映画『よなよなペンギン』個人的感想

ZERO-tortoise2009-12-22

 そもそも旧・虫プロが母体と言えるマッドハウスりんたろうに恩義がある。りんたろうマッドハウス制作の別の監督の予告編用のコンテを切ったり、クレジットされないが原画を描いたりしているという。だから、満を持してのりんたろう監督初のフルCG作品に、増資をしてまで15億円と言われる製作費を用意した。りんたろう監督は、物珍しい初めてのおもちゃを手にした子供のように、CGを楽しむ映像を創っている。ぐるぐるぐるぐる回る映像で遊んでいる。
「ポニョ」の二匹目のドジョウを狙ったかの作品で、松竹はジブリのそれを模倣したかのようなプロモーションをしている。りんたろうも、そんな映画のフリをしている。ラスト10分までは。
 ラスト10分をむかえて、りんたろうは手にしたCGで、『幻魔大戦』の炎の竜を描く。『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』の惑星大アンドロメダでのスペクタクルをCGで現出させる。5分間だけ、きっとりんたろう監督は描きたい画を存分にフィルムに焼き付けたように僕には思えた。
 原作にりんたろうと共同クレジットになっている「林すみこ」について検索してみたが、「よなよな」関連以外ではヒットしなかった。僕の中学時代の同級生にりんたろうの娘がいた。彼女の名前は「すみこ」ではなかったが、読み方を換えればそう読める名前だ。あの林がお父さんと一緒に書いた原作ならいいなと想像する。そして僕は本当に『よなよなペンギン』がヒットして欲しいと心から願う。

__________________________

2009年12月23日よりロードショー

監督:りんたろう
製作:丸田順悟
共同製作:デニス・フリードマン
プロデューサー:八巻磐、広川ひろし、伊藤龍太郎
企画:丸山正雄
原作:りんたろう、林すみこ
脚本:金春智子
キャラクターデザイン:寺田克也
音楽:本多俊之
アニメーション制作:マッドハウス

公式サイト