大江戸異人往来

江戸時代と言えば鎖国のイメージだが、実はそれなりに外国人はやってきていたし、また外国人に対するイメージも(様々に歪められたイメージも含めて)流通していた。本書は、日本語にも堪能な英国人の視覚表象学者タイモン・スクリーチ氏が、豊富な図版を基に、江戸時代の日本人が外国人に対してもっていたイメージを探求するもの。こんなことを英国人学者に教わらなくてはならないというのは、ちょっと情けないことではあるのだが・・・
大江戸異人往来 (丸善ブックス)

サブプライム問題の正しい考え方

クレジットの顧客として問題があっても、リスクを取って住宅費用を貸し付ける「サブプライムローン」。人種などによる差別が表向き禁じられていても、クレジットの実績にしたがって顧客を点数化し(その代表例がフェア・アイザック社のFICOだそうだ)、その点数にしたがって貸すか貸さないか、貸すとしたら利息をどのくらい取るか決めるというのが、米国での主流のやり方。本書はタイトル通り、サブプライム問題について「土地の証券化自体が悪い」といった誤解を正し、「メザニン」「モノライン」「フレディマック」「ファニーメイ」といった聞きなれない新語についても基礎知識を与えてくれる。巻末の提言もごく真っ当だと思う。
ファニーメイ(連邦抵当金庫)は公的な色彩の強い企業なのに、そこの社長の2007年の報酬が1221万7500ドル(ブッシュ大統領の30倍以上)というのは、明らかに貰いすぎですね。
サブプライム問題の正しい考え方 (中公新書)