西浦賀〜野比
3月に歩いた浦賀道との分岐点からスタート。左が浦賀道・右が三崎道。
と思ったら分岐してまもなく、浦賀奉行交代の際に使われたという石橋が。浦賀道をそのまま行けば奉行所に着けるはずなのだが…
参勤交代の大名もわざわざ遠回りの道を通ったりしてる例が少なくないが、この辺は変則的で私にはなかなか理解しがたい。
県道210号に出る直前。ここまで細い道は珍しい。県道に出ると久比里坂に差し掛かり、急に汗が出る。
久比里坂の久里浜方中腹にある開拓碑。浦賀道を歩いた時、長浦の十三峠でも似たような物を見たが―
平作川に架かる夫婦橋。現在の人道橋の辺りが往時の橋の場所と思われ、車道橋は少し下流にある。
これを渡った先の久里浜商店街が古道筋である。アーケードが日差しを遮ってくれる上に、店舗から漏れてくる冷房で少し生き返る。
安らぎも束の間、尻摺坂に差し掛かる。ダラダラと上る道筋が意外に堪える。
元々は今より更に20〜30m高い所を越えていたようで、文字通り荷車の尻が擦る程の坂だったそうだが、天保年間に地元の長により現在の道が拓かれ、頂上手前にこのような記念碑が立っている。
浦賀から三崎までほぼ直線的に敷かれた道筋にあって、尻摺坂を下った先、現在の野比2丁目付近だけはなぜか現道をフラ〜っと離れて東側の丘を越える為、大作交差点の先でうっかり見落としそうになる程の道を入る。
野比〜上宮田
県道212号に出る直前に小道へと右折し、200m程歩くと野比海岸交差点で県道を横切る。
横切った先の公園でひと休み。潮風とバーベキューの香りが届いてとても心地良い。
R134に再合流して野比橋を渡ってから三浦海岸までは国道より1本内陸を通るので、建物の合間からチラチラ海が見える状態が続く。アップダウンが無いので歩いていて疲れないが、何か焦らされているような気分になる。
長沢2丁目の古道沿いにある建物。鳴り響いて飛んで来るそうだ。w
津久井2丁目。この辺は見事に真っ直ぐだ。
と、何の前触れも無く三浦市に突入。
この細い道の左側が横須賀市、右側が三浦市。
これでも一応、旧三浦郡北下浦村と南下浦村の境であり、現代になって勝手に敷かれた境ではない。
三浦海岸駅の先、いかにも右へ曲がって下さいと言わんばかりのカーブに騙されないように左の道をとる。
庚申塔が1列にポコポコ並んでるのは、東西の浦賀道でもよく見た光景。
ここから道は西向きに進路を変え、三浦半島の鞍部への上っている。
上宮田〜三崎
下宮田交差点付近から見た東京湾。上り坂は大変だが、その分景色は良い。
上り切った所が引橋交差点。鎌倉からくる西回り浦賀道と合流する。
浦賀・鎌倉・三崎のどの方角から来てもここから先は下りになる、まさに頂上。日差しが強くて思ったより消耗が激しいので、ここで靴紐を解いて10分休憩する。
交差点から少し下った所にあるのが、その名の由来である「引橋」。その昔、三浦氏の拠点に北条氏が攻め込んできた時、この橋を落として防衛に用いたとか。
かつては街道を覆うように見事な藤棚があり、茶屋も立って華やかだったそうな。
引橋の北詰にある石仏。浦賀を出てからずっと、これと同じような形の石仏を頻繁に見かける。
本当に暑いので、三浦警察署前のいなげやでトイレ&飲み物購入がてら涼む。
標識に「三崎港」の文字が見えてキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ってか右の建物がマジで気になるw
東岡の坂を越えて道なりに下ると三崎港にでる。
16km少々の道程を3時間20分。もう少し速く行けるかと思ったけど、やはり引橋の坂がきいた。
三崎は、江戸〜大坂を行き来する廻船の寄港地であり、海運業者からは「宿」と呼ばれたそうだ。今では蔵を改装して営業している商店もある。