花の駅美野原散策と草木染め体験(吾妻郡東部町村連携講座「ふるさと探訪」)に参加



「広報ひがしあがつま」に吾妻郡東部町村連携講座「ふるさと探訪」の募集が掲載されていました。こういう、行政が実施するものは安価なものが多く、東部のことをもっと知りたい私としては願ってもいないチャンス。第一回目の中之条町会場「花の駅美野原散策と草木染め体験」に参加してきました。



  


花の駅美野原9:15集合受付。以前はJA沢田が経営していた旧薬王園、その後、休園開園を繰り返し、今年から中之条町が直営することになりました。平成27年開催の「花と緑のぐんまづくり2015in中之条」のメイン会場となるらしく、これから大幅に力を注いでいくことが予想されます。


A班は中之条町と高山村、B班は東吾妻町と吾妻教育事務所に分かれました。いつも東吾妻町の参加者が多いそうです。東吾妻町民には教養講座がお好きな方が多い、ということでしょうか。いいことですね。



  


まずは草木染め体験から。木工館の体験学習室へ。



  


草木染め料金表です。

  • 綿ハンカチ(速乾)15分 1,000円
  • 綿ハンカチ 1.5時間   1,000円
  • 綿角袋   1.5時間   1,500円
  • 絹ハンカチ 1.5時間   1,500円
  • 絹ストール 1.5時間   1,200円

作業室には藍が干されていました。中之条町では藍が育つようです。



  


いくつかの見本があります。私は昨年、中之条町草木染めの会に入会する方法をお伺いしましたが、当時は新規会員を募集してはいませんでした。現在はもしかしたら入会できるのかもしれません。しかし、この木工館に交代で詰めるのは大変なことですね。


講師の方によると、草木染めは日本の色彩文化の具現化されたもの、だと仰られました。植生が豊かな日本では、染物の多くは鉱物ではなく植物でした。同じ植物でも時期や産地によって様々な色が現れ、とても微妙な中間色となります。そういった中間色を表現する言葉を持っているのも日本ならでは。9月に染めると9月の色、秋は多くは枯れ色が出る、花の咲く頃は花の色が出る…など。

うーん、こういう「日本ならではの文化」なんてお話を聞くと、グッときてしまいます。ハマりそうで危険です。


茜は輸入物の材料を使っているとのこと。アカネの根は掘って採取した経験ありますが大変ですものね。



    


今日は「こぶな草」染めを体験します。ハンカチには裏表、タテヨコがあります。伸びない方を手前にします。



    


輪ゴム、箸、トミーペン(水ですぐに消えるペン)などで、模様を付ける「絞り入れ」という作業を行います。



    


「ちょっと頑張ってみましょうか?」講師の方のご提案により、「アジサイ」に挑戦することになりました。トミーペンで下絵を描き、細かい作業に突入です。



    


輪ゴムは小さなものを使って細かい模様を。縫う時は布を挟めることを忘れずに。何とか、できあがりました。



    


まず、何かの液に浸し、脱水をかけ、もう一度別の液に浸します。洗濯機は全自動ではダメ、手動の洗濯機で。通常の草木染めだと媒染液だとか一般的な手順がありますが、この大人数で短時間の体験だと、化学薬品を使った体験になるようなので深くは追求しませんでした。



    


50〜60℃のお湯で洗い、また脱水します。このように広い厨房、コンロ、水回り、洗濯機、作業台が必要…大変ですね。



    


染まったハンカチについている輪ゴムや糸、布を取り外し、野外に干します。



    


軽く干したあと、アイロンをかけて、記念袋に入れて渡す…おみそれしました。


草木染めを個人的にトライしたことは何度かありましたが、団体で体験したことは初めてで、実施の流れを学ばせていただきました。結論として、草木染めを自分たちで行うのはかなり大変なので、ご紹介させていただくようにしよう、と思いました。山で材料採りの指導なら、ぜひやりたいところです。



  


昼食後は、中之条町「花と緑のぐんまづくり推進室長」の宮崎貞夫様が、花の駅美野原をガイドしてくださいました。小水力発電施設を園内に設置する予定があるそうです。


花の駅美野原は来年の「花と緑のぐんまづくり2015in中之条」に向けて大きく生まれ変わろうとしています。12.5Haの敷地内を花で埋め尽くす計画をお話くださいました。



  


旧薬王園時代に建設された不要なものを、次々に撤去していっています。有名な中国人の像も花の駅には不必要。斑入りのケヤキは初めて見ました。



  


フジバカマの奥にあるりんごの木は、オーナーを募集しているとのこと。おや、フジバカマにはスズメバチも来てしまうのですね。



  


ハーブ温室は、旧薬王園時代のものからの引継ぎですが、特に選定等をしていないので、強いハーブが生き残っていっているようです。おや、この時期にもシャジンは咲くのですね。



    


次は「花みどり館」へ。おや、中之条町イメージキャクターって、こういう感じでしたっけ?「なかのん」「なかっこちゃん」。



  


ここで、フラワーアレンジメントの実演をやっていただけるのです。講師は花楽の里支配人の淵上奉夫様。ようやく、淵上さんの世界を拝見できる機会に恵まれました。以前にもブログで紹介しましたが、もう一度淵上さんのプロフィールを記載します。

淵上奉夫(ふちがみともお) フラワーデザイン専門家

昭和20(1945)年、福岡県生まれ。
23歳から26歳まで東京の花店で修行を積んだ後、家族とともに故郷で花店を30年余り営む。50歳を過ぎた後、花の国、オランダへ短期研修(20日間)で3度渡り、生花を基本にフラワーデザインを一から学び直す。
これら3回の研修の中では、2回目に修了証書のほかに「ディプロマ」という認定証を授与され、3回目では、師で元世界チャンピオンのウイム・ハスラー氏から「あなたはプロフェッショナル」という言葉まで記してもらっている。この3回の研修の中で「ディプロマ」の認定証を与えられたのはただ一人だけだったという。
57歳で花店をやめ、花づくりを希望して六合村へと移住した。当地で「花つくり」が行われ始めて10年余りが経過していた当時のことについて、見ず知らずの自分を温かく迎え入れてくれたこの村の人たちがいたからこそ今日の自分がある、と振り返る。
現在は「花楽の里」で支配人としての業務をこなす傍ら施設のガーデンで花づくりを行ったり、生花を基本としたフラワーデザインやアレンジメント教室を行ったりしている。花楽の里は、淵上氏が多忙な日々の中から作り上げた品位あふれる作品で満ちている。

  


デザインを学べば学ぶほど、いろんな色や形、技を使うようになってくる、しかしそれらを多用して出来上がった作品が、優れたものになるとは限らない。かえってシンプルの方が良かったりする。やればやるほど陥るジレンマをどう解消していくのか…


中之条町の旧六合村で暮らす淵上さんは、「自然とは何であるか」に行き着いたそうです。着色したり凝らしてみたりというよりも、季節の移ろいで変化していく自然、そのありのままを表現する、これが淵上流。枯れていく“今”を表現したい…そうです。


取り出したのはなんと毒草の「タケニグサ」の枯れたもの。確かにそういう季節です。



  


一般の人は通常の花屋さんが行うフラワーアレンジメント、クラシックスタイルに目が慣れているそうです。淵上さんのスタイルはモダンスタイルというそうです。



  


360℃、どの方向からでも魅せられるのも自然ならでは。素材を合わし季節感を大切に。



  


この作品、私好みです。完全に自然にあるものだけではなくて、園芸植物も使っています。斑入りのススキなんて素敵ですね〜。ご興味ある方は中之条町暮坂高原「花楽の里」にぜひ足を運んでみてください。






人気ブログランキングへ にほんブログ村 環境ブログ エコツーリズムへ にほんブログ村 アウトドアブログ 野遊び・森遊びへ にほんブログ村 アウトドアブログ 自然体験へ