「木村伊兵衛賞」という表象=代表機構



http://d.hatena.ne.jp/kimurachan/20070126

 木村伊兵衛ってなんかオリジナルな写真を撮った人なのか? 「ライカによるスナップ」ってそんなオリジナルな技法だったの? 同時代のパリにそんなことやってる人はいなかったってこと? 「ライカ」って「ニッポン固有の機械」だったの? 「スナップショット」って木村伊兵衛オリジナル?
 「まね、まね」言うなよ、小中学生じゃないんだから。いや、小中学生より、よくぼけの因業じじいめいている。じじ臭い。「著作権武士」っぽいから。「著作権武士道」をかげにひなたにお支えする忠実な百姓根性かも。

 梅佳代って嫌いじゃない(と思う。まだ観てないけど)。「アサヒカメラ」の購読者層の要望にも答えてる。購読者たちの孫娘の世代が賞賛されているのだから、彼らも「うむうむ」と納得するだろう。孫は、白痴と紙一重にバカっぽく振る舞っていた方が、可愛らしくって好かれるだろう。じじいが、小賢しいガキや殺気を帯びた若いのを好む訳がない。梅佳代は、年寄孝行な良い子っぽくて好感度が高そう。僕も嫌いじゃない(と思う。まだ観てないけど)。

 表象=代表機能の低下が言われて久しい(「小説の木村伊兵衛賞」と呼ばれる「芥川賞」にせよ、まともに機能していたのは、1978年あたりまでと言われているが)。木村伊兵衛賞は、健在な様子。忠実に「写真家・木村伊兵衛」の名にふさわしい人選が行われている。

だから、いいじゃん。「木村伊兵衛」の名を冠した賞なんだから。気の利いた写真家にやる賞だし、100万円なんだし。




付記:
◯去年って誰だっけ? マキノくんと原さんが選に漏れたのは、憶えているが。
◯「写真の芥川賞」は、「木村伊兵衛賞」らしいが、となると「写真の谷崎潤一郎賞」が「土門拳賞」だろうか? 芥川龍之介谷崎潤一郎は、「『話』のない小説」論争で対峙していたし、木村伊兵衛土門拳は、「リアリズム写真」をめぐって対峙していたそうだし。賞としては、「土門拳賞」の方がきっちり人選してるって話はある。芥川龍之介より谷崎潤一郎の方がずっと異形だし、木村伊兵衛より土門拳の方が本気度が高いもんね。ま、いいや、なんでも。
◯まだ存命中だが、「中平卓馬賞」ってできたら凄そう。「写真とともに鬼界を歩む者を顕彰する文化賞」。候補者リストが、病者のリストになり、賞金は、後見人預かりになる。候補にあがるとなんかむかつくが、受賞するとなんとなく嬉しい賞。