新小児科医のつぶやき

2007-09-02 マスコミよ これでもヒマか 夏の夜

どうも下手な川柳で申し訳ありません。元歌はもちろん「円城寺 あれがボールか 秋の空」で、'61の日本シリーズで、小池のエラー、寺田の落球、そして審判の判定に激怒した南海のエース・ジョー・スタンカにまつわるエピソードにまつわるものです。この話を書き始めると今日のエントリーは終わってしまうので、機会があればまた後日にさせて頂きます。

奈良死産騒動で「ベッドが空いていた」と非難の槍玉に奈良医大が挙げられています。産経新聞に至っては論説で「妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち」とまで酷評しています。本当に奈良医大の産科医たちは非難に値するほどの事を行なっていたのでしょうか。病院の勤務実態はなかなか表面化しにくく、ましてや特定時日の勤務実態なんて調べようも無いのですが、非難に曝された奈良医大は公式HPに事件当日の勤務実態を公表しました。もう御存知の方は多いかと思いますが、私も後追いながら分析してみます。


時刻
当直産科医の状況
19:06前回帝王切開した患者A(妊娠36週)が出血のため来院 診察終了後、患者A帰宅
19:45重症患者B(妊娠32週)妊娠高血圧のため搬送入院、病状管理に努める
23:00重症患者Cの手術終了(9:00〜手術開始)医師一人が術後の経過観察を実施
23:30患者B 早剥のため手術室へ搬送、緊急帝王切開実施(00:08終了)
00:32患者Bが病室に帰室 重症であったため、医師一人が朝まで術後の処置等におわれながら、他の患者への処置等を応援 当直外の医師1名も、重症患者の処置応援にあたり2:30頃まで勤務
02:54患者D(妊娠39週)陣痛のため緊急入院、処置
02:55救急隊から1回目の入電(医大事務当直より連絡があり、当直医一人が事務に返答)「お産の診察中で、後にしてほしい」
03:32患者E(妊娠40週)破水のため緊急入院、処置(患者Eの入院により、産科病棟満床となる)
04:00開業医から、分娩後に大量出血の患者Fに関する入電があり、搬送依頼あるが、部屋がないため他の病棟に交渉を開始
上記の直後に救急隊から2回目の入電(医大事務が説明したところ電話が切れる)「今、医師が、急患搬送を希望している他医療機関医師と話をしているので後で電話をしてほしい」
05:30産科満床のため、患者Fを他病棟に緊急収容
05:55患者Dの出産に立ち会う その後も、患者Fの対応におわれる
08:30当直者2名は一睡もしないまま、1名は外来など通常業務につき、他1名は代務先の医療機関において24時間勤務に従事

この夜の当直医は2人です。そこに多忙で人手が足りないため応援医師1名が2:30まで勤務しています。この様な体制で、この夜の救急応需は、

  1. 出血で前回帝王切開患者A(妊娠36週)で外来受診
  2. 妊娠高血圧の重症患者B(妊娠32週)搬送入院
  3. 陣痛のため患者D(妊娠39週)緊急入院
  4. 破水のため患者E(妊娠40週)緊急入院
  5. 分娩後に大量出血の患者F搬送入院

この上で

  1. 別の重症患者Cの手術が23:00に終了し。
  2. 重症患者Bが胎盤早期剥離を起したため、緊急帝王切開を23:30〜00:08に行い。
  3. 患者Dは分娩

当然ですが14時間もの大手術の重症患者Cの術後の監視は必要ですし、胎盤早期剥離の重症患者Bの緊急帝王切開を「大学病院で行う」準備にも忙殺されたでしょう。もちろん分娩になった患者Dの立会い、破水を起している患者Eの監視も欠かせません。さらにさらに分娩後の大量出血の患者Fは産科病棟満床のため他病棟に収容の交渉を行い、もちろんそれに対する治療も1秒を争うものです。

ここに書かれている状態が忙しいかどうかですが、「忙しい」なんてものではありません。ちなみに、

  • 「普通に忙しい」なら陣痛と破水の患者を緊急入院させ分娩させるレベルです。
  • 「かなり忙しい」は胎盤早期剥離で緊急帝王切開を行うレベルです。
  • 「猛烈に忙しい」は分娩後の大量出血の処置に当たる事です。

私は小児科医なので、この忙しいのレベル分けが産科医の感覚とずれていたら「是非」ご訂正ください。この夜は、忙しいの3段階レベルが団体さんで訪れていますので、「忙しい」を越えて「地獄の一夜」と表現しても足りないかと思います。そのうえ、この地獄の一夜を過ごした当直医2名は、

    当直者2名は一睡もしないまま、1名は外来など通常業務につき、他1名は代務先の医療機関において24時間勤務に従事

これでも私も元勤務医ですから、これにやや近い状態の経験があり、この勤務を読んでも「御苦労様だな〜」と平和な感想を言う事は不可能ではありません。しかし本音で言えば、狂気の勤務状態です。一つ処置を間違えば生死に関わるギリギリの状態の緊張と、その処置にギリギリの時間しか与えられず、そのうえ次から次に「これでもか」の新たな重症患者の到来です。

今回は例の死産妊婦の救急要請との関連が問題視されていますが、


2:55 第1回入電時応援医師は帰宅しており当直2人体制。23:00に緊急手術が終わった重症患者Cと0:08に手術が終わった緊急帝王切開患者Bを中心の病棟管理を1名が行ない、もう1名は2:54に緊急入院した患者Dの診察中。
4:00 第2回入電時分娩後大量出血の緊急搬送要請あり、病床確保に1名は追われる。もう1名は3:32に緊急入院した破水患者Eと、5:55に出産となった患者Dの処置に追われる

私は医師の目から見ても「断った」のは妥当な状況判断と思います。また返事も「拒否」ではなく、本当に手が回らないので「後にして欲しい」です。こんな状況で搬送されても、まともな治療が行なえないの正しい状況判断です。医師は自分の力の限界を心得るのも重要な資質であり、無闇矢鱈に引き受けて患者の生命健康を損なってはならないからです。

それともっと重要な事は、二人は当直医です。夜間勤務医ではありません。医師の当直については平成14年3月19日付基発第0319007号「医療機関における 休日及び夜間勤務の適正化について」として、厚生労働省労働基準局長名で行政通達がなされており、

 常態としてほとんど労働する必要がない勤務のみを認めるものであり、病室の定時巡回、少数の要注意患者の検脈、検温等の特殊な措置を要しない軽度の、又は短時間の業務を行うことを目的とするものに限ること。したがって、原則として、通常の労働の継続は認められないが、救急医療等を行うことが稀にあっても、一般的にみて睡眠が充分とりうるものであれば差し支えないこと。

これに奈良医大の産科医の労働実態が適合しているかどうか御判断頂きたいと思います。

  • 「措置を要しない軽度の、又は短時間の業務」・・・どうしたって読めません。
  • 「通常の労働の継続は認められない」・・・・・・・・・・・それどころかバリバリで継続しています。
  • 「救急医療等を行うことが稀」・・・・・・・・・・・・・・・・・これが稀なら、なんでも稀になります。
  • 「一般的にみて睡眠が充分とりうるもの」・・・・・・・彼らは一睡もできていません。

通達無視の、当直とは名ばかりの違法夜間勤務が行なわれているのです。違法夜間勤務が行なわれている産科医に対し、産経新聞論説は、

 それにしても、痛みをこらえる患者をたらい回しにする行為は許されない。理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。

この論説を読んで何回か774氏様が寄せてくれたインパール作戦時の軍司令官牟田口廉也中将の訓示を思い出します。インパール作戦は御存知の通り、極めて杜撰な作戦計画の下、前線の実情を知ろうともしない後方の司令部の無謀な作戦指示で大惨敗を喫した作戦です。投入兵力8万6千人に対して、帰還時の兵力は僅か1万2千人まで減少、戦死者3万2千人余り、戦病者は4万人以上(一説には餓死者が多数)とされ、ノモンハン事変と並ぶ旧帝国陸軍の愚戦の象徴です。

牟田口軍司令官の訓示は、1944年7月3日に作戦中止指令が出された1週間後に行なわれています。つまり惨憺たる結果を受けて行なわれた訓示です。高木俊郎著「抗命 インパール作戦―烈師団長発狂す」(文芸春秋、1966)P248から引用します。

 しばらく待たされていると、軍司令官が出て来た。そして、あるいは激しく、あるいは悲痛な声をあげ、時には涙声さえまじえて、山上の垂訓ならぬ訓示を始めたのである。

 「諸君、佐藤烈兵団長は、軍命に背きコヒマ方面の戦線を放棄した。食う物がないから戦争は出来んと言って勝手に退りよった。これが皇軍か。皇軍は食う物がなくても戦いをしなけれぱならないのだ。兵器がない、やれ弾丸がない、食う物がないなどは戦いを放棄する理由にはならぬ。弾丸がなかったら銃剣があるじゃないか。銃剣がなくなれば、腕で行くんじゃ。腕もなくなったら足で蹴れ。足もやられたら口で噛みついて行け。日本男子には大和魂があるということを忘れちゃいかん。日本は神州である。神々が守って下さる。毛唐の奴ばらに日本が負けるものか。絶対に負けやせん。必勝の信念をもってやれ。食物がなくても命のある隈りやり抜くんじゃ。神州は不滅であることを忘れちゃいかん」

 この声涙共にくだる一時間余りの長広舌のため、あちらでも、こちらでも脳貧血を起して卒倒する者が続出した。高橋、薄井の両参謀も倒れた。それでも彼はいっこうに山上の迷言狂訓をやめようとはしなかった。神州不滅論も時により結構だが、栄養失調の私達将校には立って居ること自体が懸命の努力なのである。大尉以下の下級者には、人間が食うような物は何一つ当らないのだ。ようやくにして訓示も終り、彼は専属副官を従えて軍司令官宿舎の方へ帰って行った。私達は救われた思いで、それぞれの瀬降りへ帰ったのである。

私たちは牟田口軍司令官の訓示を狂気の沙汰と感じます。それがごく普通の感覚です。しかし産経の論説は牟田口軍司令官の訓示と、どれほどの差があると言うのでしょうか。インパールで牟田口軍司令官は「無茶口」「鬼畜」とまで言われていますが、産経論説にもこの言葉が十分当てはまると私は思います。

774氏774氏 2007/09/02 10:08 挑発ですか(笑)

7月10日、司令官であった牟田口中将は自らが建立させた遥拝所に幹部を集めて泣きながら次のように訓示した。「諸君、当直医は、院長命に背き夜間救急を放棄した。受け入れ態勢がないから医療は出来んと言って救急搬送を勝手に断りよった。これが病院か。病院は空床がなくても受け入れをしなければならないのだ。検査機器がない、やれ薬剤がない、機材がないなどは救急を放棄する理由にならぬ。MRIがなかったらCTがあるじゃないか。CTがなくなれば、XPでいくんじゃ。XPもなくなったら足で蹴って反応を見い。足もやられたら口で噛みついてJCSを確かめい。当直医には応召義務があるということを忘れちゃいかん。病院は公立である。市長が守って下さる・・・」

以下、訓示は一時間以上も続いたため、当直明け通常勤務後の残業の連続で、立っていることができない医師たちは次々と倒れた」

YosyanYosyan 2007/09/02 10:14 774氏様

元原稿では774氏様に特別リクエストするものだったのですが、やっぱりオリジナルの方がインパクトが強いかな〜と思って変更にしています。それに774氏様に用事があってレスがなかったら、一人相撲になってしまいますしね。

774氏774氏 2007/09/02 10:29 オリジナルは実は私ではないんです。最近全然見ませんが、元田舎医先生です。それと、牟田口司令長官は権限もないのに、撤退を主張した師団長を数人更迭しています。師団長は天皇から任命されるぐらいの役職です。しかし何の罰も受けませんでした。日本って、昔から何も変わっていませんね。日本人には2種類あり、エリート官僚とそれ以外。エリート官僚にはなぜか国内法は適応されず、全部部下や国民が犠牲を払うことになります。これは、例を挙げるときりがないですが、国や組織を確実に滅ぼします。医療界も同じ状況ですね、「救急は絶対に断るな、給料は宿直料しか出さん、でも責任は自分で取れ」。

InoueInoue 2007/09/02 10:57 牟田口は盧溝橋事件の現地指揮官(当時連隊長)でした。その直属の大隊長が、ガダルカナルで拙劣な指揮の末部隊を全滅させた一木清直。まったく、何がなんだか・・・

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/02 11:17
Wikiで牟田口廉也氏をひいて勉強していますが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%9F%E7%94%B0%E5%8F%A3%E5%BB%89%E4%B9%9F
すごいかたですね。とくに感動したのは
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>終戦後戦犯容疑で逮捕されるが、作戦失敗で日本軍の甚大な損害を招き、英軍の作戦遂行をむしろ容易にしただけであったため、不起訴処分となって釈放された。
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のくだりです。
ところで、こういう人物というのは、少し前までは、医者の世界にもよくいましたね。最近みないなあ〜。絶滅したのでしょうか?

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/02 11:24
泣かせます。
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一粒の米、一発の弾薬も届かない状況を危惧した第31師団長・佐藤幸徳陸軍中将は「作戦継続困難」と判断して度々撤退を進言する。しかし、牟田口はこれを拒絶し作戦継続を強要した。そこで佐藤は、「善戦敢闘六十日におよび人間に許されたる最大の忍耐を経てしかも刀折れ矢尽きたり。いずれの日にか再び来たって英霊に託びん。これを見て泣かざるものは人にあらず」(原文のふり仮名はカタカナ)と返電し6月1日に兵力を補給集積地とされたウクルルまで退却させた。
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ssdssd 2007/09/02 11:36 やはり、「因果応報」しかありませんよ。
奈良県立医大の産科は、崩壊すべきです。
これだけ頑張れる先生方なら、いくらでも素晴らしい新天地があるでしょう。
この場でいくら頑張っても「ほらまだやれる」と、つけあがるだけです。
「奈良県をネバダにしてしまえ」です。そうしないといつか「日本をネバダにしてしまえ」になります。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/02 11:42
すみません、ネバダって何ですか?

YosyanYosyan 2007/09/02 11:43 moto-tclinic様

あんまり先の大戦と史実を重ねる手法は意識的に避けているのですが、今回の奈良の死産騒動で仕掛けた騒ぎはインパール作戦に重なるように思えてなりません。最前線の産科医達は持てる戦力で最大限を超える仕事を行なっているのに、後方でヌクヌクと仕事をしているマスコミ大本営は「根性が足りん」とのみしか指令を出しません。反論しようとすれば「卑怯だ」「医師の本分を忘れている」「言い訳をすること自体が許せない」と切って捨て、少数の理解者の発言さえ封じ込めます。

マスコミが大本営かどうか適用が微妙かもしれませんが、今の世の中、それに類するような影響力を持っているように私は感じます。ネットもそれなりに影響力を持ち始めましたが、マスコミとはまだまだ格段の力の差があります。マスコミがクロと言えば多くの人はクロと信じ込みます。

これはあやふやな記憶なのですが、インパールの惨敗もノモンハンの悲劇も一般国民には伝えられなかったはずです。何も知らない一般国民は無敵皇軍を信じ込まされて、日本中を焼野原にされています。ネットの片隅でこうやって行なっている活動が、医療危機がもたらす結果にどれほどの影響力があるかどうかわかりませんが、ここだけでも声を上げておくのは、せめてもの抵抗かもしれません。

774氏774氏 2007/09/02 11:50 moto先生、インパールとガダルカナルと神風特別攻撃隊の手記は、先生が読まれるとかなり落ち込まれてしまうと思いますので、御止めになられた方が・・・

 にしても、産科って大学だけじゃなくて全国の産科医がエントリーの内容と代わらんぐらいしんどい勤務されているわけで、過労死しないほうが不思議。女性医師が増えてるけど、聞いてみたら「柔道しました」「陸上してました」と、私よりもはるかに強靭。でも、新しい生命の誕生という他科では得られない喜びと妊婦さんや家族からの感謝が心を支えてるんだろうな。それをへし折るDQN妊婦とマスゴミは、更には何の有効な対策をも打てない(わざと出さないのかも)政府は、逝ってよし。何が出生率低下だ、笑わせる。おまけに少子化問題を、75歳以上絶滅政策で解決しようなんて・・・

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/02 11:57
ネバダがわからん(泣。
原爆投下一ヶ月前のネバダ州の実験のことでしょうか?
ssd様の、短く鋭い突っ込みには、ときどきついて行けなくなります。
シュレーディンガーの猫もそのままだし。。
ノモンハンとガダルカナルですか。しかし、なんでみんな、そんなに近代史に詳しいんだろう?

774氏774氏 2007/09/02 12:02 moto先生、ネバダって産科医に対する訴訟が多すぎて、一人も産科医がいなくなった州です。

Yosyan先生、戦史と医療を重ねあわせているのではなく、戦前の悪い体質をそのまま引き継いでいるところに問題があると思っています。医療だけではありません。現代日本全体が旧軍の体質をそのまま引き継いでいると主張する学者もいます。いろんな要素がありますが、代表的なのは、上層部は責任を取らず下に押し付ける、下は責任を取らされるのが嫌だから真実を言わなくなる。結果として何も進歩しない。他にもたくさん挙げたいですが、最も大事なのはこの点にあると思います。なお、大本営にあたるのは当然日本政府です。マスコミは政府の広報機関に過ぎません。

774氏774氏 2007/09/02 12:29 一つだけ具体例を挙げます。この前、外務省残酷物語のエントリーがありましたが、エリートコースでなかった杉原氏は、外交官として人道上も国際法上も全く問題のない行為をしたわけですが、何の根拠もない命令に違反したという事で「戦後」更迭されています。一方、超エリートコースを歩んでいた、駐米大使での野村氏は、アメリカに宣戦布告書を渡すのが政府命令より2時間も遅れるという、歴史に残る大失敗をしていながら、戦後勲一等を叙勲しています。海軍は真珠湾攻撃を時間通りに成し遂げるという奇跡をおこない、山本長官の「出鼻でアメリカ国民の戦意を挫き、講和にもって行く」という計画を、逆に日本が戦線布告書を渡すのが送れたことが知れ渡った事で「卑怯なジャップは皆殺しにしてしまえ」とアメリカ国民が一致団結をするという反対の結果を生んでいます。実際アメリカは中立法があり、イギリスが降伏寸前でも戦争反対派が過半数を占め、日本が太平洋艦隊を全滅させた直後は、「ルーズベルトがシーツの中で真っ青になり」、「防衛ラインをロッキー山脈に引くべきである」という政府高官と、敗戦ムードでしたから山本長官の思惑通りになったのですから、この宣戦布告の遅れは許されるものではありません。でも言い訳して(前日に宴会があって英訳が間に合わなかったと。そんなの日本語のまま渡せばいいのです)何の責任も取らされていないんですから。現代の官僚組織もそうじゃないですか。まだ議員のほうが、不祥事が発覚すると責任とって辞め、選挙の洗礼を受けるだけましです。無論、戦意を挫いたぐらいでアメリカが講和に乗るわけないという意見もありますが、今は組織論の話ですのでYosyan先生が特別コーナーを作ってくれてからにします(冗談です)

YosyanYosyan 2007/09/02 12:36 moto-tclinic様

時々わからない言葉は出てくることがあります。コメントでも私をよほど物知りと勘違いされている方がおられて、説明無しでキーワードを使ってこられる方も少なくありません。私は管理人ですから泥縄で勉強させられますけどね。

近代史、とくに大戦終了までの昭和史は、774氏様も御指摘のように読まれないほうが良いかもしれません。ノモンハンもガダルカナルもインパールも、いや硫黄島だって悲惨に尽きる話です。知識として知っておいて悪いと思いませんが、moto-tclinic様の繊細な神経に耐えられるか私も心配です。

blueskybluesky 2007/09/02 12:38 *マスコミよ 頭がマヒか 夏の夜
いつもお世話になっております。更に先生の毎回の筆力にはひれ伏しますです。
ろくに取材もせずに出鱈目な報道を繰り返す、無知なのか意図的か思い込みと勝手な信念(精神論を含む)に基づく大嘘と似非正義をさらっとしれっとまぜこんで世論を誤った方向に誘導する、報道被害については法的な反撃が無い限りは反省も謝罪もしない(法的な反撃があっても形だけの謝罪にしか見えないが)マスコミはいまやまさに「不利益が利益を上回る有害な社会的存在」になりつつあるように思えます。そういう意味で、今回奈良医大がホームページで反論に及んだのは、ある意味「正解」であったし(入局希望者の意志撤回という副作用もあったという噂もあるが)、もはや「沈黙は金」ではないと思います。マスコミが広告主である財界の意向と「日本記者クラブ」という安易な取材源を手放したくないばかりに「75歳以上絶滅政策」には殆ど言及せず、医療現場を荒廃させる愚を繰り返すことに、我々はこんな形であっても断固声を上げ続けるべきでしょう。なお、奈良医大のみならず、他の報道された医療機関についても誤報が多かったと聞き及んでおります。

峰村健司峰村健司 2007/09/02 12:49 宮司復活。http://blogs.yahoo.co.jp/yoshimizushrine/49135984.html
でも当該エントリはコメント欄が抹消されているので、「次の記事」とか「前の記事」にコメント残し。

HekichinHekichin 2007/09/02 12:54 moto-clinic様
こちらが参考になりますでしょうか?
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第2回 ラスベガスの医療危機 李 啓充 医師/作家(在ボストン)
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2002dir/n2481dir/n2481_06.htm#00
「過誤保険の保険料の高騰は,特に,産科・救急外科など,過誤訴訟のリスクが高い科の診療にたずさわる医師を直撃した。それまで,年4万ドルだった保険料が,年20万ドルを超すことになった例も稀ではなく,「過誤保険の保険料を払うためだけに診療をするなど馬鹿げている」と,医師を廃業したり,産科医が妊娠中の患者を置き去りにして過誤保険料が高いネバダ州から安いカリフォルニア州に転出したり,家庭医が保険料を安くするために産科診療をやめたりする事例が続出したのである。 」
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奈良の先生方が集団移籍、例えば佐沼とか尾鷲とか「ある特定の要素」により産科医師不足になっている地域に移籍してしまえば、奈良はこれらの地域より「**が低い」って意思表明になるんですけどね〜でも分かるのはネット医師のみでしょうけど。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/02 12:57 >774氏様
ああ、そうか。思い出しました。そうだ、そういえばそういう話があった。ありがとうございました。
インパール作戦の話のあとだったんで、ミャンマーの地名かとおもって、地図眺めて調べておりました。。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/02 13:00 >Hekichin様
ありがとうございます。わたしも、その連載を、前に一気に通読しまして、ネバダの話を知ったのでした。思い出しました。

774氏774氏 2007/09/02 13:17 おっと失敬、事務次官に出世し勲一等受けたのはその部下達ですた。彼らも超エリートコースに乗っているので、本筋は同じです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/02 13:22
ガダルカナルで思い出しました。エントリーと外れて申し訳ないですが、珍しい話だと思うので披露させていただきます。
昔、皮膚科医としてアトピーを診ていた頃の話、私が診ていた最高齢のアトピーの方で、当時80歳くらいの人がいました。
大正生まれで、幼少児期からなのですが、Sulzbergerが「アトピー性皮膚炎」を命名したのが1933(昭和8年)ですから、当時の日本では病気そのものが珍しかったそうです。
裕福な家の方で、旧制中学に進むに当たって作らせたラシャの制服が肌に合わず、痒くて往生したとのこと。
で、徴兵され、ガダルカナルに行きました。
蛇やカエルを食べて飢えをしのぎ、散々な目にあったそうですが、不思議なことに、その間、あれほど日本で悩まされていた湿疹はピタリと止まり、皮膚に関してだけは、快適でガダルカナルは天国であったそうです。同僚は飢えでバタバタと死んでいったそうですが。
で、復員してしばらくは調子良かったそうですが、2〜3年してまた湿疹でてきたそうです。
ステロイド外用剤がアトピーに有効だと初めて報告されたのが1952年(昭和28年)、本邦での発売が1953年ですから、ステロイドのリバウンドとかは関係なく、純然たるアトピーの悪化再燃でして、いろいろ考えさせられました。
1)飢餓=絶食療法が効いたのか?
2)蛇やカエル=制限食(代替食)療法?
3)転地療法?
疾患も時代とともに推移がありますから、歴史をひも解くと、面白いことが見つかるのかもしれません。
PS:わたしの定番トラウマのアトピー話、脱線すみません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/02 13:25
あ、あと、
4)極度の緊張のせい?
という説もありました。
阪神大震災の直後、アトピーの人たちの皮疹がなぜか改善した、という報告がありました。

774氏774氏 2007/09/02 13:39 moto先生、あの時代の話はマジで止めておかれた方が・・・「飢えに苦しんでいるが、今日は白豚にありつけた」という手記までありますので・・・豚が生息している島ではなく、白豚とは・・・

一産科医一産科医 2007/09/02 13:46 某巨大掲示板より
これは硫黄島ですが。

194 名前: 卵の名無しさん [sage] 投稿日: 2007/09/02(日) 11:17:20 ID:g8M0KGtt0
●訣別の電文(平成20・○・○○発)
「医局最後の関頭に直面せり。DQN患者+マスゴミ来攻以来麾下医局員の敢闘は真に鬼神を哭かしむるものあり。
特に想像を越えたる物量的優勢をもってする県南部北部よりの攻撃に対し、苑然当直2名を以って
克く健闘を続けたるは小職自ら聊か悦びとする所なり。
然れども飽くなき患者マスゴミの猛攻に相次で斃れ為に御期待に反し此の地を失う外なきに至りしは
小職の誠に恐懼に堪えざる所にして、幾重にもお詫び申し上ぐ。
今や入局者尽き後期研修医も涸れ医局員逃散し最後の敢闘を行はんとするに方(あた)り、
熟々(つらつら)これまでの医療を思ひ、粉骨砕身も亦悔いず。
特に本学を再建せざる限り大和は永遠に安からざるに思ひ至り、縦ひ魂魄となるも誓って産科医療の
捲土重来の魁たらんことを期す。
茲(ここ)に最後の関頭に立ち、重ねて衷情を披瀝すると共に、只管(ひたすら)産科医療の
復興と安泰とを祈念しつつ永へ(とこしえ)に御別れ申し上ぐ。
尚、大阪、京都に就ては同学麾下医局員如何なるDQNの攻撃をも断固破摧し得るを確信するも
何卒宜しく御願い申し上ぐ。
終わりに左記駄作御笑覧に供す。何卒玉斧を乞ふ。
(左記)
母児の為重きつとめを果し得で 精魂尽き果て散るぞ悲しき
仇討ちで野辺に朽ち果つ医師は又 七度生まれてもメスを執らむぞ
マスゴミの島に蔓る(はびこる)その時の 御国の行手一途に思ふ ○林教授」

774氏774氏 2007/09/02 16:01 ジョージ・W・ブッシュ大統領による一般教書演説 米国議会、ワシントンD.C.
2003年1月28日
http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-jp0280.html

 第2の目標は、国民全員に質が高く利用可能な医療を提供することである。米国の医療制度は、技術と革新の模範となっており、われわれに長寿をもたらす新たな発見が次々と生まれている。にもかかわらず、多くの人々にとって医療費は高すぎるし、医療保険に全く加入していない人たちも多い。こうした問題は、保険の適用と治療を制限するような国民皆医療保険制度では解決できない。

 そのかわり、われわれは、国民全員が優良な保険に加入し、自分で医師を選び、高齢者や低所得者が必要な援助を得られるような制度の確立を目指さなければならない。官僚や法廷弁護士や健康医療団体(HMO)ではなく、医師や看護師や患者が再び米国の医療を主導するようにしなければならない。

 医療改革は、まずメディケアから始めなければならない。メディケアは、思いやりのある社会に課された責務である。われわれは、米国の医療に変革をもたらしている予防医学や新薬を、高齢者が利用できるようにすることにより、この責務を新たにしなければならない。

 現在のメディケアに満足している高齢者に対しては、現在の制度がそのまま適用されるようにすべきである。そして、皆さんのように、すなわち議員やそのスタッフ、その他の連邦政府職員と同様に、すべての高齢者が、処方薬を提供する医療保険制度を選択できるようにすべきである。

 私の予算案では、今後10年間に、メディケアの改革と強化に、さらに4000億ドルを計上している。メディケアの強化については、民主・共和両党の指導者が何年にもわたって協議してきた。私は、この新たな議会の議員に、今年、行動に出ることを求める。

 米国の医療制度を改善するためには、高額な医療費の最大の原因のひとつに取り組まねばならない。それは、医師や病院が不当に訴えられることを常に恐れていなければならないことである。行き過ぎた訴訟のために、医療費全体が上昇し、優秀な医師が失なわれている。ばかげた訴訟で病気が治ったことはない。私は、議会が医療責任改革法案を可決するよう求める。

774氏774氏 2007/09/02 16:30  コモンズの悲劇(The Tragedy of Commons)とは、誰でも自由に利用できる共有資源が乱獲されることによって資源の枯渇を招いてしまうということ。生物学者ギャレット・ハーディン(1915年-2003年)が1968年に『サイエンス』誌に論文「The Tragedy of Commons」を発表したことで、一般に広く認知されるようになった。共有地の悲劇ともいう。

 たとえば、共有地(コモンズ)である牧草地に複数の農民が牛を放牧する。農民は利益の最大化を求めてより多くの牛を放牧する。自身の所有地であれば、牛が牧草を食べ尽くさないように数を調整するが、共有地では、自身が牛を増やさないと他の農民が牛を増やしてしまい、自身の取り分が減ってしまうので、牛を無尽蔵に増やし続ける結果になる。こうして農民が共有地を自由に利用する限り、資源である牧草地は荒れ果て、結果としてすべての農民が被害を受ける。

 地球環境問題もコモンズの悲劇としてたとえることができる。地球はみんなものであるからこそ、みんなが好き勝手に利用し、環境を悪化させてしまう。地球の利用にかかわる財産権を定めることが、地球を適切に管理することにつながるのであって、環境悪化に対する処方箋としては、環境税の導入などが考えられる。

 しかし、実際にコモンズの悲劇が起こるのはその共有地がオープンアクセスの場合に限られ、多くの場合、所有権を利害関係者に与えて管理させる事によってコモンズの悲劇を防ぐ事が出来る。

 現地住民が利用する共有地や共有資源が、地域コミュニティのメンバーに限って利用できる「ローカル・コモンズ」である場合、相互利益に配慮して利用しており、収奪的利用は抑制されている場合が多い。つまり、コモンズの悲劇は成り立たないのであって、かえって、身近なコモンズを利用して牧畜などを行う現地住民は、コモンズの適性管理を行っている草の根民活として評価する立場もある。これは、自然保護や地球環境問題の解決を、住民のローカル・コモンズ管理の手法に見習うという発想をもたらした。

 ハーディンが論文を発表した後、多くの研究者が反論を唱えた。そしてハーディン自身もコモンズの悲劇が起こるのはオープンアクセスの時であると自らの主張を改めた。しかし、発表以後、この論文を中心に議論が巻き起こり、この分野の研究が大きく発展した。その意味でのハーディンの功績は大きい。

 また、知的財産権関連の議論の中で、コモンズの悲劇がアナロジーとしてしばしば利用されている。

youriyouri 2007/09/02 16:39
>ばかげた訴訟で病気が治ったことはない。
>ばかげた訴訟で病気が治ったことはない。
>ばかげた訴訟で病気が治ったことはない。

 私はアンチ・ブッシュですが、この発言には傑作ポチを押させてもらいます。

YosyanYosyan 2007/09/02 17:06
 >ばかげた訴訟で病気が治ったことはない。

ブッシュも伊達にアメリカ大統領を2期もやっていませんね。部分的には評価できるところも有るということです。ちょっとこれに続けてみたいのですが、

 >ばかげた訴訟で真相などわかったことはない。

ここまでは言いすぎでしょうかね。医療訴訟の知識が増えるごとに、そうとしか思えなくなっています。

774氏774氏 2007/09/02 17:29
>コモンズの悲劇が起こるのはオープンアクセスの時
これは経済用語でwikiPediaのコピペですが、低医療費と高い質を維持するためには、アクセス制限をかけないと国民皆保険制度は守れないということを意味します。つまり、今のようなフリーアクセスでは有限である医療資源が枯渇してしまうのです。今まで医療側が主張してきた、低コスト・フリーアクセス・高いクオリティーを3つとも維持するのは不可能という、なんとなく言っていた意見が、実は既に理論的があったわけです。これは大きいと思います。

KYKY 2007/09/02 20:33 AERA(アエラ) 2007年9月10日号
出版社名 朝日新聞社(雑誌コード:21012)
発売日 2007年09月03日発売
「全国たらい回しランキング」燃料キター!

BugsyBugsy 2007/09/02 20:39
医師の勤務交代制、開業医の時間外診療への補助とは 患者受診のフリーアクセスへの道をさらに促進する方向へ行政が誘導することであって、今回のように対応できる医師が不在でうまく行かないと感情的になって、一方的にマスコミが叩くという構造になりつつあるようです。無論医療費を削減しつつ可能であるというのがインパール作戦と重なるところです。
需要にお答えできる限界点は過ぎつつあるのに恣意的に無視している点(いや全く知らないのか?)では 牟田口中将の訓話に類似していますね。

昨日のお話でしたが、満員で店が客の需要に答えられない時の方策として
1. 店の数を増やす
2. 店の規模を拡大する
とありました。
現在の医療の状況を鑑みるに 店舗の営業時間の短縮か、品揃えを減らすかしない段階に来ているようです。
それを公表すると地域住民の憤激をかうので「猫に鈴をつける役目は真っ平な」病院幹部が見て見ぬふりをしています。
「自分達の若い頃だって忙しい毎日だった。今の若い医者はガッツがない。」などど 嘯く彼らもB級戦犯です。最近の若手医師の多忙ぶりに驚いてしまっても、何ら有効な手が打てないオイラもC級戦犯位の責任はあるなあ。

clonidineclonidine 2007/09/02 21:50 ネバダ州では、産科医は不足しても全滅ではないと思います。女優の向井亜紀さんの代理母は、ネバダ州で双胎を帝王切開分娩してますから、少なくとも双胎や帝王切開の可能な病院はあるのでしょう。



http://www.choicetrust.com/servlet/com.kx.cs.servlets.CsServlet?channel=health&product=doctor&subproduct=search&anchor=
によると、ネバダ州の産婦人科医は840名Hitします。詳細な検索は有料になりますので、ObとGynを区別した数字は拾えませんでしたが、皆無ということではなさそうです。

我々は医師です。どこかの新聞の論説委員ではありません。ネットで約10分検索すれば入手できる情報については、きちんとウラをとった上で発言されるようお願いします。

峰村健司峰村健司 2007/09/02 22:36 clonidineさんにとってはその程度の検索は簡単かもしれませんが、バリバリ日本人の僕には難しいなー。それはそうと840人は凄いですね。人口は220万人くらいのようです。人口比で言えば、奈良の5倍くらいいる計算ですかね。

あみぎだらあみぎだら 2007/09/02 22:58 オーエン・スタンレー山脈越えも忘れたらあかんですよ。

アメリカの戦闘機乗りは、数ヶ月の前線勤務後に、休暇,訓練あり。
我がハヤブサ戦闘隊は、補給もなく、紫外線で真っ赤に腫らした眼で飛び続け,
あげく不細工なP38の急降下不意打ちにばたばた墜とされた。
初弾をかわす暇もなく。

それらにくらべたら、なんぼかましな環境で働いてます。米の飯は食えるし。
でも、辛い。
地獄のニューギニア戦線でも生き残った戦闘機乗りはいますけど、彼らは「逃げ」の汚名を背負わなければならなかった。
あなたは責める事ができますか?

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/03 00:06 >clonidine様
僭越ながら申し上げますが、裏をとってないというか、ちゃんと話を把握してないのはclonidine様のほうで、Nevadaの話は、Heckichin様ご教示のホムペにありますように2002年、いまから5年前の話ですよ。
英語のソース示せということでしたら、こちらにありました。やはり2002年11月、李先生のエッセイの9か月あとですが。
http://www.reviewjournal.com/lvrj_home/2002/Nov-05-Tue-2002/news/19994666.html
産婦人科医が他州へ逃げてしまった結果、子宮筋腫のオペがどんどん後回しになったり、EMSに妊婦が殺到する様子が書かれています。
たしかに、現在の奈良に似ています。
>峰村健司様
ホムペによれば、外国語がご趣味のようで、鉄門をフランス語だか、韓国語だかで受験されたとか。「バリバリ日本人の僕には難しいなー」ってのは皮肉なのでしょうか(^^;。
まあ、たしかに、clonidine様ご指摘のように、ソース確認して鵜呑みにしない姿勢は大切とは思います。

某勤務医某勤務医 2007/09/03 00:08 「アメリカ医療の光と影」によれば、
 カリフォルニアでは、すでに1975年に、州民の医療へのアクセスを保証するために,医療過誤訴訟を他の民事訴訟と区別して扱うことを骨子とする医療被害補償改革法(Medical Injury Compensation Reform Act,MICRA)が成立している。同法の最大の眼目は,精神的苦痛など非経済的損失に対する賠償金の上限を25万ドルとし,賠償金の高額化に歯止めをかけることにあった。
 2003年ブッシュ大統領による医療保険制度改革案は、医療過誤に係る責任の上限設定しようというもので、約2 割のアメリカの病院において、産科、脳神経外科、整形外科のような弁護士が医療過誤訴訟を提起しやすい部門を縮小したこと、病院医師は訴訟での責任追及を予防するために、医療上必要とされている以上の過剰な検査や治療をせざるを得ないこと、医療過誤保険料及び防衛的な医療行為は、連邦政府の医療負担を年当たり280億ドル以上引き上げていることを挙げ、これらの状況を改善するため、医療提供側による医療過誤の責任を制限する(慰謝料のような非経済的な損失に係る請求の上限を25万ドルとする)ための法律の成立が必要とした。
 2003年の医療過誤訴訟改革法案は連邦議会では最終的には通らなかったようだ。この年にテキサス州で法規制がなされた。
 カリフォルニアの例に倣い,法律で賠償金の額に何らかの上限を設定する州は現在20を超えているが,アラバマ,カンザスなど,法律を制定したものの賠償金の上限を法律で規制するのは違憲と法廷で判断された州も7州ある。
「医療過誤訴訟改革」http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/217/21705.pdf に当時の状況が詳しく書かれている。
 2003年3月13日、連邦下院は医療過誤訴訟改革法案 (Help Efficient, Accessible, Low-cost, Timely Healthcare Act of 2003: H.R.5)を229対196で可決した。共和党が多数を握る下院において、さほどの困難もなく可決された本法案は、「非経済的損害賠償」(non-economic damages)についての上限額の設定等を定めている。共和党の主張は、頻発する訴訟や多額の賠償金が、医療過誤保険料の高騰と医療サービスの停滞という問題をもたらしている。したがって、このような問題を解決するためには、既に改革を行った州を参考に賠償額の上限を設定するなどの措置を講じなければならない。一方、民主党の主張は、保険料の高騰は頻発する訴訟がもたらしているのではなく、むしろ保険会社自身に問題がある。つまり、景気の低迷に伴う株式の損失を穴埋めするために保険料の値上げを行っているのであって、今、必要とされていることは医療過誤訴訟改革ではなく、保険会社への規制の強化である。また仮にこの改革を強行すれば、医療過誤被害者が犠牲になるだけである、と主張されていた。
 現時点での医療訴訟危機マップが、米国医師会AMA(American Medical Association) のサイトhttp://www.ama-assn.org/ama/noindex/category/11871.html にある。現在17州が危機状態にある。カリフォルニア・テキサスをはじめ、8つの州は落ち着いている。産科、地方の家庭医、脳外科、ハイリスク専門医 が特に危険な状態にある。
 以上を、某ブログより引用。

峰村健司峰村健司 2007/09/03 00:24 >某勤務医様
近未来の日本を感じさせるようで読んでて怖くなりますた。日本の医療訴訟問題はどこで手打ちになるのでしょうか…
>moto-tclinic様
そうそう入試では英語の代わりに、仏語3問と韓国語(当時は朝鮮語)2問を受けたですよ。特に朝鮮語は簡単で今でも忘れない和文朝訳問題「中国に関する本を読んでみました」「この車は高すぎて買えません」こんなのが5問で大問1問分ですよ。仏語もこれよりは難しいですが英語より全然楽で、こんなんですから普通の横文字にはめっぽう弱いのでございます。

YUNYUNYUNYUN 2007/09/03 00:28 > 同法の最大の眼目は,精神的苦痛など非経済的損失に対する賠償金の上限を25万ドルとし,賠償金の高額化に歯止めをかけることにあった

アメリカの損害賠償額上限法が、すごく厳しいもののように言われますが、金額で言えば、日本の慰謝料相場と同等か、アメリカのほうがまだ高いくらいです。
1ドル=115円換算とすると、25万ドルは2875万円。日本では一家の大黒柱が死んだ場合の慰謝料が2000万円程度です。
アメリカの事情に詳しい方がおられましたら、教えていただきたいのですが、
アメリカでは「経済的損失」(逸失利益等の物質的損害)については、上限は設けていないのでしょうか?あるいは、今後に設けようという考え方はあるのでしょうか。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/03 01:08 >某勤務医様
御掲示のAMAのMedical liability crisis mapの解説文によれば、The crisis has particularly affected obstetricians, rural family physicians, neurosurgeons, and other high-risk specialists. だから、ネバダの産科、まだ危ないんじゃないかな。カリフォルニアやテキサスがいいみたいですね。
同じAMAのサイト内にあるMedical Liability Reform -- Now!
http://www.ama-assn.org/ama1/pub/upload/mm/-1/mlrnow.pdf
に各州の詳細が分けて書いてあります。
ネバダでは、やはり産科医さがしは大変みたいです。ある産科医は医賠責の金額が年間$3万から$8万に上がったので産科を辞めたそうです。その産科医は40人の妊婦を抱えていて、ある妊婦は、60地区の産科医に打診したが、結局合併症が生じるまで担当医が見つからず、別の妊婦は50人の産科医に電話したが担当医が見つからず、ユタ州まで行くことにしたそうです

・・・なんだか、BBCの同時通訳みたいな文章になってきました。

別の産科医は、年間に支払う保険金額が$10万8千になってメーン州に移ることにしたそうです。しかし、ネバダで12年の間に診ていた8千人の患者からは、まだ連絡があるそうで、「どんなに良い産科医といえど、訴訟を起こされることはあり、それは誤診や医療過誤のせいというよりは地雷を踏むようなものだ」と言っています。

「地雷を踏む」って英語でhit a jackpotって言うんだ〜。
医療崩壊用語集、英語版、ってだれかつくらないかな。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/09/03 01:17
・・うーん、jackpotが何なのか、どうしても気になるんでついつい調べてしまった。こういう性格だから、鬱になるんだ。。(泣
「 jackpotとはポーカーで使う掛け金を入れる箱、積み立て賞金。 『hit the jackpot』で大当たりをかっさらうの意味。」だそうです。良い意味じゃん。

ところで、訴訟起こされるたびに年間保険金額が高くなって、最後には他州に出ざるを得ないということだと、訴訟がその医師の技量というより確率的なものだとすれば、経験豊かな医師はその州には定着できない=未熟な医師しかいなくなる、ということにはならないだろうか?

chaimdchaimd 2007/09/03 01:59
YUNYUNさま
こんなんみつけました。
『交通事故の被害・損失の経済的分析に関する調査研究結果について』
http://www8.cao.go.jp/koutu/chou-ken/h19/gaiyou.pdf

この研究では、アメリカは日本の1.6倍くらいです。

774氏774氏 2007/09/03 02:08
 もう奈良の周産期医療再建はあきらめて、近隣府県の医療を維持するしかないかもしれません。アクセス制限は上記論文どおり必須でしょう。

 なんだかんだ言われるブッシュ大統領も、馬鹿な訴訟を制限する法律が必要であると提案したこと、イラクを攻撃してドルの価値を守ったこと=世界経済崩壊を阻止した事は、功績として認めなければならないでしょう。後者については以前書きましたから説明は省略します。

某勤務医某勤務医 2007/09/03 03:04 日本とは逆に、
英米のガン専門医の間ではアクセスの悪さを目下一番の標的にしつつあるようです。米国では、ガン学会が大金をつぎ込んで医療保険キャンペーンをはじめた。「検診と治療が受けられなければ、予防と研究の進歩にはあまり意味がなくなってしまうという結論に達した。医療システムを整備しなければ、アクセスの不足がタバコより大きながん死亡の原因になるだろう」。英国でのガン5年生存率は欧州平均より低いままで、肺・乳・前立腺・大腸がんの生存率は東欧を除いて低い水準にある。「早期の診断が充分なされておらず、患者が最適な治療にアクセスできるよう保証する必要がある」

IkegamiIkegami 2007/09/03 14:26 「14時間もの大手術の重症患者D」→「14時間もの大手術の重症患者C」では?

YosyanYosyan 2007/09/03 14:36 Ikegami様

ありがとうございました。謹んで訂正させて頂きます。

cobonzucobonzu 2007/09/03 18:54 いくらなんでもこれでは「奈良妊婦死産:最初要請の病院 受け入れに余力」に対して裁判で勝てないですかね?10万くらいかもしれませんが。

葛城労働基準監督署へ善意の人が通報するというのはどうでしょうね?当事者じゃないと相手をしてくれないのでしょうか。

fuzzy_spacefuzzy_space 2007/09/03 20:08 初めてのアクセスで偶然こちらの議論を拝見しました。・・・とっても辛いです。産科医が想像以上、こんなに大変だったとは。こんな状況があってもいいのかって(わたしの業界も震度7レベルですので相当感じるところありです)。また来ます。・・・部外者がくだらない感想ですみませんでした。

koumekoume 2007/09/03 22:19 以前、空気を読まずにJMM(村上龍のメルマガ)のことを、頓珍漢な理解で書いてしまって、やらかしたな〜と思ったものですが、懲りずに本日配信のJMMでは村上龍が医療に関する本を読み、特に小松秀樹先生の『医療崩壊・立ち去り型サボタージュ
とは何か』と、岡井崇先生の『ノーフォールト』に感心した旨書かれていました。
以前、医療業界について普通の人々に広く伝えるためには、こういった自分発信のメディアを持つ有名人に問題を理解してもらうのがいいんじゃないか、例えば中田英寿が医療問題についてしっかり勉強して熱心に情報発信するようになれば相当強力じゃないか・・・と考えていたんですが、もう今さら「医療崩壊を食い止めるには、どうする?」なんて空気でもなくなってしまったのが、なんかすごいですね。本当に激動と言う感じがします。

どうもねどうもね 2007/09/04 00:27 盛り上がってるところ申し訳ないが、君らがやってることは、せいぜいネットでの評論家ごっこにすぎない(それともうっぷんばらしか)。自分たちの方がメディアよりまともだとでも思っているのかな?「DQN妊婦とマスゴミ」なんて、思考停止の言い捨てをしている段階で、マスコミの「犯人探し」と同じだろ?マスコミは犯人を病院だと断定し、君らは犯人を妊婦だと断定した。どちらも、根拠を示していない。同じ条件なら、こんなところでコソコソ大物ごっこをしている君たちより、マスコミの方が信用できるのではないかな。まあ、個人的には、当直医の二人に責はないと思うがね。

お弟子お弟子 2007/09/04 02:41 >cobonzu様 手間ばかりかかり、たとえ勝訴しても相手も反省しないし。少しでも実効性を上げようとするなら署名記事での記者個人を相手に名誉毀損の裁判を起こすことのほうが萎縮効果は高いんじゃないでしょうか。
 報道でこりゃ違法労働状態だな思わせる記事を見かけるごとに、管轄の労働基準監督署を調べて「病院への当直許可の有無と実態の把握」「労働実態調査と指導」についての投書文を淡々とパソコン上では書いていますが、郵送するまでの行動決断力がないヘタレでして……。むろん当事者じゃなくてもできることです。行政へじゃなくて刑事でという意味なら告訴は当事者じゃないと出来ませんが告発なら出来ます。

いのしんいのしん 2007/09/04 02:47 yosyan先生、お久しぶりです。たぶん、というか、やはり、というか「どうもね」氏のような論調は出てくるだろうと思ってました。そして、ある意味一つの意見の主流であるでしょう...そして日本の新生児および胎児、そして妊産婦死亡率は必ず増加します。俺は、産科をドロップアウトした医師を支持はしませんが、逆に責めたりもしません。今や空しいだけです。

774氏774氏 2007/09/04 06:26
裁判は真実を解明する場所ではない、ばかげた訴訟で病気が治ったことはない。

 裁判なんか起きるから真実を提示できない事を知らない程度の一般人なのか、釣りなのか、委員会なのか、高度な縦読み職人なのか分からんのが混じってるな。法廷戦術というものがあり、裁判で真っ先に全証拠を先に出すのは馬鹿。いろいろ仄めかしつつ相手の出方をみながら、逆転していくものだ。だから医療に裁判は害悪以外の何者でもない。真実が分からなくなり、今後の再発防止に生かすことができなくなる。

>報道でこりゃ違法労働状態だな思わせる記事を見かけるごとに、
お弟子殿、上にあるラバウルのパイロットみたいに消耗しつくして過労死しまっせ。

いのしん様
>産科をドロップアウトした医師を支持はしませんが、
私は支持します。あんな生活は奴隷以下です。奴隷にはきちんと食事と休息時間があります。受刑者のほうが産科医よりよほどましな生活を送っています。
>今や空しいだけです。
医師や専門職も含めた労働力というのは、「雇用のミスマッチ」を是正する政府計画どおり市場化しましたので、産科・小児科医が激減するのも市場原理に基づくものとなっており、医師個人に責任はありません。深く関与している日本政府には激減させた責任があります。

774氏774氏 2007/09/04 06:51 それと大事なことを書き忘れていたな。患者→医師へは言いたい放題だが、医師→患者、その他は守秘義務があるからほとんど何もいえない。当然マスゴミ戦略は患者側が圧倒的に有利だわさ。

お弟子お弟子 2007/09/04 17:04 >774氏殿 いや、多少自分に問い合わせあるかもしれないけど、調査することは労基署の仕事。労基署はそれをどう却下しようか頭を捻るんだろうけど。それより自分がどれだけの人にどれだけ恨まれるか喜ばれるかのテスト地雷をあえて踏むだけのモチベーション(怒りなど)があんましわいてこないのがヘタレの原因。文章自体はほぼ毎回似たような文なんでそう手間じゃない。

nonenononeno 2007/09/09 17:35 「どうも」氏の発言はとても参考になりますね。
>君らがやってることは、せいぜいネットでの評論家ごっこにすぎない(それともうっぷんばらしか)
これには同意しませんが、確かに、1ブログでの論評は一般的な影響力は乏しいというのも現実じゃないかなと思います。
単純に犯人・非犯人に二分できないのは言うまでもありませんが、こういった人が世間に大勢いるかと思うと既にマスコミに操られている感があります。