富士見ファンタジアの解説はいい加減どうにかならんもんかなあ
- 作者: 三浦良,KIRIN
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/01/20
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やべえ、面白い。表紙見てあらすじ読んで扉絵見て「これは面白い」という直感があったのだけれど、うむ、俺の目に狂いはなかった(この前と言ってること違う)。
勇者が魔王になることで魔王を倒し、倒された魔王が今度は魔王となった勇者に復讐しようとする、という導入だけでも「おっ」と思うけども、この話はその後の展開が非常に面白い。単なる復讐譚やラブストーリーに収まるのではなく、それでいて納得のいく結末に落ち着くのは、登場人物一人ひとりがしっかりと「自分の意志」というものを持っているからだろう。派手さとか見た目のインパクトとかはあまりないけども、その地に足のついたストーリーテリングがとにかく心地よい。
「極限状況に置かれた一般人」の描写についてはいろいろ考えさせられますな
- 作者: 三浦勇雄,屡那
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2006/01/25
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主人公ズのへたれっぷりも読了後の「所詮TV番組」という事実の裏に見え隠れする悪意も全部ラストのカタルシスで一発で許せそうな気がしますがやっぱり許せません。個人的に結末のカタルシスよりそこに至る過程のほうが大事だと考える人間なんで、ラストだけやたらと勢いあってもしょうがないのよー。つーかそもそも私はカップルのふたりが互いにひとりであーだこーだ悩みまくるような話が根本的に嫌いなようです。駄目じゃん。
個人的な嗜好を除けば総体として安定した面白さ。来月には「ホワイトデー上等。」が出るらしいですが、作者氏には変わらず王道路線を突っ走っていただきたいものです。にしてもこうしてみるとこの国の年度末はつくづくアレなイベント目白押しですな。ホワイトデーの次はどうするんじゃろか。