現場の意見は取り上げられないのか。 私は東京の税理士だが、地方の農家とも顧問契約はある。それゆえに農家の実情は多少は知っているつもりだ。正直言って、21世紀の日本の農家の未来にはけっこう悲観的にならざるを得ない。 理由はいろいろあるが、最大の問題は後継者不足ではなく、農業が事業として成立しずらい現状に変化がないからだ。一言で云えば「儲からない」。これで後継者が出てくるほうが不思議だ。 これが一言では説明しきれないほど複雑な現況を反映している。 実は農業は本来、きわめて利益率の高い業種であるはずだった。たしかに労力はかかるが、種をまいて収穫するだけ。化学肥料や農薬を適切に使い、農業用機器を使えば…