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ネット右翼

(ウェブ)
ねっとうよく

ネット上で右翼的な発言をする人たちの総称。
他に、『ネトウヨ』、『熱湯浴』『熱湯欲』などの派生表現があるが、これらは蔑称的意味合いが強い。
批判などの否定的な意味合いで使われる場合が多いが、稀に、瀬戸弘幸氏のように"ネット右翼"を自称している人もいる。

『ネット右翼』という言葉についての議論・反発

ネット右翼』の定義とは?

"ネット右翼"を批判する人に対し、主に批判を受けた側から「ネット右翼(ネトウヨ)の定義を言え!」といった反論がなされることがある。
この言葉自体は文字通り「ネットの右翼」という単純な意味合いしか持たず、2ちゃんねるなどのネット掲示板から自然発生的にうまれ、広まったものであるため、明確な"定義"というものは存在しない。
そのため、"ネット右翼の定義"は個人によって様々。その一部を以下に掲載する。

ネット上で、外国人やリベラル・左翼思想を持つ人に対して誹謗中傷や過激なバッシングを行う者。排外・差別主義者。レイシスト。

この意味合いで使われることが最も多いようだ。
いわゆる"反日"と認定した韓国や中国を、国自体、政府、文化、国民問わず嫌悪し、
日教組や自治労などの労働団体、朝日新聞や毎日新聞を、"反日サヨク"として認識し、攻撃している。
思想も言動も過激な場合が多い。
Yahoo!ニュースのコメント欄や、2ちゃんねる掲示板(特に『ニュース速報+』板)とその『まとめブログ(コピペブログ)』、Twitterの『日の丸アイコン』や、ニコニコ動画の『政治』タグなどで特に見られる。
これらのサイトでは、2008年9月に中山元国土交通大臣の辞任騒動があった際にも、問題となった日教組”批判”に対して「よく言った」「まさに正論」など肯定的意見が相次いだ。
全く関係のない話題で盛り上がっている場にも現れて差別的な言動を行っていくケースが多々見受けられるため、左派以外にも嫌がっている人は多い。
国や地域の他、企業や団体などを大きな括りで捉え、その全てを否定する傾向が強い。デマとの親和性が高いことにも注意が必要だ。

「ネット上の右翼」に近い見解を持つ右派団体・活動家。

街宣など、活動の幅はネットだけにとどまらないものの、上記のようなネット上の過激な世論を元にして発生した団体・活動家や、ネットの過激派からの支持が厚い団体・活動家を指す。
「ネット(と関係の深い)右翼」。
過激な街宣活動を行ってきた『在特会』や、外国人排斥などを主張する田母神俊雄氏、極右的な政策を掲げる『維新政党・新風』など。
時たま右翼的な見解が見られる『産経新聞』や、『自由民主党(自民党)』を右翼と認識している人の中には、「ネトウヨ新聞」「ネトウヨ政党」などと揶揄する人もいる。
古風な街宣右翼は"ネット右翼"としない場合が多い。

保守派

左翼を自認する人などでは、排外的な主張を伴わない保守派(特にそれをネット上で論じている人)をも"ネット右翼"と認識していることがある。場合によっては、穏健保守・中道右派も含まれる。
批判というより"レッテル貼り"に近く、無用な反発を招くため、差別的言動のみを批判するときに『ネット右翼』という言葉を使いたい人には好ましく思われていない。


これらの認識の違いは、『ネット右翼』というよりは『右翼』というものに対する認識の違いと言って良い。
「ただのレッテル貼りじゃないか」という反発を生まないためには、「ネット右翼」と言うだけで満足するのではなく、それらに対する認識が共有されていない場では、自分の中での定義を明確にし、それの何が良くないのかを具体的に主張することが重要。

「自分は"ネット右翼"ではない」

上記のように、言う側と言われる側の認識が噛み合っていない場合もある。
意見や認識の多様性だと思って諦めよう。
ただし、民族といったような大きな括りを一緒くたにして論じたり、それらを口汚い言葉で罵っているような人の言う「自分は違う」は、洗脳下にある者が言う「俺は騙されていない」と同じ意味合いでしかないことに注意しよう。

「『ネット右翼』は○○が作った言葉」「"ネット右翼"はいない」「"在日"しか使わない言葉」

○○に入るのは大抵『在日本大韓民国民団(民団)』とか『朝日新聞』とか。
自然発生的なものなので発祥ははっきりとしないが、様々なところで使われる言葉になった現状、多くを工作員が書き込んでいるというのは無理筋。
「"在日"が・・・」などと言っている人が「"ネット右翼"は存在しない」などと言うのは、余りにも客観的な視点が欠けている。

関連用語

嫌韓、(自称)普通の日本人
ネット左翼

新聞記事の引用例

朝日新聞2006年5月5日付掲載記事

なお、06年5月5日付朝日新聞によると、「攻撃コメントをしつこく投稿」し「自分と相いれない考えに、投稿や書き込みを繰り返す人々」と定義されている。「右翼」という言葉は、そうしたコメントを寄せる投稿者が右翼的な意見をもっている例がほとんどであることから、そう呼ばれるようになった、としている。


 東京弁護士会に所属する小倉秀夫さん(37)のブログに寄せられるコメントの数は多い時でも日に20前後だった。それが昨年2月初め、10倍近くに急増した。
 普段はIT関連について考えを掲載している。そこに他人のブログに攻撃コメントをしつこく投稿する行為をいさめる意見を載せた。その直後のことだった。
 コメントの大半は批判だ。差出人の名前の欄は「Unknown」。匿名だった。「あなたは勘違いしている」「なぜ非を認めないのか」……
 回答しないと「このまま逃げたらあなたの信頼性はゼロになりますよ」。反論すれば、再反論が殺到した。議論の場から離れることを一時も許さない「ネット右翼」だ。
 数年前からネット上で使われ出した言葉だ。自分と相いれない考えに、投稿や書き込みを繰り返す人々を指す。右翼的な考えに基づく意見がほとんどなので、そう呼ばれるようになった。
(「萎縮の構図・4:炎上(朝日新聞2006年5月5日)」より引用。強調は引用者による)
この掲載記事が紛争当事者の一方のみの意見を全面的に採用したかのように読めることから、さらに現在波紋を呼んでいる。

産経新聞2005年5月8日付掲載の佐々木俊尚氏執筆のコラム

また、朝日新聞の記事より1年も前の2005年5月8日付産経新聞のコラム「断」では、ジャーナリスト・佐々木俊尚が、「ネット右翼」とは「インターネットの掲示板やブログなどで、左翼的・反日的な発言をする者がいると、猛然と批判のコメントの嵐が降り注ぐ。こうした状況に閉口する左翼系の人たちが、「組織化されたネット右翼が集団で妨害行動をおこなっている」と抗議するようになったのが、この言葉の始まりである。」と述べている。

 「ネット右翼」という言葉がある。インターネットの掲示板やブログなどで、左翼的・反日的な発言をする者がいると、猛然と批判のコメントの嵐が降り注ぐ。こうした状況に閉口する左翼系の人たちが、「組織化されたネット右翼が集団で妨害行動をおこなっている」と抗議するようになったのが、この言葉の始まりである。
 この問題に大きな火をつけたのは、朝日新聞の地方記者とのちに発覚する人物が開設していたブログだった。この記者はNHK報道政治介入問題を取り上げ、「政治家に検閲させるとは何ごとか」と書いた。読者から「検閲ではないのでは?」という疑問が寄せられると、いきなり「自分と意見が違うと『アカ』『サヨ』『プロ市民』とレッテルをはって議論をごまかす。こうやって人間の思考力って退化するんだな。人間から猿への逆ダーウィン退化論を実証できそう」と暴走。これに対して数百ものコメントが殺到、ブログは炎上して消滅した。
 さらにこの問題は、著名な弁護士である小倉秀夫氏のブログにも飛び火。小倉氏が「品位に欠くコメントを執拗に投入するのは民主主義の敵だ」などと書いたものだから、こちらも燃え上がり、結局四月末に閉鎖されてしまった。
 こうした現象を「組織的妨害」と決めつけるのは、市民運動系の人たち特有の謀略史観ではないだろうか。そうではなく、これまでマスコミで黙殺されてきた新保守論的な世論が、ネットという媒体を得て一気に表舞台へと噴出してきているというのが、実は「ネット右翼」の正体ではないかと思うのである。
(ジャーナリスト・佐々木俊尚)
(2005年5月8日付産経新聞のコラム「断」より引用)

その後、朝日新聞は、「カーニバル化する社会」などの著作で知られる鈴木謙介氏のインタビュー記事を掲載し、『ネット右翼』現象とカウンターバランスとして登場した『ネット右翼』の動機を分析している。鈴木氏はネット右翼の思想的土壌を『アンチ左翼』と捉えたうえで、不毛な二項対立構造を打破するためのプロボカティブな提案をする。

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