劇場版銀魂万事屋よ永遠なれ(評価:★★★☆)
毎週息子と楽しみに観ていた銀魂の完結編。こいつは何としても初日に観なきゃなんなえと、息子と息巻き鼻息を荒くして劇場へ向かいましたわ。
(2013年7月7日 あまりにも語らな過ぎたので追記しました。)
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※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
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1.評価
すごいやり切った感
評価:★★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
2.基本情報
(2013年/ワーナーブラザーズ/???分)
監督:藤田陽一
原作:空知英秋
声優:杉田智和(坂田銀時)
阪口大助(志村新八)
釘宮理恵(神楽)
千葉進歩(近藤勲)
中井和哉(土方十四郎)
鈴村健一(沖田総悟)
石田彰(桂小太郎)
神谷明(???)
山寺宏一(???)
(あらすじ)
なんやかんやの末、自分の存在しない未知の世界に放り出されてしまった銀時。ってあー、喋れない事大杉でダメだ。。。
3.コメント
銀魂を知らない人に銀魂の魅力を説明するのは結構難しい。魅力を伝えるためには完全にネタバレになるエピソードを話さなきゃならんし、その楽しさも伝わらない。「とにかく観ろ」と言いたいところだけどエロ・グロも満載でオススメもしにくい。でも、平気で危険球を放り込んで来るこの作品は、僕にとって大好物。
僕は毎回何が起こるか分からなくてワクワクしながら観ていた。
ある意味僕からの英才教育を受けていた息子もまた、毎週楽しみにしていた。
時には息が出来なくなるくらい笑い転げている僕と息子を観るのが楽しみで、娘もまた楽しみにしていた。
でも奥さんは「あの変で下品なやつ」くらいの評価だった。
まあいい。本編。
いつものように初手から人を食ったストーリー展開で、会場は文字通り爆笑の渦に放り込まれた。
その後いつも通りで安心する「尺の無駄遣い」が続き、終わったと思ったら畳みかけられ、笑っているうちに唐突に本題がはじまり、ぽかーんとしている最中に笑わされ、、、泣かされそうになり、、、笑わされ、、、てな感じで進む。泣く暇はなかった。
って、うー、ネタバレを標榜しつつ大変申し訳ないけど、やっぱり内容を話すわけにいかないなあ今回。てなわけで、簡単に終わっちゃうけど結論はこちら。
・アニメ楽しんで追いかけていた人はなんとしてでも観に行って!
・できれば特典が無くなる前に行って!
・アニメ観てなかった人、イマイチ好きになれない人は観なくて良いです。
2013年7月7日追記
「結論」の理由について
ストーリーは全般的にキャラクターの設定や性格がわかっていないと楽しめない作りとなっている。また、それだけでなく、銀魂自体がここ20年くらいのアニメーション事情にある程度詳しくないとついていけない内容となっているため、テレビ版を楽しみに観ていた人でないとオススメできない。
ただ、これは作りが不親切と言う訳ではなく、そういった一見さんへの対応を全て排除し、コアなファンのためにのみ時間を使ったという意味で評価ができる。
そもそも銀魂という作品について
銀魂という作品には2つの側面がある。
1つはどぎつくも虚をついてくる多作品へのオマージュという側面。
あ、褒め過ぎだな。
危険な橋を渡りながら繰り返される他作品のパロディ。パロディの中には確実に悪意が籠っている。現在進行形の作品というよりは、主に僕たちアラフォー世代を狙ったパロディが多く、時に息が止まる程笑わせられる。
この傾向は原作だけでなくアニメ編にも色濃く継承されており、時に原作を超える悪さをする。
作中によく制作側が怒られたり問題視されているというネタが語られているが、あれは半分冗談で半分本気らしい。多分にアグレッシブである。
もう1つは銀時というキャラクターのヒロイズムについて。
基本的にはぐうたらでだらしない主人公であるのだが、彼は江戸という町と、そこに住む住人達を深く愛し、そして彼らに愛されている。
こういうヒロイズムの在り方は、ちょうど「池袋ウエストゲートパーク」シリーズにおける真の役割に似ており、そしてもちろん「遠山の金さん」にも似ており、こういう作品に僕は弱い。
こういうストーリーを読んだ子供達が、どんな大人になって行くのか。それが楽しみである。