厚顔無恥な連中を無敵ならしめないために

「荒らし」対策として、匿名での批判を禁ずる黒木ルールや、匿名のものは議論対象と見なさないという津村ルール。これらは「匿名」の定義に差はあれど、ネット上でのフェアな言論を保証するという観点からは尊重されるべきルールであろう。しかし黒木ルールには弱点がある。ekken氏が指摘する黒木ルールの弱点は以下の通りである(自覚のない荒らしにとって「黒木ルール」は全く非力です:ekken)。

黒木ルールでは「匿名でも有意義な情報(批判)は認められる」のだから、あらゆる匿名批判を無視するものではないわけでして、要するに古くから伝わる「荒らしへの対応方法=相手にしない」ということだと思います。これは自分の存在を明らかにして(恥をかく場所をもって)まで他者のサイトを荒らす人がいるはずが無い、という前提があるからこそ有効な決め事です。
「荒らし」の自覚がない人は、書き込んだコメントによって自分が恥をかくなんて事は考えていないのです。
相手に罵声を浴びせる事を「批判」と考え、それに対する返事が書かれない事を「勝利」と考えている非「匿名者」に対しては、黒木ルールは全く無意味であるといって良いでしょう。

これは全くその通りで、「相手に罵声を浴びせる事を「批判」と考え、それに対する返事が書かれない事を「勝利」と考えている非「匿名者」」というのはけっこう実在するようだ。この指摘は一年ほど前の記事だが、最近ekken氏が書いたエントリはそれへの対処法(「おまえの母ちゃんでーべーそ」への反応:ekken)だと考えられよう。

ネット上で「おまえの母ちゃんでべそ」と言われた際、その対応法について考えてみた。

■無視する
スルー力発揮で無視。相手が「おまえの母ちゃんでべそ」と発するまでには、何らかの意見とその反論が繰り返されてきたかと思うのですが、反論に窮して放たれた「おまえの母ちゃんでべそ」に反応しても泥沼になるだけ。レスをしないことであなたを卑怯者扱いしたり負けを認めたと思う人は、「おまえの母ちゃんでべそ」発言をした人以外には恐らくほとんどいないでしょう。

この後「怒る」という項目があって、これはこれで大変面白いのだが、それは実際にリンク先を参照いただきたい。「レスをしないことであなたを卑怯者扱いしたり負けを認めたと思う人は、「おまえの母ちゃんでべそ」発言をした人以外には恐らくほとんどいない」という指摘は非常に有益で、これを常に意識すれば、結構対処にはなるだろうと思われる。
近年「ネット右翼」とひと括りにされがちな言論においても、「荒らし」に対する厳しい対処が見える。「ネット右翼」による「ネットイナゴ」行為は、ネット上における保守的言論全体の足を引っ張る、という至極当たり前のことが、「ネット右翼」内部にも浸透し始めているかのように思える。もちろん「ネット左翼」による「ネットイナゴ」行為は「ネット左翼」全体の足を引っ張るのである。
ネット右翼」とひと括りにされる言論内部においても、ネット上で非現実的な戦争賛美を行なったり、他国を貶めるような言論を為す者を「憂国酷使」と呼んだり、嫌韓的主張を繰り返す者を「韓国面に堕ちた」と言ったりするそうで、「ネット右翼」とひと括りにするのは、その意味では「ネット右翼」側の動きについていけない、という致命的誤りを犯すのではないか、と思う。というのはレベルの低い、「ネット右翼」内部でも相手にされないような稚拙な言論を批判して「ネット右翼」全体を否定したような気持ちになって、結局足をすくわれる危険性がある。
最近私が検討した「荒らし」がその「荒らし」の属するコミュニティでどのように扱われたかを知ることが出来た。その「荒らし」は喜び勇んでそのコミュニティの掲示板に自分が荒らしたブログのURLを貼ったのだが、管理人から叱られた。それでもめげずに他の捨てハンを使って自分の「荒らし」の武勇伝を書き続けたのだが、常連からこれまたたしなめられてしまった。かなりきつい言葉遣いだったようで、常連もあとで「あなたの憤りもわかりますが、自制して欲しかった」とフォローと苦言を呈していた。
ネット右翼」でも「ネット左翼」でも、自分の言論に自信があれば、言論の場を守る努力をした方が、自分のためだ、という了解が出来つつあるのだろう。そして自分の言論に自信がないくせに、とにかく目立ちたいという無知かつ無恥な人物が「荒らし」行為で目立とうとするのだ。しかし些細な言葉の「揚げ足取り」や同じ問題を何回も蒸し返したり、議論の本筋を離れた質問を連投したりして、議論の本筋を見失わせようとする「荒らし」はとにかく相手にしない、ということを貫くことが必要だろう。