だた単に一神教ではないことと、近代になって大きな宗教対立に巻き込まれたことないから、宗教行事に対する許容度が高いだけで。

それによってよく、そうした宗教観の考え方の違いを、単なる文化の対立あるいは古い考え方と新し国際的考え方の対立といった形に安易に変換したがりますが、それらも立派に宗教であるということを自覚すべきです。

その点での、id:trivial氏の

住民が土葬に反対するような場所は「しかるべき場所」ではなく、住民の嫌悪感を払拭しなければ「適切に行う」ことにはならない、と言えるかもしれない。※

※が、できればそのような観点は取りたくないものだと思う

高森太郎氏の理解に苦しむブクマコメントについてより引用

は非常に無神経な発言だと思います。「しかるべき場所」という条件に住民の理解を入れないというのは「法的に問題なければ何をやってもよい」と言っているのと同じような発言です。宗教とはそういうものなのでしょうか。そしてそこで「イスラム法に乗っ取ればこれは問題ない」「墓埋法は火葬後の埋葬について定めた法律であり、それ以外の埋葬を規制したものではない」などとして強行して対立をする事もできたはずですが、イスラム教徒団体はそういう道を選ばなかった。それはなぜか。

イスラムの方々は日本の中で別の宗教として生きてきたわけで、日本は決して無宗教ではないことを知っていて、自分が尊重されたければ相手も尊重しなければならない、ということを理解しているからではないでしょうか?そして困っているということをアピールしながらも、宗教的文化的に譲れない考え方を解きほぐして少しずつお互いに理解をしあうことでないと、無用な対立を生んでしまうことを知っているからではないですか。

説得の方向は違うのではないかと思いますが、説得するしか解決は難しく「住民の理解は得られてないが建設を強行する」では解決しない事は十分知っていると思います。

id:trivial氏はこのイスラム教徒団体の行動を全く無視した発言に思えます。「理解」を「嫌悪感」という一点のみに集約して話をしているところも、偏りがあるように思えてなりません。

また

合理的に考えれば何でもないこと

人は死ねば土に還るより引用

とおっしゃっていますが、これはそのままイスラム教徒の方々にも言える事です。

合理的という点にすべて帰するのであれば、近代的遺体の集中処理施設である火葬場という施設が整っている以上、火葬が効率的です。極論高温で焼却してしまえば、ただの灰と骨ですから非常に清潔ですし、腐敗もしませんし、人一人が抱えられるほどコンパクトです。場合によってはさらに高温で処理すれば、すべて粉状にすることも可能でしょう。

しかし、そういう問題ではないからたくさんの人が困っています。また習慣とは怖いものだ、と言ったことで片づけられる問題でもありません。それをこういう論点から極論的に片づけるのは、まして片方は宗教、片方は感情、片方は宗教理論的、片方は非合理的、等と作為的に選択しては問題の本質を見誤ってしまっては、「ちょっと違う」としか言いようがありません。

ROYGBROYGB 2010/10/29 18:56 “東京都などの大都市部ではそもそも公衆衛生上の理由から火葬は原則禁止”の部分は、火葬ではなく土葬が原則禁止ではないでしょうか。

TakamoriTarouTakamoriTarou 2010/10/29 18:59 id:ROYGB 様
その通りですね。いやお恥ずかしいです…。
修正しておきます。ありがとうございました。

2009年07月19日(日曜日)

[][]高速道路料金を無料化すべきと考える理由を説明してみる。 高速道路料金を無料化すべきと考える理由を説明してみる。を含むブックマーク

最近、高速道路料金を無料化すべき、と言う話が政治的に盛り上がっているそうだ。昔から「高速道路建設の費用が回収できた後は無料化する」という話*1を聞かされて育った人間からすると、ずいぶん時間がかかったなという気がするのだが、どうもそうではない人が多いらしい。

そこでいろいろと調べたり考えたりしたのだが、その結果自分は高速道路は無料化すべきと考えるようになった。以下にその理由をだらだらと思考垂れ流しで書いてみる。

なお、これを書くきっかけになったエントリーとはてなブックマークのコメントを示しておく。

お盆の高速道路大渋滞に期待するid:trivial

私はこれに対して

「休日だけでなく当たり前になってしまえば落ち着くと思うのだが。無料化まで同列批判とは道路交通網を常に意識しなくても生きていける人はいいなと思いました。木の実を取るだけなら根を意識する必要はないもんね」

というブックマークコメントをつけた。(後で変えるかもしれなかったので念のため魚拓をとってある)

そうしたところid:Thsc氏から

「無料も1000円も同罪。公共交通は壊滅、物流インフラたる高速道を頭の弱い自家用車厨が詰まらせる。時限より恒久がましではある。恒久なら交通体系再編が来ざるを得ない。時限なら放り出して惨状」

というコメントをいただいた。

これをきっかけにして、なぜ高速道路を無料化すべきと考え、それが休日最高千円の割引制度と異なると考えるかについて、書いてみます。

id:trivial氏のエントリーへつけたブックマークコメントを説明する

まずは、ブックマークコメントをどうしてあのようにしたか、と言うことを説明してから、本題に入る。

先にあげたid:trivial氏のエントリーは明らかに皮肉ったものであったので、こちらも同じく皮肉った口調になっていることをまず前提として。

私はid:trivial氏のエントリーを以下のように読んだ。

  1. 土日の高速道路料金割引は各方面に影響を与えている。
  2. 高速道路本体にも渋滞が発生するなど悪影響が出ており、トラックの運送、高速バスなどに影響が出ている
  3. この施策は非難されるべきだ。
  4. この施策をした自民党は非難すべきなのに、非難すべき民主党はこれを放置するばかりか高速道路料金を原則無料化しようとしておりこれでは悪化するだけだ。
  5. ならばいっそ大渋滞を引き起こして思い知らさせてやればよいのではないか。(と言う皮肉)

これはあくまでも自分が「こう読んだ」という思考の説明だけであって、元記事を要約したものではないので注意してほしい。つまり自分が誤読してる可能性もあるので、元記事に書かれていることは元記事を読んでいただきたい。

さて、自分は1,2,3には同意である。ただ、4については同意できない。(5については皮肉であると思われるので同意も何もないと思う)

自分はこの理論を読んで、猛烈に違和感を感じた。

  • 休日高速道路料金の割引と、高速道路無料化論を何故同列に扱うのか
  • 「目先の利便性を求めるばかりではいけない」と言う教訓がなぜ高速道路無料化に適用される?

そこでそれをコメントに載せた。

「休日だけでなく当たり前になってしまえば落ち着くと思うのだが。無料化まで同列批判とは道路交通網を常に意識しなくても生きていける人はいいなと思いました。木の実を取るだけなら根を意識する必要はないもんね」

つまり

  • 完全無料化になれば、その期間に合わせる必要がなくなるので、無料化を同列批判するのはおかしい。
  • メリットを享受しているだけならば、その根っこにある部分を意識しないでする必要はないのだろう
  • 道路交通網を常に意識し、電車等他の選択肢がない人間からすればうらやましい

と言うことである。

なお、

このコメントに対してid:Thsc氏から

「無料も1000円も同罪。公共交通は壊滅、物流インフラたる高速道を頭の弱い自家用車厨が詰まらせる。時限より恒久がましではある。恒久なら交通体系再編が来ざるを得ない。時限なら放り出して惨状」

と言うコメントを頂いた。

そこで、このエントリーを書いている訳である。

休日1000円をまとめて考えてみる

まず、休日1000円を整理しよう。

よい影響

  • 一般の自動車が安い値段で高速道路を利用できるようになった。(トラックなどは対象外)
  • 消費が刺激され、観光などに出かける人が増えた。

悪影響

  • 渋滞が増大。
    • その影響でトラック物流や高速バスに影響が出た
  • 自動車移動を促進してしまい、環境問題に逆行
  • 自動車移動のコストが下がった事による、既存の鉄道、フェリー等への影響
  • 高速道路の有無、距離による明暗が強い。

と言ったところが多くいわれるところだろうか。

まずよい影響だが、まず安くなったと言うことが第一だろう。自分の上司は遠隔地から単身赴任しているが、前より何回も帰れるようになったと喜んでいたとかは、素直によかったと思うし、そういった恩恵をストレートに受けた人は多いのではないか。

とは言え、全くインドア派で仕事以外で高速にのってどこかに行くということをしないものぐさな自分にはほとんど恩恵に預かることはできず、被害ばかり*2なのだが、必要に迫られて高速道路を利用する人にとっては固定費の削減になるのだろうし、それ自体はよい事だろうと思う。*3

次に消費が刺激され、観光に出かける人が増えた、と言われること。これはそれなりに効果があったと言う事を大本営が発表している。ただ、個人的にはこれは微妙かと思う。自分の近くのところでは、今年大きなお祭りがあったのだが、それをまとめたところによると、確かに人はたくさん来たけど、おみやげ屋さんとかはその割りにあんまり儲からなかったらしい。土日の内に帰らないと高速料金が安くならないからなどというどうしようもない理由で、宿泊日数が減ったと言う話もある。

まぁだからといって全く人が来なかったらさらに効果がなかったわけで、その点では減少率を最小限に抑えることができたと言えるだろう。

次に悪影響について考えてみる。

渋滞が増大した。これは間違いない。当たり前である。それまで道路公団・高速道路会社が取ってきた、空いている時間に車を誘導するための施策を無視して、たくさん車が通る時の値段を上げようなどという策をするからこうなるのは当然だ。その影響で休日はトラック物流には影響が出たみたいだし、高速バスは休日は正常運行ができなくなっているだろう。

高速道路が自動車移動を促進してしまったことも関係しているだろう。自動車はできるだけやめて、公共交通機関に乗るように、という運動が主に環境問題をタネにしてよく言われているが、それと逆行する方向だ。

そして自動車移動のコストが下がった事…つまり自動車交通の競争力が増加したために、既存の鉄道やフェリー等が利益を上げられなくなっているという話だ。

後は高速道路の有無、距離によるお得感の違いからだろうか、前はほどほどに分散していたのが集中しやすくなって、明暗がくっきり出てしまった事があるだろう。これは結構深刻なのだがあまり報道されない。

高速道路原則無料のどこを重視すると考えるか

まず自分が言う高速道路無料化は

  • すべての自動車が原則的に高速道路を無料で利用できるようになる。(一般自動車も、大型自動車も)
  • ただし恒常的な渋滞がある首都高・都市高速はのぞく

と言う事である。*4おそらくid:trivial氏も民主党の名前を出しているので、これを念頭に置いているものと考える。

高速道路を無料化するとどうなるか。

一般道路と、高速道路を今ほど区別する必要が無くなる。そして、高速道路は長距離を走るためのものではなくなるのである。

今短距離の物流には高速道路は用いられないことが多い。たとえば隣の市に行く、隣の町に行くのに、高速道路料金を払って行うとコストが大きすぎるし、乗り込むには高速道路に乗り降りするための入り口が限られていることもあって気軽に使えない。

そのため目的地まで一直線に行くだけでも、専用の歩車分離が完全になされた専用道路である高速道路があるのに、人も何もごちゃまぜで歩いている一般道を通って行く人がほとんどだろう*5

さらに言えば、今の地方の道路では、国道等一般の幹線道のバイパスとして高速道路を使うことができないので、ほぼ併走するだけの一般道のバイパスへの投資が行われていたりする。*6

無料化すると、それが是正される。つまり、地域内の道路計画の中により積極的に呼び出すことができるようになる。

たとえば隣の町、隣の市に行く自動車は、すでにある整備された道路を日常的に利用できるようになる。すると、自動車専用道路であるので、既存の一般国道からは、通過するだけの車を減らすことができるようになる。それだけで負荷の分散になるだろう。より設備の整った方を利用してもらうことで、既存の道路の騒音や安全性なども強化される。

また無料化すれば、インターチェンジの設置コスト・維持コストは大幅に減るだろう。そのため今よりも高速道路にアクセスする場所は増やすことができる。すると、今よりもずっと短距離で使いやすくなるはずだ。

そして、そうすることによって本当に需要のある高速道路は今よりも混雑してくるはず。そうすれば、今まで高速道路に役割を委譲し、一般道のバイパスに使われるはずだった予算をこちらに持ってきて、高速道路に集中的に強化するという選択肢が現実的に可能になる。*7

自分はこれを最大のメリットだと考えている。

そのほかにもちろん高速道路無料化のメリットはあるが、自分はこれだけでもすぐに実施すべきだと思っている。これだけで地方の都市計画は全く変わってくるだろう。これを、新たに道を作れと言うのではなく、ましてや新交通システムを整備しろなどという非現実的な机上論を言うのではなく、既存のインフラの持つポテンシャルを解放するだけでできるのならば、すべきだと思う。

休日最高千円と、無料化の違い

あげたメリットだけで、高速道路最高千円の政策と、高速道路無料化論は全く違うとする考え方が分かっていただけているとは思うが、一つ一つどうして休日千円と、無料化が違うもであるか考えるかという事を説明する。

高速道路料金最高千円よい影響としてあげた

  • 消費が刺激され、観光などに出かける人が増えた。

これは起こらなくなるだろう。初めのうちは増えるかも知れないが、日常になってしまえばほとんど関係ない。特別だと思うから皆集中するのである。バーゲンはたまにあるからいいのであって、毎日バーゲン価格では結局需要は同じになるだろう。

しかし、悪影響としてあげたうち

  • 渋滞が増大。
    • その影響でトラック物流や高速バスに影響が出た

これについては回避が可能であると考える。

まず、既存の高速道路料金最高千円は、あれは道路政策ではなく「景気対策」であった。その点で土日祝日に限ったというのは飢餓感を煽るというか「当たり前にしてしまわない」と言う点では有効だったのかも知れないが、土日祝日にしたというのは、そのほかに分散するはずだった需要をそこに集めてしまったという点で、自分も含め、アレを交通政策として評価する人はほとんどいないと思う。

道路公団や高速道路会社では、深夜早朝割り引き、通勤時間帯割引など、混雑しない時間帯を中心に割引をしてるのだが、それらは交通量を調節する役割も期待していると思う。それに対し、高速道路土日祝日最高千円は、それに逆行している。

しかし、これが常に無料になり、一般道の延長線上で高速道路が運用されるようになるとどうなるか。状況は全く異なると思う。

ポイントは、渋滞は誰もが嫌いであると言うことがある。

渋滞を目的に、わざわざ渋滞に入りに行き、渋滞を酷くする行動を取ろうとする人は誰もいない。渋滞があっても同じ行動をとり続けるものばかりであると仮定するのはおかしい。ただ、そうしなければならない人がたくさんいるから、そうなってしまうだけであって。

今は、高速道路と一般道路のアクセスするポイントは、非常に限られているが、無料化して一般道路の延長線上で高速道路が運用されるようになると今よりもたくさん、一般道に逃げられるようになる。そうすればみな一般道に逃げるようになり稼働率があがり分散されるから、今のように高速道路上に閉じこめてしまっている状態よりはよほどよいのではないか。*8

もちろん、それでも自動車の絶対量は増える可能性がある。故に、現在でもそう言う人は多いだろうが「渋滞が起きるから、車はやめよう」と言った事にもなるだろう。電車や航空機といった別の交通手段に振り替えていくはずだ。

そのあたりはそれぞれが確実な行動を取ることによって、分散されていくだろう。はじめの内は混乱もあるかも知れないが、それもすぐに今よりよい形で収まるところに収まっていくだろう。この点も、うまくバランスが取れるように社会が形を変えるまで続くことはない、混乱期だけで終わってしまうような休日最大千円の割引制度とは異なる点だ。

つまり一過性の「車でお出かけしよう」という行動を煽っている不況対策の政策と、長期的な視点で交通網を見ていく高速道路無料化は目的と手段も異なるのだ。


そのほかの、

  • 自動車移動を促進してしまい、環境問題に逆行

これについては、既存の自動車交通をさらに促進することで、経済の流れをよくしてやろうという視点で話をしているのだから、増える可能性は高い。自動車交通の競争力を高めることになるのだから。しかし個人的には、自動車を不便にしてやることで、環境問題を無くそうなどと言うのは、自動車交通でしかすることのできない人を考慮していないと思うし、地方の、自動車がなければ成り立たない一般の人の足や、都市部の地方からの自動車による物流に支えられている部分について自覚が足りないと思う。それらは不便にしたところで、無くすことはできないのだから、それらの人々に社会の負担を押しつけているだけの事だ。

ゴミの収集を行っている人に「お前はゴミを扱っているくさい奴だ」と言ったところで、その仕事を欲しているのは社会である。それと同じく、なくすことができない部分に対してそれを一方的に悪者のように扱い、負担を押しつけようとするなどは、自分はとても賛成できない。

また、既存のリソースを活用することで、新たに何かを作らず(たとえば、新交通システムを作ることで同じ効果を得ようとするのではなく)可能であるならば、その点でも環境問題に配慮されていると言えると思う。

最後に。これは賛否両論あるだろうが

  • 自動車移動のコストが下がった事による、既存の鉄道、フェリー等への影響

についてである。

これについては、先ほど述べたとおり、一過性の「車でお出かけしよう」という行動を煽っている不況対策の政策であるから、急速に出過ぎているので、無料化し当たり前になれば今より落ち着くだろうと思う。しかし、経営環境が悪化することは間違いない。何しろ、ライバルが大幅に値下げをしてきたのだ。

しかしここであえて言いたい。完全に同じ機能を提供している二つの手段のうち、片方がつぶれるならば、もう、役目を終えたのではと。特に言いたいのはカーフェリーだ。

昔、まだ川に橋が架からなかった時代には、渡し船というものがあり、人々を川の対岸まで送り届ける手段があったという。大型の車を乗せられるものもあった。しかし、そこに橋ができると、その船を利用しなくても反対側まで行けるようになったので、役目を終えて消えていった。カーフェリーはまさにそうではないのだろうか。

他に便利な手段があるのに、カーフェリーを残しておけ、というのは、二重に手段を残しておく事になる。立派な橋を造ったが、隣にあるそれよりも不便な交通手段を保護するために、橋は有料化してカーフェリーの採算が合うレベルまでの高い値段で据え置きます、なんてことを合理的だと評価することは、私にはできない。弱小商店の隣に大手コンビニができたからといって、弱小商店保護のためにコンビニの値段を上げておけというようなもので、フェリーで十分ならば橋など造らなければよかったのだし、橋が必要ならばカーフェリーには何か橋と戦う術を身につけてもらうしかない。

もちろん、完全に同じ機能を提供できず、なおかつ社会的に残しておかなければならない場合…たとえば、橋がわたっていない場所へ連絡するための航路もあり、そちらを維持しなければならない場合などは、は話が別だ出あることは言うまでもない。

ただ、この場合でも、競合品の能力をそぐなどと言う間接的な方法はとるべきではないと思う。ねらったところ意外に不要な影響を与えてしまうからだ。よって、別枠で直接的に保護すべきだ。たとえば補助金を出すとか、それそのものの経営を支援するわけである。これは地方のバス路線や、鉄道路線などですでに行われていることだ。特別な事ではない。


鉄道についても同じ事が言える。ただ、鉄道については鉄道のメリットが非常に大きいので、ライバルが強くなる分、考えなければならなくなるだろうが、それほど重大なダメージを負うことはないのではと考えている。というか、その程度でつぶれるようなものではないだろう。一過性の「車でお出かけしよう」という高度を煽っている不況対策の政策であるから、急速に出過ぎているので、無料化し当たり前になれば今より落ち着くだろうと思う。

なにしろ今の時点で、高速バスという強力なライバルがいるのにも関わらず、それよりも鉄道を選ぶ人が多いのだから。重視しているメリットというか客層が違う。

安いことを重視する客は、今でも無料化に便利になった自動車交通を利用するようになるだろうし、時間正確に早く確実に届く人は鉄道を利用することだろう。


その点で

  • 高速道路の有無、距離による明暗が強い。

についても、同じであろう。ただ、立地の問題については、そうなってしまっているとしか言えない。この点で自分は、地方への交通網の整備を支持する立場で、できる限り機会が均等になるよう、合理的な範囲で交通網を整備すべきだということ以外に、考えを持たない。

これになると都市部と地方の対立や、インフラはいるんだ、いらないんだのようななんの意味もない実のない話になるのであるが、少なくとも、無料化され、地域の交通網に結びついていくような形が取れれば、何か違う道も開けるのではないか。たといえば準高速道路のような、コストを抑えた高速道路といった事はできないだろうか。

ただ、こちらについては無料化し当たり前になれば、つまり今の「休日最高千円」のように、長距離になればなるほどお得になると言う、都市部から離れた地方経済を救済することを主眼においた制度でなければ、都市に近い観光地で客がこなくなり、遠い方が盛況などというゆがんだ需要は是正されるだろう。

まとめ

簡単にまとめてみる。

  • 休日最高千円は、交通政策としてはよい政策ではない。
  • 高速道路無料化は、高速道路の位置づけが変わる点が最大のメリットであると考える。
  • 休日最高千円と、高速道路無料化は、経済政策と交通政策という点で目的が異なる。故に最高千円と高速道路無料化を同列に扱うのは間違いではないか。故に前者の政策の欠点を根拠に、後者を批判することは見当違い。

という感じである。

なお、ここであえて取り上げていないのは「利用しない人間まで負担しなければならないのは不公平である」「受益者負担の原則はどこ言った」と言った話である。ここは税制論になっていくるのであまり深入りすると泥沼なのだが、個人的には全体で負担すべき事柄を扱うのが国家・政府・行政であると思う。なのでこの論から先、費用対効果の話になるだろう。そうなるともう自分がどうこうできるレベルではないし、この手の費用対効果の話で仮定して話をしても意味がないので何とも言えない。

[][]id:trivial氏へ返事というか私信的な何か id:trivial氏へ返事というか私信的な何かを含むブックマーク

上の記事を書き終わって読んでいたところ、すでに元記事となったid:trivial氏が新しいエントリー高速道路料金引き下げの帰結としての「再編」とは?をアップされていたので、それをふまえて私信的お返事風で書いてみます。

お盆の高速道路大渋滞に期待する - 一本足の蛸で指摘した高速道路料金割引の問題点は2点。

高速道路割引の問題点ではなく、私がブックマークのコメントで話題にしたのは「休日最高千円」と「高速道路無料」が同じとして、無配慮に扱われているこです。

  1. それまでフェリーや鉄道などを用いていた人が高速道路に切り替えることにより、公共交通機関が衰退すること。
  2. 高速道路を利用する自家用車が増えることにより、高速バスやトラックなどの円滑な運行が阻害されること。

この2つの問題点は料金最高1000円という現に実施されている政策でも、無料化でも定性的には変わらないはず

単純に高速道路を無料化すれば、定性的に同じかも知れませんが、単純に無料化するという話ではありませんし、その政策が目指すねらいも異なりますから、その性質自体異なると考えます。

民主党も単純に無料化するつもりはないようで、出口を増やすだとかいった話をしているようです。(古い資料しか見つからなかったのですが民主党による「高速道路無料化」政策に関するQ&Aでその考えがわかります。*9 )

その再編が現状よりよい交通網の実現という形で訪れるのか、それとも一旦崩れた交通需給バランスを建て直すだけのものになるのかはわからない。

単純に無料化すれば、単に需要バランスが変化するだけで終わるでしょうが、もしその場合だけでも、私は無料化は重要だと思います。何故かと言えば、交通はそれ自体は手段でありインフラで、人の移動、物資の移動を柔軟に行えるのは今のところ道路交通網意外にはありませんから、今そこにある問題点を解決するには有効だと思います。

ただ、目先の渋滞対策のためにバイパス道路の新設や車線増を安直に行うのはやめてもらいたいと思う。長い目でみれば人口減少による交通需要の減少が見込まれるので、過大投資になる恐れがあるからだ。

全く同意です。あえて付け加えさせていただくと、同じようにそのほかの移動手段も安易に投資することは控えていただきたいと思います。高速道路無料化とは、既存のインフラの能力を引きす行為ですから、その点でも優れていると思うのですが。

高速道路を巡る問題にも、交通需要マネジメントやモビリティ・マネジメントの考え方を導入する必要があるのではないか。もちろん、都市内や都市近郊の近距離交通を主要な対象とした施策がそのまま高速道路にも適用可能だ、などと言ってしまうと楽天的に過ぎるだろう。

そうですね。高速道路無料化の主戦場は地方ですから、それらの考え方が全く役に立たないとは言いませんが、特に交通需要マネジメントは、机上論ならともかく、何らかの革命が起きなければ、今の現状地方に適用できるようにはならないでしょう。モビリティ・マネジメントそういった論を適用して、改革して行くには、少なくとも数十年という単位の年月が必要だと考えます。しかし、我々の人生は限られているのですから、私は現時的な考えをしたいと思います。

ロードプライシングなどは高速道路にも適用可能な仕組みだと思われる。

まったく同意です。適用可能というか、すでにETCによって柔軟な料金体系が可能になったせいか、すでに行われていますね。

民主党も首都高速などは適用除外としていますし、私も恒常的に混雑する路線についてはそうすべきだと思います。ただ、机上論としては恒常的に混雑する路線は、確実に需要がある路線であるわけですから、これによって対策をしたと言うことにはしてほしくはないと思いますが…。まぁその、これを言い出すと「都心の鉄道から満員電車をなくせ」みたいな話になっちゃうので、アレなんですが。高度ITSが額面通りに普及すればまた違うのでしょうが。

「道路交通網を常に意識しなくても生きていける人」かどうか(※)は、これらの問題点を論じる上で大きなファクターにはならないのではないだろうか。

※ ちなみに自分自身の生活環境に照らして言えば、最寄りの駅まで約10km、間をつなぐのは1日4便のコミュニテイバス、通勤には当然自家用車使用という状況なので、道路交通網を常に意識しないと日常生活を営むことはできない。道路交通網のごく一部をなす高速道路についてコメントしただけで、高森太郎氏がなぜ「道路交通網を常に意識しなくても生きていける人」と考えたのか、その根拠を知りたいものだ。

(注記記号の付け替えは引用者による)

なぜ「この著者は、道路交通網を常に意識しなくても生きていける人だ」と考えたかと言いますと、それは代替手段として電車をあげていたからですよ。ご自身は電車で首都圏に行かれると。

私の地元では、まともに首都圏はもちろん、他の都市に行くには、すべて自動車交通網を使わず出て行くことが現実的ではないのです。たとえば東京に出るために、まともな特急も走っていないローカル線で、移動にほぼ丸一日かけ乗り継ぎを繰り返せば電車でも行けますが、高速バスを使うと、最短3時間で行きます。

電車を利用するときは、道路交通網を意識する必要はないだろうと考えたので、そう表現しました。

半分妬みが入っています。まともに高速道路の代替になるような電車が使える環境にあるのだと。それだけのことです。

なお、自分は「だから言う資格がない」等と書いたことはありませんのでそのあたり誤解がありそうなので書かせていただきます。

[][]di:trivial様からいただいたコメントへ返事。 di:trivial様からいただいたコメントへ返事。を含むブックマーク

上のエントリーに対して、id:trivial様からコメントを頂きました!

ありがとうございます。

trivial 2009/07/20 06:08 丁寧なご回答ありがとうございます。

新項目を立てるほどのこともないのでここで書いてしまいますが、私の家は直近の高速道路のインターチェンジから約1時間離れており、また首都圏に行くためにはまず最初に「まともな特急」どころか特急が全く走っていない鉄道に乗って、およそ1日かけて乗り継ぎをする必要があります。高森さんが想像されたような「道路交通網を常に意識しなくても生きていける人」のイメージとは大幅にかけ離れています。高速道路に限って言えば、ふだんの生活でほとんど使えないので、意識することはあまりありませんが。

なるほど、id:trivial様はその部分にこだわっていたのですね。

説明した部分ですが、そこは「私がなぜその時そう思ったか」と言うことを説明しただけですので、そのような私などの感想は、さらっと流していただければよかったのですが。私はid:trivial様の事は、blogでいつも拝読させていただいている記事以上のことはまったく分かりませんので、こうして説明していただけるというのは、大変ありがたいことで感謝しております。

また首都圏に行くためにはまず最初に「まともな特急」どころか特急が全く走っていない鉄道に乗って、およそ1日かけて乗り継ぎをする必要があります。高森さんが想像されたような「道路交通網を常に意識しなくても生きていける人」のイメージとは大幅にかけ離れています。高速道路に限って言えば、ふだんの生活でほとんど使えないので、意識することはあまりありませんが。

なるほど。

元エントリーを私は「普段使っているけど、お盆は混雑するから使わない」という意味なのかな、と読んだのですが、誤読だったわけですね。ご説明いただきありがとうございます。普段使えないわけですね。

もしかして誤解があるといけないので書いておきますが、私が「この著者は、道路交通網を常に意識しなくても生きていける人だ」と考えたかというところのキモは、「自動車交通網を使わず出て行くことが現実的ではない」という点です。たとえば私などは、会社で言われて「電車で行きます。ただし一日かかります」と言うと「馬鹿野郎バスだと三時間だろうが、そんな無駄な金が出せるか」と言うことになって、現実的ではないのですね。もちろん、絶対的な時間では、さらに距離が離れている方よりも近いのですが。

もしかしたら、使えない、と言うことだそうですし、私の地方とは逆なのでしょうか?高速道路を使うと電車よりも時間がかかってしまって現実的でないとか。

また、そういった高速道路よりも電車のほうがメリットがある、電車を選択する事が現実的であるというところがあると言うことは、たぶん無料化した直後、整備がまだ進まない段階でも、それほど一気に自動車交通の比重が大きくなることはないのかな…?と思いました。

このたびはコメントいただきありがとうございました。

*1:これは後に正しくないとわかるのだが。今はプール式ということになっている

*2:とは言え仕事で休日千円渋滞にはまった上に周りが家族ずればかりな雰囲気が漂ってるきがして(被害妄想である)なんかすごく酷い目というか負けた気分になってみたり、やたらと車で来た観光客が多くて細い裏路地が大渋滞してたり(お前ら雰囲気を楽しむなら歩けよ)というう些細なことですが。

*3:とはいえ国が想定したパターンで生きている人間だけだが。利用したいが休みが土日祝日じゃないとか想定外の人間にとっては、同じ高速道路の利用者なのにあんまり関係がないのだが

*4:大筋で民主党の話と同一だが、自分は民主党支持者ではない

*5:長距離トラックの中にも、高速道路料金を節約するために一般道を走るなどというものがたくさんいる。それはら一般道を高速道路並のスピードで駆け抜けていく。これは非常に危ない。

*6:自分は話しだけしか聞いたことがないのだが、高速道路では1区間の間に数台しか合わないぐらい車が通っていないのに、ずっと併走している道路には車がほぼ同じスピードで通っていると言うアレな状況も世の中にはあるらしい

*7:と言いつつ、多くの地方の高速道路は容量に余裕がある…というか有り体に言って既存では過剰設備になっているところが多いので、設備を増強する必要がある必要が出てくるところはほとんどないだろう、と言う話もあるのだが

*8:微妙に別の話になるのだが、高度ITSが普及してくれば、より道路の利用効率を上げることができるので、柔軟性をあげ相互移動がより簡単になった高速道路は高度ITSがさらとも相性がいいと思う

*9:個人的には引っかかるところもあるので全面的に民主党案に賛成というわけではない、それは大抵他の政策でも同じなのでアレですが。

trivialtrivial 2009/07/20 06:08 丁寧なご回答ありがとうございます。
新項目を立てるほどのこともないのでここで書いてしまいますが、私の家は直近の高速道路のインターチェンジから約1時間離れており、また首都圏に行くためにはまず最初に「まともな特急」どころか特急が全く走っていない鉄道に乗って、およそ1日かけて乗り継ぎをする必要があります。高森さんが想像されたような「道路交通網を常に意識しなくても生きていける人」のイメージとは大幅にかけ離れています。高速道路に限って言えば、ふだんの生活でほとんど使えないので、意識することはあまりありませんが。

2009年07月17日(金曜日)

[][]動画サイトを黒字にするには、制作者を強力に支援して囲い込んで金を取れ! 動画サイトを黒字にするには、制作者を強力に支援して囲い込んで金を取れ!を含むブックマーク

知り合いが動画投稿サイトを運営しています。 結構、アクセスはあるらしいのですが、一向に黒字になりません。 なにかいいアドバイスがあれば教えてください。というのが人力検索に出ていたので、最近すっかり動画サイトをながら見しながら、何か作業をすることが増えた自分として考えたことを素人が思考垂れ流しでだらだらと書いてみます。

結論を簡単に言うと「制作者を強力に支援して囲い込んで金を取れ!」と言う話なんですが。

金払いのいい人にお金を出してもらうべき

金を出さない人1000人いても、その人達は直接は金にはなりません。だからその人たちから直接金を取るわけではなく、広告という変換アダプタを間に挟んで、金を払わない集客を金に換えているわけです。ここら辺は民間テレビ・ラジオ放送局等の従来メディアから続く伝統的な考え方です。

が、インターネットは「一山いくら」ではなく、Google Adsenceを初めとして、最近盛んにターゲッティング広告が行われてきており、例えば「google:本棚」とかやると本棚やさんの広告がずらーっと出るようになるなど、どこの広告はもうかり、どこの広告はもうからない、あそこのサイトに広告を出してもクリック率はいいが、奴らはみんな金を払う気がないユーザが集まっているから、ちっとも金にならないとかそういうことがわかるようになってきてしまっています。情報技術って怖いですね。

だから、昔は金を出さない人出も人数が集まれば広告は出してくれました。ですが、今は分析が進み、本当に金を出さない人ばかりならば、広告で金を出してはくれなくなってしまったわけです。客の質も見えるようになってきています。これは今は一部ですが、今後は当たり前になっていくでしょう。

そうするとどうなるか。すると1000人いても10000人いても、100000人いても、金にならない客ばかりなら、広告が出なくなってしまうわけです。ならばどうするか、そうなれば「金払いのいい人にお金をだしてもらうき」と言うことになります。理想論ですが、1000人の金にならない人よりも、1人の金になる人を抱えた方がよく、儲かる人ばかりを集めた方がいい。

後は金払いのいい人達はどういう人たちか、ということになります。もちろんこれがきちんとつかめるならば、苦労はねーだろ、と言う話はその通り。ですが動画サイトにはそういう人が集まっているカテゴリがあるんじゃないでしょうか。

たぶん、動画投稿サイトのユーザーの中で、ヘビーユーザーと言われる人は何種類かいるかとおもうのですが、その中で今よりもお金を出してくれそうで、カテゴリとしてまとまっていてピンポイントにねらい打ちできそうなのは、制作側の人じゃないでしょうか。投稿者、あるいはジャンルによってはPとかも言われますが。

まずは収益力を上げるならば、そういった人たちをねらい打ちにして、強力に支援しながら、安定してお金を取るべきだと思います。

まとまった金払いのいい人々としての「動画投稿・制作者」

見ていると結構作る側は金持ちが多くって、動画製作にふぉとしょっぷだの、ぺいんたーだの、しぇいどなのぽーさーだのと高級なソフトウエア*1や、初音ミクとかボーかロイドだって今時のソフトウエアとしては安くないです。その上本格的な編集環境やDTM環境にお金を出している人もたくさんいます。

逆に、お金がないのでフリーソフトを活用して、しかしどう見ても効率は良さそうではないのですが……トライアンドエラーを繰り返して、苦労して動画を作っている人たちもたくさんいます。

そういう人たちはほとんどが趣味の人です。そしてお金をかけてもやる好きな趣味を発表する場として動画共有サイトを利用している人もいるでしょう。もちろん動画製作そのものを趣味としている、コミュニケーションを楽しんでいる人もいると思います。それが趣味のひとつとなっている限り、財布の紐はゆるみやすいのではないでしょうか。そこをねらうのです。

だからといって動画投稿を有料にしろだとか、馬鹿なことは考えてはいけません。そうではなく、動画投稿を支援してはどうかと思うのです。

制作者を強力に支援すべし(有料で)

動画を見ると、つまらないことで苦労していたり、損をしていたりする動画がたくさんあります。

典型的なのが縦横比がおかしくて縦や横にびろーんと伸びてしまったりする映像や、音ズレ、エンコード調整が不十分で映像が荒い、エフェクトが美しいのだけれどそれが原因で全体のビットレートが落ちているとか、文字が小さくて読みにくいとか、そういった、表現したいこと、投稿したいことは関係のない部分でロスをしている動画です。

そんな中身とは関係のないつまらないところで躓くよりも、もっと内容や他の所にこだわりたい人が大半だと思います。*2

実はこのあたり、きちんとした環境を整えれば、ある程度抑えられる問題です。例えばきちんとしたエンコードソフトウエアを用意して、適切にプロファイルを作り、エンコードすれば、動画投稿サイト側でも再エンコードされずにアップロードされますので、縦横比がおかしくなる現象も抑えられるでしょうし、音ズレなどは劇的に改善されるでしょう。

そういった部分をフォローするツールや、ソフトウエアなどを、月々いくら、あるいは一回いくらでライセンスする商売はどうでしょうか。

例えばエンコーダは安価な物でも数千円はします。もちろんフリーソフトオープンソースソフトウエアでもそういったものはありますが、如何せんやはり使いやすさでは市販品のほうがまだ勝っています。ですが数回だけしかやらない人に、手軽にそろえるのはハードルが高い。またソフトウエアの情報を求めて、うっかりした質問しよう物なら「過去ログ読め」だの「ググレカス」だのと言われるリスクを犯してまでコミュニティに潜り込んだり、継続してメンテナンスされているかどうかとか情報を精査したりするのは、なれた人でもかなり大変ですし、手段にそんなところまで手間をかけたくない人も多いでしょう。

携帯電話ですらある程度の品質の動画が撮れ、USB接続のカメラは安くなり、ムービーデジカメも多数出ているので敷居は下がっていると言われます。しかし機材的な敷居が下がっても、今までかけていた労力が別の部分にスライドさせ、編集して見やすく仕上げている人もたくさんいるわけですから、ただそれをぱっとアップロードしただけでは、なぜか人気を集めている他の動画制作者の方と見栄えが違と言うことになって、結局は言うほど敷居が下がった効果が出ないのではないでしょうか。あるいは、今作っている人出も、字幕を入れたいとか、手軽にエフェクトを使いたいとか、そういう要望もあるでしょう。

そういう人のために、たとえば

  • エンコードソフト
  • 動画編集・エフェクトソフト
  • アップロード前の動画チェックアドバイザー、自動アップローダ
  • 高度に設定ができる高画質エンコードサーバ*3利用権(月数回分)
  • ヘルプセンター利用権・事前に動画を見てアドバイスがもらえる権(月数回分)

等々をベーシックなパックにして月いくらとか、そういう商売です。(売りきりではなく契約にするほうがいいでしょう)

値段はソフトウエアの次のメジャーバージョンアップまで使い続けると、ちょうどそのソフトウエアの定価の2倍ぐらいになるのがちょうどいいと思いますが、ここで「損益分岐ぎりぎりにする」とかではなく、きちんと利益の上がる値段にすべきです。極端に高くならなければ。

もちろん動画投稿サイトの仕様に合わせて機能を制限するとか(画面サイズの上限制限とか)、ライセンス的に他の動画投稿サイトにはアップロードできないように制限を加える*4かわりに安く提供するとかあればさらにいいでしょう。*5

こうしたセットにしたパッケージの月額販売は、まずは当然とりあえずこれを契約し、後はコンテンツを自分で用意すれば、何が必要で何が不要かすらよくわからない初心者でも意図を伝えるだけの動画ができると言う分をパッケージは用意します。

が、その後用途別パッケージなども用意したり、そしてそれぞれセットになっていない特定のものだけでも帰るようばら売りもして契約しやすくすることが重要だと思います。そうすればすでに環境を整えているユーザも取り込めるはずですので。

もちろん、すでにいろいろと存在する強力な動画制作支援ソフトもたくさんあります。それらを強力に支援して、そのサポートを有料で請け負うとかもいいかもしれません。

とにかく今は、特定の分野に詳しくてその件について何か動画を作りたくても、動画製作とコンピュータの知識が一般常識レベル以上のものがないとできない状況があるのです。この需要を満たして支援しつつ、その代わりお金を頂戴する。いかがでしょうか。

同種の提案には、その他には、会員限定の動画撮影のコツなどを、有料できちんとお金を払わなければ教えてくれないようなプロの人を招いてサイト上で講義を行うとか、見せ方についてプロのアドバイスをもらえるとか(もうちょっとゆっくり喋った方がいいとか、ライティングを工夫すればとか、マイクはこれを使う方がいいとか)動画撮影・動画制作をより簡単に、手軽にするための研究活動をして、その結果を広げるとか、ノウハウ集を作るとか言うこともアリだと思います。

個人で所有は難しいが、あると制作の幅が広がる特殊機材(防振マウント付きのカメラ車載マウントとか、大型望遠レンズとか、3Dプロッタとか)を、レンタルメーカと組んで貸し出しや、年間料金で安価なビデオカメラを貸し付ける(12ヶ月払えば返却不要とかだとうれしい)とか、どうしても欲しいが自分では作れないと言う素材を作ってもらうといったサービスも、余地はあると思います。


自分でできることで金をとるのか、と言う視点について

こういう商売を出すと「そんな(技術があれば)無料でできることを、何故有料でやるのか、成功するわけがない」といった話になります。私も学生時代はそう考えていました。さらにエスカレートすると、無料なソフトウエアでできるとわかっているのことを、あるいは場合によってはオープンソースソフトウエアにフロントエンドをつけて有料で販売する行為そのものを、別にライセンス違反をしているわけではないのに詐欺師呼ばわりしたりする過激な人もいます。

ですが、世の中みわたすと、必要だけれど自分の興味が無く、面倒くさくて、任せられる専門家がいれば、手間を省くための経費をほいと固定費として出す人がたくさんいます。

出す人がいても、無料でできることを金をとるのはよくないという考え方もあるでしょう。ならばその商売は本来必要のない物なのでしょうか?、そんなことはありません。なぜならばそういう商売の人がいなければできない人はたくさんいるからです。

コンピュータは簡単に使える人は簡単に使えます。そういう人たちが「簡単にできることで金を取るのはよくない」というのは、自動車に詳しい人が「大抵の整備は簡単にできるから、そんな事で金を取るのはよくない」と言うようなものです。自分にできないことを提供し、対価にお金を払う。そこには確実にお互いに幸せになれるわけで、こういう発展的な商売はどんどん広がっていくべきですし、技能を売る商売はこういった原理で成り立っていると言っても過言ではないと思います。

ただし、こういう商売は、自らが常にプロフェッショナルである必要があるという点で大変ではあります。それは今インターネットを探すことで情報を簡単に手に入れられるのですからそれは急速にハードルは上がっています。

ですが動画製作のような特殊な分野は今までプロしかできなかったようなことが、急速に一般に降りてきた事項です。動画製作のプロしか持ち得ぬノウハウなどもたくさんあるはずですから、まずは今は、この事業を手がける意義はここにあるのではないでしょうか。

もちろん、それは自らの知識を無料で出したり、広めたりすることを否定する物ではないのは念のため書き加えておきます。というかそれも賞賛されるべき行為だし、ありがたく思っている人はたくさんいます。もちろん私もそうです。そしてそれを「儲からなくなるからやめろ」等と脅すという輩はプロの風上にも置けないと思います*6

そして正の循環を作り出す(と言う捕らぬ狸の皮算用)

こうした動画作成支援をすると、今までとは違ったそうが動画を作れるようになってくるのではないでしょうか。するとどうなるかというと、このサポートがあったからこそ動画が作れた……意地悪いひっくり返し方をすれば、その手厚いサポートがある動画サイトでしか動画を作成できないという人間がたくさん出てきます。こうなればしめた物です。

即ち、特定のコンテンツを作成する人間を強く囲い込んだことになります。

するとどうなるか。それが独自のコンテンツとなっていくでしょう。そうなれば今までと違った層が視聴者としても流れ込んでくることになりますし、広告を見せる幅を広げることができますから、広告モデルの収益を上げることも不可能ではないでしょう。もちろん視聴の有料会員は増えます。

そして見た人が「自分も動画をつくってみたい」と思ったらしめたもの。「うちのサイトでは多少お金をいただければ、こういったソフトが使えますよ。一通りセットになってます月額だから使いやすいです」とアピールできれば、新たなヘビーユーザをゲットできます。

このように制作側をどんどん広げていけば、さらに進めば今の「スポンサー」制度ではありませんが、単なる「広告」ではなく「ここに広告を出せることが一種のステータス」と言う風にできれば、あるいは「広告という形で文化を支援しているんだ」と言った形まで持って行ければ*7、もはや収益に困ることはなくなるのではないでしょうか。

まぁ、壮大な捕らぬ狸の皮算用的妄想なのですが。


そして考えつく問題点

まずは商品の質とねだん。これは問題点ですが当たり前なので置いておくとして、この話で一番ぬけていること、それは動画製作という行為をしたがる人間が、どれぐらいいるかと言うことですね。つまり価格にして商売にできるほどのボリュームが本当にあるのか。つまり市場の存在の問題です。問いいつ、そんなことは自分がなんか言えるような話ではないのだけれど。

後はそれだけのソフトウエア等をどうやって集めるかという問題も。が、ここら辺は案外大丈夫なのではないでしょうか。と言うのは、今Googleを初めとして最先端ではソフトウエアは従来のパッケージ売りっぱなしモデルが変革し始めています。そういうことはどこの企業でも意識していることなので、こういった販売チャンネルが増える事は考えられるだろうから、話の持って行き方次第では、現在の有名ソフトの特別エディションをそのまま抱き込む事もできるのではないでしょうか。

サポートノウハウ等も問題です。と言うのは動画投稿サイトができはじめてまだ数年しかたっていない上に、まだ黎明期でノウハウと言えるほど固まっていない部分がたくさんありすぎるので。ですが黎明期だからこそ、それ専門にやりたい人間を動画サイト上で求人すれば、ある程度集まる気がします。そしてそれなりに意欲のある人間が職業的にやっていけば、時間はかかるかも知れないですが、確実にノウハウの蓄積はできるのではないでしょうか。また自社製作コンテンツのノウハウを投入とかがまず第1かもとも思います。


その他にはおそらく出てくる強力なライバル、特に集合知たる無料のコミュニティが持つ能力や、フリーの作成ソフトにも、それ自体で儲けるつもりなら勝ち続ける必要があります。

それからこの方式、プロではなくそれでお金を儲けようとしない趣味人だからこそ成立すると言うことも考慮しなければならないでしょう。つまり、コンテンツをプロの作成コンテンツを前面に出して、比重を移していくつもりであるならば、うまくいかないと思います。と言うのは「プロを目指せ!」という人を捕まえるのでは、非常にシビアにしなければならなくなって、うまみがありません。そうではなく「私もあんなことしたい」と言う人向けだと思うからです。もちろんそういった意味では「プロになりたいあなたのために!」とかそういうワナビビジネスのような宣伝の仕方は絶対にしてはいけません。


そして究極的には……さらに動画編集ソフトやハードウエアが発展してくれば、この支援ビジネスは意味を成さなくなるでしょう。オープンソースあるいはプロプラエタリなソフトウエアでも安く、十分に使いやすく、簡単なソフトと、それが十分に実用的な形で動作するハードウエアが安価で出てくれば不要になってしまうからです。つまり自動運転の自動車が完成したら、タクシーの運転手は失業するだろうと言った事ですが、それも問題点です。ですがまだすぐにはそういったことにはならないでしょう。そしてそうなったときには、すでに動画投稿サイトの争いは、決着がついているでしょう。それまでには、何かしなければ行けないというのが、趣旨なのかも知れません。もしかしたら、黒字化などしている場合ではないのかもと思ったりします。創業初期のAmazonのように。

と、まぁ素人がぐだぐだと書いてみる。まぁ所詮は妄想ですがね……。

*1:他にもたくさんあるだろと言う話はありますが、自分にとって高いソフトといえばそのあたりなので

*2:そうじゃない人ももちろんいるでしょうが。たとえば自分とか。

*3エンコードは環境によっては長時間かかります。その間はコンピュータは使えなくなりますし、長時間電源を入れっぱなしにすることに抵抗がある人もいるでしょう。またエンコードのためにしか使わない強力な環境を用意することが割に合わないと考える人もたくさんいます。そういう人のために、高性能の中央サーバで、エンコードの演算を肩代わりするようなサーバーの事です。プロファイルを設定して、元データと設定ファイルをアップロードして、所定の時間がたった後にエンコードされた結果が所定の所に保存さえると言った具合

*4:例えば出力できる動画は、エンコードしたファイルを内包した専用形式しか出せないとか

*5:本来ならばWebアプリケーションにできれば一番いいのですが、大容量の動画で、ローカルと同じ感覚で操作ができるWebアプリケーションが開発できれば、たぶんそれだけで赤字解消できます

*6:とは言っても、そういった自らをのばすのではなく、他人をけ落とすことで地位を守ろうとする輩は、すぐに自滅するでしょうが

*7:テレビでもこういった視点でスポンサーになってきた会社は結構あると思うのですが、最近はテレビ自体がそういうブランドイメージを維持できなくなってきていて、そういった文化のために支援すると言ったスポンサー……と言うよりパトロン(後援者)という感じでしょうか、そういう利益追求型ではないお金を出すときに「そうかならば意義がある」と言ってもらえるほどの力がなくなってきているような気がします。個人的にはコンテンツの有無よりも、こちらの方が深刻ではと思います。閑話休題

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正露丸の主成分は解毒剤すら存在しない劇薬! 薬剤師いわく「百害あって一利なし」|健康・医療情報でQOLを高める〜ヘルスプレス/HEALTH PRESS
この雑な感じな煽り。提携メディアにサイゾーが並んでおりますが、この雑な煽り方はそこから感染した感じでしょうか。 問題を指摘している薬害オンブズパースンもワクチンの件から信頼に足る組織に見えないんだが
高額医薬品ニボルマブ(オプジーボ)の価格はどう決められたのか - 生物物理計算化学者の雛
一定割合で金がかけられる方式になっているので、と言う事の用だが、研究費が多い場合は量産で安価になるが、製造に金がかかる場合はイノベーションに期待するしかないが20年単位なのよね…。
夢の新薬が使えなくなる日:日経ビジネスオンライン
実際には適用が広がったために、研究費の割り掛け割合が見直されて薬科は多少安価になると言われているようなので、あんまり劇的な話にはならんような気はする。副作用やらの研は出始めではままあるような。
「ポケモンじゃない」 父親殴った息子を逮捕
初登場15歳だった息子もいよいよ26歳か…。 父親の年齢は出なくなったが、初登場42歳だったので今は53歳。部下が私用で協力していたりしていることから、それなりに社会的地位や人望のある人間であると思わ
はてな民おすすめのマイベストアニソン教えて
CowboyBebopをおしたいがアニソンとは違う感じか?  最近だと幸福グラフティのエンディング「笑顔になる」のシングルは、正しくアニソンしていて、音楽も楽しく、完成度高くておぬぬめ。
【福田昭のセミコン業界最前線】ソフトバンクはARMを取り込んでIoTの覇者を目指す - PC Watch
結論としては「かなり高い買い物だったが、とりあえず今までどおりであり、万が一にもクソ企業に買収される可能性が消えたのはよい」ということだそう。いろいろなところからSBに買収要請があったとかもありえそう
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