吾妻渓谷コンプリート計画 鍛冶屋沢から屏風岩上部へ



明後日(6/17)のNHKラジオあさいちばんの「列島あさいち情報」に生出演します。


(後日追記、2014/06/17 生放送の録音です。)
http://ecotourism.or.jp/akagi/archive/2014/nhkradio20140617.mp3


この春はいろんなことに取り組みすぎて、一体何を話そうか…と迷っていましたが、「岩櫃城」「真田氏」「忍者」「忍びの乱」についてお話することにしました。



1563年、武田方真田幸隆軍が岩櫃城を攻めた際、幸隆の本隊は吾妻渓谷を通ったという伝説。これが本当だったとしたら一体どこを通ったのか、これまで調べてきた、吾妻渓谷を谷ルートではなく山ルート(尾根ルート)で行く方法は、

  1. 屏風岩の上を行くルートは痩せ尾根すぎて大勢では無理
  2. その上の尾根は尾根にしては斜度がありすぎて危険


という状況でした。


普通なら、吾妻渓谷を尾根ルートで越える方法を考えることは諦めるところですが、「懲りないバカ」 というのも、私の特徴でございます。


さらにその上の尾根を今日は調べてみます。





今日の午前中の登山予定ルートです。ピストンで帰ってきてもいいし、もっといい下山コースがあれば見つけてこようと思います。



      


松谷鍛冶屋沢付近に駐車し、道路を歩いてゆきます。「鍛冶屋沢道路工事の為無縁仏移転」の石柱と仏像があります。どういう仏様なのか全くわかりませんが、気になっているのは、昔、吾妻渓谷の中に諏訪神社があったということ。諏訪神社に行く道中の道に設置されていた仏像である、と私は見ています。



    


バリケードをくぐって(車じゃないのでお許し下さい)、作業用林道に入りますが、整備していないので見ての通りです。



    


熊の爪痕が凄まじかったのはトチノキ。茂四郎トンネルと松谷トンネルのジョイント部分が見えます。できればあの辺に降りてきたいのです。一時的に道はよくなり、コアジサイの花群落に癒されます。



    


やがて道はけものみちとなり、沢に降りるしかなくなります。ここから、前回の尾根は急すぎて危険だったので、沢を越えた尾根から登ってみます。なんと、この尾根に登るのが急崖で大変なこと。



  


やっとの思いで尾根に出ると、やはり期待通り、広くてなだらかな尾根でした。ここからなら、安易に登られるかも知れません。



  



広い尾根に巨木。独り占めで歩きました。



    


    


前橋営林局がつけた赤い印、測量標がめだちます。この印をたどっていけば、迷うことはないはず。そのうち、徐々に急になってきました。やがて、大きな岩が立ちふさがります。





富沢様に「山中に昔、博打をやっていた岩窟がある。まあ、岩陰のようなものだが…」と聞いたはどうやら、ここのようです。嬬恋村には「トックリ穴」というもっと広い岩窟がありました。それにしても、博打をやるためにこの山奥まで来るとは、すごい執念です。



    


最終的な稜線に出ました。



  



今まで広かった尾根道は、ここに来て急に狭くなりました。当然、馬の通行はできませんね。



  



標高850mの頂きに到着。この尾根は西に進むと、高間山山頂に出られます。松谷〜高間山〜暮坂に行くむかし道は、間違いなくこの地点を通っていたはずです。



    


帰り道。険しい道ですが、標高850m地点から松谷を目指す尾根道は、この道が最も安易な道です。大岩を過ぎると、リョウブの樹皮をカモシカ?が食べた痕跡がありました。この時、道を間違えていることに気づきませんでした。行きには無かったマーキングだったのに。



    


大木がゴロゴロしています。秋には本格的にキノコ狩りに来たいですね。ツキノワグマの爪痕はタカノツメにもありました。



      


思わず見とれてしまう、ミズナラの巨木たち。なんていいところでしょう。



    


さて、降りてきたのは、どういう訳か鍛冶屋沢ダム。途中で尾根を間違えてしまったようです。慎重に降りてきたはずなのに…大岩を過ぎたあと、降りやすい道を選んできたらここに着いてしまいました。





本来ならば、緑色のルートに降りてくるはずでしたが、赤色のルートになってしまいました。



    


しかし、このあたりは道がいいです。この辺は鍛冶屋沢ダムを管理するために、東京電力が道を整備しているのでしょう。登山用、観光用ではありません。



      


      


イワタバコ、ウワバミソウ、そしてイワシバ…私好みの植物が豊富です。川の中には魚の影も見えました。本来なら降りてきたかったトンネルジョイント部分。このあたりの地形を見て驚愕。断崖絶壁で、とても降りては来られません。最後は川床に滑落コースです。途中で道に迷わなかったら、また、気がついて戻ってしまっていたら、と思うとゾッとします。山が守ってくれたんですね。いよいよ、吾妻渓谷の山々が私を受け入れてくださった、そう感じます。誠にありがたい。



    


桑の実がもう熟しています。移転された無縁仏の近くにあった白い花は種名わからず。今日も無事にカエルことができました。吾妻渓谷の神様に感謝します。





そういえば、諏訪神社の跡地は見つけることができませんでした。地図を見ると、今日のもう一つ上(西)の尾根はもっと緩やかなので、古道はそちら(紫色のルート)だった可能性はあります。あるいはさらに西の尾根は919m地点にいち早く出られるので、その可能性もありです。これは、一度、尾根沿いに高間山に登ってみてから考察したほうが良いのでしょう。


それにしても、鍛冶屋沢ダムの付近は巨木があり植相も豊かで、私好みのディープフォレストです。このエリアで森林浴セラピーをしたいところですが、一般の参加者は癒されてくれるかな、それともちょっと恐く感じるかな?次回はそういう観点でも観てみることにしましょう。






人気ブログランキングへ にほんブログ村 環境ブログ エコツーリズムへ にほんブログ村 アウトドアブログ 野遊び・森遊びへ にほんブログ村 アウトドアブログ 自然体験へ